沢山の恋をした訳ではありませんが

恋に関しては一丁前に(笑)持論があります。


『そもそも恋とは、うまくいかないもの』

『恋は、そのほとんどがうまくいかないもの』

そう気がつくと、前に進めるかな?と思っています。


これ、何とタレントの高田純次さんも全く同じ事を

テレビで仰っていて思わず笑っちゃいました。


現実に新しい恋なんて

大人はそれどころじゃないので(笑)

空想の話、オススメ恋愛小説をご紹介。



『君の名前で僕を呼んで』アンドレ・アシマン


タイトルに惹かれて購入。

これは男性と男性の恋愛小説だと読んで気がつきました。

既に映画化もされています。

【カリスマ的人気の本】と紹介されることもあります。


大学院生が、師事する学者の助手として訪れた夏のイタリアで

2人は出会うのです。相手は学者の息子でした。


夏のムンとした空気や、大人へ移り変わろうとしてる

薄い肉づきの清潔感のある色白な少年の身体が目に浮かび

終始美しく繊細に物語は進みます。


男性にとっては異性間の恋よりも男性同士との恋の方が

ストレスが少ないのではないか?と思いました。

【㊛言わなくても察して→㊚分からんがな💢】の様な事がない。


そしてやっぱり男性はロマンチスト!



『倒錯の庭』小池真理子


私はこの方のミステリーが好きで、多分全部読んでいますが

本作は恋愛小説で短編です。


何気なく放つ女の一言を実現すべく、男は【実行】を重ねます。

何故なら最上なる愛の表現とは会話や体の関係ではなく

相手の望みを全て叶えることだから。


小池真理子さんの近作『月夜の森の梟』もいいです。

この本に綴られているのは実話です。

亡くなられたご主人とは固い絆で結ばれていたものの

夫婦公認で常時それぞれに恋人がいた小池真理子さんご夫妻。


終わりを悟った夫が言った『歳をとった君を見たかった』は

多くの人に印象を残しているようで、評判が高い一冊です。

喪失と再生のお話です。



『世界で一番美しい声』ミア・シェリダン


世界で一番美しい声の持ち主とは、唖の男性のことです。

父親が自分を庇って眼前で殺害され、心に傷を負った女性と

声を失い、15年以上引きこもって暮らしてる男性の恋愛小説。


男性は女性との将来を考えて、このままではいけないと

一念発起して都会で一人生きていく場面があります。

ずっと長い間、人目が気になって外出も苦しかった男性。


都会ではレストランや映画館へ勇気を出して一人で行くのですが

親切を受けたり冷遇されたりを繰り返し、男性は気付きました。

『人々の反応は、僕よりも、彼ら自身、つまり彼らが

どういう人間かに左右されるのだとわかった。

まるで雷に打たれたような衝撃だったよ』


この場面が好きです。


恋愛小説というより再生の物語かも知れません。



恋愛とは違いますが、男と女の話なので

『かわうそ』向田邦子


向田邦子さんの直木賞受賞作の1つ。


脳卒中の後遺症を患う夫宅次は、妻厚子の浮気を疑っています。

けれども病気で身体も言葉も思うようにいかないジレンマに

宅次は苦しみます。対照的に浮かれているようにも見える厚子。


【指先から煙草が落ちたのは、月曜の夕方だった】の

書き出しで始まり、結末はこう書かれているのです。

【返事は出来なかった。写真機のシャッターがおりるように

庭が急に闇になった】


私が昔から向田邦子さんを好きだというのもありますが

ぜひ一度、向田邦子さんを味わってみて下さい。

【かわうそ】が収められている『思い出トランプ』は

短編集なので取っ掛かりやすいです。


うまい短編が書ける人は、いくらでも長編が書けるといいます。

ぜひ向田邦子さんには長く生きて書き続けて欲しかったです。

どんな新作をお書きになっていただろう。


この夏、向田邦子さんが亡くなられて42 年が経ちました。



またまた長くなってごめんなさい。


いい本があれば、私にもぜひご一報を☺️🍀


最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました。