中断してる枕草子。
楽しみにして下さっている方がいらっしゃるので
申し訳なく思っています、ごめんなさい!
下書きはストックがあるのですが
少しお時間下さいね。
枕草子をすすめる前に、古典を読むうえで
大事になってくる『価値観』などを
少〜し説明させて下さい😊
①日本の文学の誕生
中国から文字が日本に入ってきたのは約1600年前。
その前は口承のみ、文学は語り部が物語を
聞かせていました。
日本の記載文学の歴史は約1300年前から。
古代日本では安全や収穫を神に祈る際に
祭りを行い、そこでは神にまつわる
言い伝え(神話)が語られました。
こうした神話を集めて出来たのが『古事記』です。
またこの祭りでは、皆が歌謡をうたいました。
歌謡はやがて一人ひとりが自分の心情を歌にこめて
詠む形になり、そして『和歌』は誕生しました。
②古代の人の死生観
死者は甦るかも知れないと考えていたようです。
殯の森・殯の宮(もがりのもり・もがりのみや)
というのがありました。
殯の森は遺体をしばらく安置する為の仮の宮殿で
殯とは古代の葬法のひとつです。
昔、人々が考えていたこと。
人間は霊肉一体となって今世に現れて
死後に体と霊(魂)は切り離される。
けれども霊魂が再び体を得られたならば
死者は再び現世に甦る、と信じていました。
人々はそれを願って亡骸を安置し
【招魂儀式】を行っていました。
当然やがて亡骸は腐り、溶けて、白骨化する。
送る側はこうなって初めて
【完全なる死】を悟り(諦め?)土葬します。
こうして出来たのが【古墳】でした。
この死生観はかなり古典に影響してる
気がしてます。
③あけすけであるのは恥、すごい恥
昨今、米国では
クワイエットラグジュアリーというのが
ファッションにおける流行のようです。
高級なものをわかりやすく身につけるのではなく
そうとは見せずに悟らせる、みたいな。
コレ、日本では今もそうですが
それは古典の昔からやっていたことで。
あけすけは、はしたない訳です。
枕草子や古典の中にある美学のひとつは
クワイエットラグジュアリーだと思っています。
例えば
一見シンプルな建物がよーく見ると
アシンメトリーになっていたり。
見える表よりも裏に意匠を凝らしたり。
和歌ならば『それ』をはっきり書かずに
夏と冬や、新緑と錦秋をかけ合わせたりして
『男女の交わり』を表現したり。
真の金持ちは欲しがらない、誇示しないなど。
いずれにしても、持っているから隠せる
知識があるから隠せる、わかるので
知らないや、持たないは大いに恥な訳です。
④なんでも祈願
病気・災害・家庭不和など不運な出来事は
とにかく全て、全てが鬼や魔の仕業なので
信仰は人々にとって絶対、必要不可欠なもの。
普段から用心して信心深くならざる得ないのです。
⑤余談。君が代
現在と違い『君(きみ)』は、かなり高位の人を
指す呼び方。『君が代』は平安時代の祝の席や
宴で既に歌われていた歴史の長ーい歌です。
こんなことを踏まえて読むと
より古典の世界に入りやすくなるかな?と
思いました😊
最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました😊