今回、また現地コーディネーターと共に森の幼稚園へ訪問しました。
森の幼稚園は、その名の通り、一日通して森で子供たちは過ごします。
体験された方はわかると思いますが、決してイメージするだけのようなのんびりしたものでもありません。特に、冬など雪が積もり、歩くところは泥だらけ、滑るし、葉っぱ、木の枝など散乱し(森なので当たり前)、また丘のアップダウンにしょっちゅう出くわし、かなり体力が要ります。
しかしこの自然の中の体験が、子供の体力維持・増強にもなり、また自然への感謝や畏怖、またそれは自然環境に対する意識も持つことになります。
森の幼稚園近くのバス停で。バスは30分に一本くらい。
(写真は現地コーディネーター)
今回訪問した園は、森の幼稚園ですが、ガチガチのアウトドアタイプではなく、ちょっと”ゆるめ”の森の幼稚園です。
園舎外観。
冬場は2~3時間ほどみんなで森へ出て、お昼ランチに園舎に戻り、後は園庭や園内で過ごします。
何があっても(相当ひどい天気なら別ですが)外で一日過ごす本格的森の幼稚園ではなく、天候や気温(冬でも夏でも)、また年に何回かあるプロジェクト期間(特別な学びの期間)に応じて、園内活動もあるというバランス重視の森の幼稚園です。
今回もまた子供たち、先生と一緒に参加しました。
この日は子供20人くらい。先生は4人(男性は一人)。アイスランドから来たという20代くらいの先生もいました。
朝、セロリやキュウリ、パン、簡単なサンドイッチなど子供たちは栄養補給をします。
3グループに分かれ、1番目の子たちから着替え部屋へ。
残った子たちは待つ間、先生による絵本の読み聞かせなど行います。
みんな揃って森へ出発です。
歩き出すと即座に女の子と男の子が私の両手を取り、両手ふさがれた状態で歩いて行くことにしました。
丘の斜面を滑って道路の方へ。
次々に滑っていく子供たちはかわいくて面白かったです(笑)
結構、急なんですよ、見た目以上に。。
慎重に道路をみんなで渡って向かいの丘へ。
ちょっとこの辺りで遊びます。
子供たちを木に座らせ、男性の先生が何か話し始めました。
後で、彼が何を話していたのか聞くと、
「トロール(北欧の妖精)がここに来て、目の前の木を”空手チョップ”でぶち切った」という話をしていたとのことです。
空手チョップ??
なんだ、それは。。。
聞くと、その先生が創作した話なんだとか。。
こうやって時々、目の前の自然のことを土台にして話をするのだそうです。
”創作”もありなんですね。。苦笑
全内容は聞かなかったですが、そういう話で自然の素晴らしさや大事なことなんかを教えるそうです。
こちらの木の根元の穴はキツネの住処だそう。
2年前まで2匹住んでいて、今はもぬけの殻だとか。
先生は語ります。(よく知っているよね。。。)
冬の森は寒くて、足場も(特に雪が降れば)ぬかるんで、おまけにフラットな平地はありませんので、終始、自分の足元に注意をすることになります。ここに足を置けばどうなるか、滑るか、または落ち葉の堆積が深くて着足がうまく行かないかとか、転んでしまうかもしれないとか。。。こういうことも踏まえ、子供たちはその次の動作の「準備」ができるのだろうと思います。反射神経や体の使い方・バランスの取り方など自然に身に着けて行くのでしょうね。
上を見上げて、空と木の枝。
一緒に手をつないでいた女の子(3歳くらい)が倒木に座って上をずっと眺めていました。
青い目をカッと開いて口を閉じ、微動だにせず、ずーーっと眺めて。。。
他の子たちや先生達が移動しかけている時でして、先生が来て何か話しかけて(デンマーク語)、しばらく私と3人でそこにいました。
「早く来なさい」とか、先生はそんなこと言いません。
しばらくして2,3話しかけて女の子も立ち上がりまた歩き始めました。
この子が何を思って考えて(または感じて)、傍目には”ぼーっと”上を眺めていたのかわかりませんが、子供の想像、発想の時間を邪魔せず、それを尊重しているような先生の穏やかな対応に、さもすれば「早く行こう」と言ってしまいそうになった自分をちょっと恥ずかしくも感じました。
帰り道、馬牧場の傍を通りました。
園舎までもうすぐです。
正午ごろ、園舎に戻り、みんなでランチです。
その後は園内で過ごします。
午前中だけの森の散策でしたが、短時間でもいろいろと感じるものはありました。
森の中で何かを見つけようとしたり、大きな倒木に乗ったり、人が通ってないところを探して歩いたり(自分でルートを探したり)、子供の想像力というのはこういう自然環境の中でとても発揮される気が改めてしました。
自然の中で過ごすっていいですね。でも体力も必要ですが。
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