大事に大事に育てた衝動

自由という名の温室育ち

成長するたびに

バラの甘美な匂いが立ち込める

もう僕は窒息寸前だ


だからそれ摘むんでしまうと思ったけど

棘がいっぱいで

匂いを嗅ぐので精一杯

血だらけなんてなりたくないの


揺れる揺れる衝動

山一個飲み込んでしまうような炎に似てる

ゆらゆらと行き先なんでわからない

風に揺られて

意思なんてないのに

留まることができないらしいよ

7月5日 午前3時

ミサイル発射

弾頭には「憎悪」搭載


7月5日 午前4時

ねーちゃんの香りがまだ残ってるネクタイを結びなおす

朝から暑いじゃねーか


7月5日 午前5時

皆難しい顔だ

今日の予定が全部キャンセルだから


7月5日 午前6時

出来もしない案を喚いてる

誰も止めない

なぜか?

必要なプロセスだから


7月5日 午前7時

疲れてきたので

現実的な意見に戻す


7月5日 午前8時

「憎悪」の種が芽をだした

あとは大事に育てるだけ


7月7日

順調に成長中

若干雲行きが怪しいのが不安


7月24日

また失敗した

枯れてしまった

やはり原爆の土地では難しいのか

さらなる品種改良をしなければ・・・

このヒリヒリした感じ

わかるかな?


東京タワーの天辺で片足で立ってる感じ

怖さよりも空が広いことが気持ちいい


爆音に身をゆだねるこの感じ

肌に絡みつく汗の不快感

それすら気持ちいい


ゆらゆらと

ブーンと

揺らめくロウソク

千切られた拘束


世界が青一色

東京から脱出

今見てる世界がひっくり返る


フラッシュバックが始まった

もう戻れない楽しい時が甦る

懐かしい

あとは軌跡を信じるのみ

昨日、出かけた

その前とその後は何したかなんて覚えていない


日々課題で追われる毎日

記憶に残らない日々が続く

あと何日続けたら記憶に残るのだろう


曖昧な記憶を

彩るためにCDを聴く


僕は浸る

昨日と同じ再生ボタンを押して

自由と無責任の日々を思い出す

そして、いつしか聴くのをやめた


音を記憶していた

将来なんて

遠い未来だと思ってた

自分は自分だと思ってた

常に同じ音を奏でられると思ってた


朝が覚めたら、それに気づいた

CDラジカセが点滅している

僕はそのまま寝てしまっていたんだ

一時停止のボタンを押して寝てしまったことを

橙色の空

だいたい夕日

それが普通


そんな普通が変わる時

日の境界線が見えてくる


眠らぬ街

新宿にもそんな境界線が見えてくる

昼と夜の不協和音がオレンジに光ってる

ただ風俗店のネオンに感動は覚えない


そんな光に疲れて

僕は室内にはいるんだ


そして気づくんだ

だいたい気持ち悪くなって外に出た時に

橙色の朝日に照らされて


・・・






中田が泣いた

選手が泣いた

4年間の練習の結果

訓練という仕事

サイレンが鳴り響いた日


サポーターも泣いた

感動メロドラマを見たあとのように

選手以上の号泣


借りる前から知っていた

泣くために借りたビデオだから

泣かせるために作ったビデオだから


泣ける君が羨ましい

努力をした選手の気持ちがわかる君が羨ましい

選手の悔しさがわかる君が羨ましい


もし涙を手にいれることが出来たのなら冷凍しよう

選手の涙も

サポーターの涙も

できた氷でかき氷を作ろう


お腹が空いているなら選手の氷を薦めるよ




煙草銜えて5分間過ごす

いつもと変わらない景色


目は開いてるのに

あんまよく見えない


煙草の煙で霞んでしまってるのかな

それとも煙を見ているせいかな


楽しいから吸うわけじゃない

おいしいから吸うわけじゃない

まして苦しいわけでもない


する必要のないキスのように

口が物を語れなくするために


言葉にしたら面倒だから

言葉にしたら嘘の気がして

自分に矛盾があるのに気づいてしまう気がして


閉めきった部屋に煙が充満してるんだ

口を塞いで流れ出す煙

君は視界すら奪っていくのか



言葉がある


世界がある


人がいる


私は生きてる


時は過ぎてく


考えられる


考えるのをやめる


時は過ぎてく


時は止まらない


汗が滲み出る


言葉にならないイメージ


言葉がにじむ




逃げたい

逃げたい

今を逃げたい


今まで小走りで逃げてきたけれど

もう道がない

もうすぐ崖っぷちだ


もしも、僕に才能という翼があったなら

どこまでも逃げ続けられるのに


例え崖っぷちでも

そんなもんは飛びこえられるのに


どこまでも

どこまでも

逃げてやるさ


希望はフライすること

最悪はフライにされること


僕の名前はチキン

羽はあるのに飛べない鳥

醜いアヒルの話を信じて

時が経つのを待っている

君は見たことあるかい?

晴れた日のの朝の繁華街を


あいもかわらず光ってる

ネオンのかわりに光ってる

夕日のような朝日を反射して光っている世界があるんだ


君は見たことあるかい?

うっすら寒い朝の繁華街を


そこには冬の静けさを感じさせる建物と裏腹に

せわしなく歩くリーマンがいる


君は見たことあるかい?

うっすら寒い晴れた朝の繁華街の真ん中に座り

煙草に火をつけたときの風景を


僕は、少しだけ世界が見えたよ