五か月後 | 現実逃避行動。

現実逃避行動。

最後のその時まで、前のめりに。

今日は母親が作業所を休んだ

母親が朝から家に居るから私は出かけた

 

あてもなくふらふらしようかとも思ったけど、とりあえず作業療法に行くことにした

 

 

バス停でバスが来るまで時間があったから、iPhoneを見た

一瞬何が何だかわからなかった

 

来年3月1日、DuelJewelが復活する

頭がくらくらした

 

今は何年だ、何月だ、何日だ、何曜日だ

頭は真っ白だった

 

メンバーのコメントを読んだ

どうやら嘘ではないらしい

 

信じられない、嘘みたいだ

二年半前のことを思い出した

ぼんやりとひとりで物販に並んでグッズを買った

終演後ひとりでめそめそしながらホテルに泊まった

 

ホテルに向かう電車の中、

ああ、これで最後なんだな、って

そう思ってた

 

でもまだ終わりじゃないらしい

あの日の続きがある

 

さっきまで陰鬱なことばかり考えていたのが嘘みたいだ

会いに、行かなきゃ

 

 

朝からコーヒーとスムージーをぶち込んで薬を入れていた

胃の重さとか、気持ち悪さとか、そういうものが全部全部、どうでもよくなっていた

 

ああぶっ倒れてなんていられないなあって

病院に着いて、コンビニでサンドイッチを買った

たまごとベーコンとハムとトマト

食欲はなかったけど、なぜか無性に食べなくちゃと思った

 

買ってしまったからには食べるしかない

作業療法室でひとりでもぐもぐ食べた、食べきった

 

いつも通り吐きそうだったけど、

なぜかどこか満たされた気持ちになっていた

 

相変わらずドグマチールは効いているのか効いていないのか分からなかったけど、そんなことどうでもいいや、と思えた

 

 

なんだか今日は気分が明るい

きっと今日もいつも通りの陰鬱な毎日になると思ってた

 

夜中に目が覚めて、脚がムズムズして、頭がおかしくなりそうだった

ジタバタしながら何度も起きて、意識は朦朧としたまま起き上がって時間を確認して、何度もまた横になった

叫びだしたくなるような夜だった

 

それなのに、どうしていまはこんなにも五か月も先のことを考えられるんだろう

 

人間ってこんなたったひとつのことで気分が変わるんだなと思った

まだ当分は死ねないなと思った

 

無性にいままでの自分にさよならしたくなった

明日は髪を切りに行こう

セルフだけど色も変えよう

 

 

離れてくれと言っても離れてくれないのなら、離れたくなるようにすればいい

それでも離れてくれないのなら、脛だろうが何だろうが齧りつくしてやる