徳島に引越して間もない頃、ショッピングモールで買い物をしていたら、吉野川のシラスウナギ漁の写真が展示されているのを目にしました。
愛媛や香川では見たことのない光景でした。
鰻のシラスの大きさは、体長6センチ、体重0・2グラム程度だそうです。
(画像お借りしました)
ニホンウナギの産卵場所は日本の本州から約2千キロ南のマリアナ諸島付近で、孵化した後、黒潮に乗って日本や東アジアに辿り着くそうです。
小さな体で、そんな遠い場所からはるばる日本にやって来るとは、驚きです。
吉野川のシラスウナギ漁について調べたところ、次のようなことがわかりました。
・漁期は12月15日~4月15日まで
・夜、干潮から満潮にかけて潮に乗って川を遡上して来る稚魚を狙う
・光を使って集魚する漁法の為、満月の夜は舟が少ない
冬になったら、私も吉野川に漁を見に行こうと思いました。
しかしいざ漁の時期になると、寒い夜に真っ暗な川のほとりに出かけるのは億劫になり…
どんどん時が過ぎてしまい、漁期終了間際になって、慌てて見に行きました。
緑やオレンジの集魚灯を灯した漁船は、暗闇の川面から浮き上がって見えました。
何艘もの光る舟が、くっついたり離れたりしながら行き交います。
まるで蛍が乱舞しているかのような美しさです。
動画も撮ってみました。
後日吉野川で野鳥を見ているときに、たまたま漁師さんに話しかけられ、30分程立ち話をしました。
シラスウナギ漁のことも、いろいろ教えていただきました。
吉野川で獲れたシラスウナギは、翌日航空便で各地に出荷されるそうです。
去年は豊漁でしたが今年は不漁で、1時間待っても一匹も獲れない日もあったそうです。
そのため仲買人がシラスを買い取る価格も、去年は一匹数十円でしたが、今年は10倍以上だとか。
私達の口に届くまでに、鰻は長い長い旅をしていること、たくさんの人の手間がかかっていることを知りました。
今後は鰻を食べる度に、吉野川で見た幻想的な光景を思い出すでしょう。
漁師さんの話では、3月が漁の最盛期だそうです。
100艘くらいの舟が出て、とても華やかなのだとか。
来年はもっと早い時期に見に行かなくては…