それでも人は恋をする
四月になれば彼女は
川村元気による同名ベストセラー恋愛小説を、佐藤健、長澤まさみ、森七菜の共演で映画化したラブストーリー。
精神科医の藤代俊のもとに、かつての恋人である伊予田春から手紙が届きます。
「天空の鏡」と呼ばれるボリビアのウユニ塩湖から出されたその手紙には、10年前の初恋の記憶がつづられていました。
藤代は現在の恋人・坂本弥生との結婚の準備を進めていたのですが、ある日突然、弥生は姿を消してしまうのです。
春はなぜ手紙を送ってきたのか、そして弥生はどこへ消えたのか、ふたつの謎はやがてつながっていく、、という話です。
10年前の彼女から手紙が来る、これってシンプルにすごいことだと思うんです。
10年経っても心の中にいるってことが。
藤代と春は確かに当時は深く愛し合っていたのですが、事情があって別れてしまうことになってしまったんですね。
それは当時大学生の彼らにとってはどうしようもないことだったのもあって。
もし、大人になって自立してからめぐり合っていたらきっとそのまま結婚していたのだろうなと思います。
なぜ、春が10年経って元カレの藤代に手紙を送ったのだと思いますか?
自分だったらどうするって観点で観たときに、同じような行動を取る人もいればそうでない人もいると思います。
そして、なぜ今の彼女である弥生は結婚直前に姿を消してしまったのか。
この辺も真相を知ったら納得できる人っているんじゃないかな。
弥生はメンタルの病を患っていて、それで藤代と出会うのですが、その弥生の思想に一番共感できました。
自分でそうしたいと思っていることと裏腹な行動を取りたくないのにいつの間にか取ってしまっているような、それでもうどうでもいいやってなんだか前向きにというか自分らしく生きることを諦めているような感じが見えたんです。
それがなんだかすごく印象的で。
そういう場合って自分の胸の内を明かせないんですよね。
だから話を合わせるだけに終始しちゃって望んでいない展開になるし、人間関係に疲れてしまいますよね。
そういう時にそれを理解して包み込んでいくれる人がいたらどんなに幸せなことか。
でもその幸せに寄りかかって良いのかここでもまた葛藤してしまうんですよね。
だから弥生の失踪の理由も何となくわかる気もするのです。
春や弥生もそうですが愛する人に対してそこまで真剣に向き合い考えるのって素敵だなと思います。
ぜひご覧になってほしいです。
※2024.3 MOVIXさいたま
映画『四月になれば彼女は』公式サイト (toho.co.jp)