最近は避けてきたのですが
今回は久しぶりに重めな内容です😊
私の叔母の話です。
女性が結婚する平均年齢が25歳くらいだった時に
叔母は独身で、ずっと働き続ける人生を選んだ人。
縁談は幾つかあったそうですが
全部お断りしていたと聞いています。
そういう生き方をする女性が増えてきた時代でした。
職場で男性Aからイジメを受けるようになり
当時の言葉で『ノイローゼ』になってしまいました。
一緒に住んでいた祖母は
塞ぎこみ続ける叔母から目を離さないようにして
お風呂も就寝も一緒にしていたそうです。
ある晩。祖母と叔母はいつものように
同じ布団に入りながらお喋りをして就寝。
翌朝目覚めた祖母は
叔母がいなくなった事に気づきました。
あちこち探しても、誰に連絡しても
行方がわからずじまい。
誰のことなのか
祖母は『拝み屋さん』と言っていましたが
そういう人にも頼ったようです。
その拝み屋さんは
「死んではいない。元気にしてるから
もう少し待てば帰って来る。
◯◯◯市近辺に住んでいる」と言いました。
祖母にすれば一番聞きたかった言葉ですから
とても喜んでいたし、信じていました。
その言葉にすがったと思います。
祖母の家の前には道路を挟んで広い畑があって
畑の向こうにはとても大きな川が流れており
その川で叔母は見つかりました。
叔母は川際にある木の根に引っ掛かっていました。
あの日、家を抜け出して
そのまま川に飛び込んだようでした。
葬儀と◯回忌をやりました。取り乱す人もなく
誰もがすべき事をこなしてる様子でしたが
出棺の際には皆、それまで出さずにいた気持ちが
溢れ出て目が真っ赤になっていました。
葬儀の場にいた誰かが
「水に浸かったら茶色になる」と言ってたのを
覚えています。
確かに叔母のは白ではなく
薄い茶色になっていました。
祖母は拾いながら言いました。
「何故、Aは来ない?」
考えてみたら
人間はひとりで多様な顔を持てる生き物だと
私に初めて気づかせてくれたのは祖母でした。
彼女自身、人をいびったりしてましたから。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました😊