今回の紹介は、都々逸。
『三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい』
都々逸の中では、1、2を争うほどメジャーなんじゃないでしょうか?
高杉晋作さんが詠んだ・・・と言われている作品ですが。
正確な事はわかってないみたいですねー。
久坂
もしかしたら、名も知れ渡っていない遊女さんとか芸者さんが詠んだのかもしれないし。
この都々逸は、珍しく(?)解説がないと若干わかりにくい感じになってる気がします。
だがしかし。
解釈の仕方も人それぞれで、どれが正しいのかはわかっていないんじゃないでしょうか。
某所では軽く解説させていただいてはいるんですが。
コッチで書かなくてどうする!って思ったんで、ココでもお話しておきますw
大まかに言えば
この世の煩わしいものを取り払って、あなたとゆっくり朝寝がしてみたい。
ってことなんだと思います。
ただ、さっきも言ったようにかなり色々な解釈がされているので、正確なことはわかりません。
正解は詠み人のみぞ知る・・・って感じじゃないでしょうか?
三千世界、鴉、主。
この3つがキーワードで、その解釈次第で“殺し”や“朝寝”の意味が変わっているみたいです。
今、ちょっとググってみたのでいくつかを例に挙げておきます。
◆その1
「主を取り巻く世間の些事から開放させてゆっくりと過ごしたい・帰したくない」という妓女の儚い願い。
◆その2
三千世界(全世界の)鴉を殺してと言うのは、鳥は朝早く鳴くので、起こされてしまうから鴉が鳴かないようにすると言う意味で、要は「静かに、いつまでも、貴方と朝寝がしたい」と言うこと。
◆その3
「不吉なもろもろの日常のことをすべて取り払って、心行くまで好きな女と高枕で朝寝できるよういちゃいちゃしていたい」という意味。
◆その4
“三千世界の鴉”とは『世界』、または『この世の掟や全ての誓い』
“殺し”とは『その掟を破る』、“朝寝”とは『共にある、生きる』などとし
「この世界の掟を破ってでもあなたと共にありたい(全ての誓いを破ってあなたと共に生きたい)」という意味。
◆その5
三千世界の鴉⇒願掛けをして、それを破ると三千世界(人間界と、それ以外の世界)の鴉がばたばた死ぬと言う神様(遊女が「誰それ命」と誓う時によく誓いを立てていた)がいた。
主と朝寝が⇒詠み人は遊女で、相手と朝寝ができるってことは、“相手が家に帰らないこと”が前提。
だから「帰らずにいてくれて朝寝が出来たらね」という意味。
◆その6
この唄の中では鴉は鶏のようなもので、朝になると啼く鳥、という扱い。
主と言うのは女郎の『客』ではなく『情夫』の方で、はした金で女の部屋に上がりこみ客の合間を見ては抱き、あまつさえ何くれとなく女に貢がせる情夫は、女にとっては「間夫がなくてはこの世は闇」ではあっても、店にとって快い存在ではない。
例えその色男が地回りに顔が利いたとしても、その男のお蔭で女が艶と妖を漲らせていられるのだとしても。
だから、他のどんなわがままは通っても、客を取った日も取れなかった日もいわば店の沽券にかかわる「主と朝寝」だけは難しいのだ。
・・・と、キリがないのでこのくらいにしておきましょうか。
大まかな意味は同じだったとしても、細かなところは結構違いますよね。
結局は、この節を誰が詠んだのか・・・って部分が定かになっていないので、全てが憶測での解釈になってしまうんだと思います。
まぁ、例えば詠み人が高杉さんだったとしても、高杉さんが自身のことを詠んだのか。
それとも、遊女の様子を見て詠んだものなのか。
そこでも、かなり解釈が違ってくるとは思うんですが。
もっと詳しく知りたい方は、色々なサイトや本を参考に調べてみることをオススメしますw
色んな方面から調べてみて、一番自分で納得のいく解釈を探してみてくださいましw
JEKYLL