こんにちは😊
太郎君は三人兄弟の三男。
太郎君の父親は生まれ育った小さな田舎町では子供の頃『神童』と呼ばれ、後に大学はK大に入学された方で、太郎君の兄二人も同じ出身。父と兄二人は医師、太郎君だけは医学ではない違う道に進んでいます。
かつて神童と呼ばれた父親は、だからと言って同じような何かを息子達に強要することはありませんでした。けれど兄二人は早くから真面目な優等生、父親と同じ道を志していたそうです。
「実際兄達は二人共に出来た人だったから、兄二人だけで親は満足してたと思う。はっきり言って親は俺に興味さえ、あまりなかったように感じてた」
進学しても就職を決めて独り立ちしても。太郎君が報告するのは自分で道を決めた後の事で、それに対して両親は何も言わなかったそうです。
やがて結婚して父親になった太郎君。
「子供が生まれる前まで奥さんとはそれなりにやってたけれど、生まれてからは噛み合わないままで。改めて向き合うなんてやって来なかったし、そのままで来てしまった」
彼は奥さんと上手くいかなくなってからは、ずっと単身赴任の繰り返しで家族と暮らしていません。
数年前から親の遠距離介護をしている太郎君。兄達の方が実家近くにいますが「お金は出すから」と、離れた場所に住む太郎君が介護を頼まれたそうです。
太郎君の親は今、彼等が一番無関心だった三男に最後の面倒を看てもらっているわけです。
「仕事も介護も全部終わったら、出家したいなあ」
太郎君は言います。
私は「奥さんの元へ帰らないの?」と喉から出かかりましたが、やはり言えませんでした。
ご夫婦でも親子でも。
お互いに向き合っていないケースは見かけます。
そう至るにはきっと理由があるはず。
けれど子供が親からあまり関心・興味を向けられていないのでは?と感じた時は
興味を向けられないと人は居場所を失う。
そして居場所を作るのが下手な人になってしまう。
そんな風にならないといいけど
なんて思うのです。
最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました😊