今年の一文字は一択で「歩」
本当によく歩いた。人生でこんなに歩いた年はかつて無い。
目はあまり見えないし、耳もほぼ聴こえなくなったこんぶクンは、勝手知ったる庭を自由に歩き回ることを好んであまり散歩に行かなくなっていたけれど、桜が咲く頃には思い切って伊豆へ。
久しぶりによく歩いた。
この後、一ヶ月程で亡くなるなんて想像もしなかったけれど、あの日の空の色、日差しや香り、目に映ったもの、肌で感じたこと、五感で感じた全てを思い出すだけで幸福に包まれ、活気が沸いてくる。
推定産まれて3ヶ月で保護され、以降5年間広島のシェルターで育った元野犬のきなり。
広島から神奈川の譲渡センターにやって来たのはこんぶクンが亡くなった日だと、譲渡の際に知る。
こんぶクンがウチに連れてきてくれた。
きなりは飛行機やヘリコプターなど空から聞こえる音、雨戸を閉める音や車、バイク、前方・後方から迫ってくる人、全てに怯え丸まって地面に貼りついて動かなくなる。固まるきなりを抱え歩き、腕が限界を迎え下ろす。散歩はこれの繰り返し。
一度出掛けると2時間はかかる散歩を朝夕続けていたら、足の皮は剥け、腰がやられてしまった
なんせ、屋内でトイレができないワンコは初めて。雨の日も風の日も休むことができない。
夫や息子と手分けして何とかするも、近所周りを歩くことにすっかり私が飽きてしまい、夏頃からは毎日早朝の海へ。
これほど外にいた年があったかな
自然の美しさを堪能し、季節の移り変わりを肌で感じた。雨の日に合羽と長靴で歩く楽しさも知った
抗がん剤を4年服用して以来、紫外線は避けてきたけれど、案外大丈夫だったし、足腰は鍛えられ、体力もつき悪いことナシ。
お腹の調子が変わるのが怖くて、食べてから歩くことを避けているので、昼・夜の二食になることが多いけれど、私には合っているみたい。
お腹が空いたら食べる、ということを大事にしている。
我が家にやってきて7ヶ月を経た現在、鼻をクンクンして安全を確認するのを待ってやれば、家の近所でも公園でもダッコすることもなく歩けるようになってきた。きなりも私も家族もよく頑張った
本当によく歩いた一年。
あれっ
私、まだまだできるじゃない
と自信がついた2022。
感謝しかない。
ありがとう