評価:★★★☆☆
【STORY】
昏睡(こんすい)状態から目覚めたものの、左目のまぶた以外を動かすことができないエル誌編集長ジャン=ドミニク・ボビー(マチュー・アマルリック)。意識ははっきりしているにもかかわらず言葉を発することができない彼に、言語療法士のアンリエット(マリ=ジョゼ・クローズ)はまばたきでコミュニケーションを取る方法を教える。(シネマトゥデイ)
【CAST】
マチュー・アマルリック
エマニュエル・セニエ
マリ=ジョゼ・クローズ
アンヌ・コンシニ
パトリック・シェネ
ニエル・アレストリュプ
etc,,,
ファッション誌「エル」の編集長として活躍する人生から一転、脳梗塞で左目のまぶた以外の自由が効かなくなってしまった男の実話を映画化したフランス映画。
原作は主人公のジャン=ドミニック・ボビー自身が20万回のまばたきでつづった自伝小説。
『夜になるまえに』のジュリアン・シュナーベルが監督を務めている。主人公を演じるのは『ミュンヘン』のマチュー・アマルリック。シリアスな展開の中に温かいユーモアが味わえる一方、独特の映像美も堪能できる感動の実話。
脳梗塞で意識ははっきりしていても体の自由が利かない閉じ込め症候群になった人の話なのだけど、閉じ込め症候群って病名があったのは知らなかった。
閉じ込め症候群とは、脳底動脈閉塞による脳梗塞などで、主に脳幹の橋腹側部が広範囲に障害されることによっておこる。眼球運動とまばたき以外のすべての随意運動が障害されるが、感覚は正常で意識は清明である。単に意思表示の方法が欠如した状態であり、ほとんど完全に「鍵をかけられた状態」であることからこの命名がされている。
主人公の目線での場面はもどかしさがすごい伝わってくる。単語を読んで自分の言いたい単語のときに瞬きをして、待ってほしくてもゆっくり話してほしくても待ってって言えないもどかしさが体現できる映像のつくりはすごいと思う。
電話で父親と話す場面では「こんな風に話すのは耐えられない」って涙してるところはなんか心が苦しくなりました。
本の完成後すぐに亡くなってしまったわけだけど、43歳だなんて若すぎる。でも悲観的な内容ではないのが好感が持てました。
あとタイトルのセンスが素敵だなって思いましたね。