Frieve Audioがフリーになった話と、音楽ファイルのコピー回数は少ない方が良いらしい話 | jedipadawanのブログ

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人間は判断力の欠如によって散財し、
忍耐力の欠如によって散財し、
記憶力の欠如によって散財する
(アルマン・サラクルー・サンザイ)

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※筆者はオーディオの音の「好み」は人それぞれと思っています。

という事で、
「Frieve Audio」ご存知でしょうか。
私のYouTubeのホームに、
「【オーディオ】伝説の超高音質再生ソフトFrieve Audioを作者自ら振り返る」
という動画が現れました。
懐かしい感じがしましたが、当時の私はこのソフトの「凄み」が理解できていなかったし、
がっつりこのソフトをぶん回せるスペックのPCを所有していなかったようにも思いますし、
なにより、当時はMP3の音質で十分満足していたのです。

ソフトの公開から20周年を迎えたそうで、

作者自らソフトの解説をされたこの動画を見ましたが、
ハイレゾに触れ、中級DAPと中級イヤホンを所有し、

DTMを再開し、音響補正プラグインを買い漁った今ならわかる!
位相の話とか、解説の「8分の6」位は意味がわかる。

今現在も十分使えるソフトである事もわかる。

そして、シェアウェアだった上位版を20周年の節目で作者さんは、
「有償版だったM-Classのライセンスも無償公開しましたのでどうぞご利用ください」
とのことだ。ありがたい。
とある人にとっては、このソフトにはとんでもない価値がある。
それも一つや二つではない。機能を全部使うような人はさすがにいないと思うが、
知識が増えると、今まで無価値に思えたものが、突然輝きだす時がある。


持っていて損はない。是非、解説をみてみて欲しい。
例えば、自宅にモニタースピーカーがあるような方なら、これを見て損はしないはず。
「Frieve Audio M-Class」を使えば、自分の環境の音響特性の測定と補正ができます。
AND MORE・・・

さて、最初にMP3ファイル再生に使っていたソフトは「SCMPX」。
これはめちゃ軽くて、エンコードもできた。Win3.1でも使っていたような記憶があるので486DXで動いたのか、もしかしたらCyrix(サイリックス)586にオーバードライブしていたかもしれないし、MMX Pentium 233のWIN95環境だったかも・・・
蛇足だが、486DX時代のPCはJPEGファイルを開くのにプログレスバーが出るような有様だった。

 

んで、20年前くらいの私のPC音楽環境はどんな感じだったかというと、
「CD2WAV32」と「午後のこ〜だ」と「Winamp」が大体おんなじ頃に出てきたように記憶している。WINDOWS 98から2000の頃か。

かなり記憶は怪しいが、たしか、当時、CD-RにMP3を焼いて、
これを再生できるポータブルの機器(CDも聞ける、まあ、いわゆるCDウォークマン的なやつ)がIRIVER社から出ていて、CD1枚で大体アルバム10枚相当の音源を持ち運べたので、すごい重宝した。
外付けSCSI接続のPLEXTOR製ドライブでせっせと、「CD2WAV32」と「午後のこ〜だ」を使って、手持ちのCDをリッピングして、MP3ファイルを量産していた頃だと思う。

で、個人的に最適なMP3エンコードのビットレートを調べていたのもこのころで、
当時の精一杯の環境で試した結果、CBR192KBPSで落ち着いた。
シリコンディスクのDAPが出てくるのはもう少し後だが、最初に買ったのはMP3のみ再生できるメモリ64メガバイトだったはずで、なんとかMP3の128Kでアルバムが1枚入ればいいかなぁ、だったが、とにかく、今のように潤沢に記憶領域の空き容量がないため、音質と利便性(ビットレートを増やすと、入る曲数が減る)が天秤だったのだ。
あと、「Nero」で、オリジナルプレイリストの「CD」を焼いたりしていたのもこのころか。

で、ここからが本題(の序章)。
このソフトの作者さん。動画を見ていただければわかると思いますが、
すさまじい知識をお持ちで、かつ徹頭徹尾、論理的・理性的でいらっしゃる。
DAWも作っていた方なので、そちら方面の知識もお持ちの方だが、
現在の環境はMOTU M2とAKG712らしい。割り切っていらっしゃる。
で、「音」を正しく理解し、PCの演算で正しく行う実装をすれば、オーディオ専用機器であろうとも出来ないようなことが、PCとソフトウェアで実行可能であるとおっしゃる。
私もその通りだと思う。
ただ、念のため言っておくと、その演算された音が「好み」であるかどうかは別の話。

で、すげーと思ったのは、
原理的に正しい実装であればEQを通しても音は劣化しない。ということ。
これはしびれる。
分水嶺なので、この考えには同意いたしかねるという事であれば、
このあとは読んでも得るものがないかと思われます。

んで、ご同意いただいた方に、続けると、
このソフト単体で、スピーカーの実機が持つ特性を測定して補正値を出し、
補正値に従いスピーカー固有の特性を打ち消す方向のEQを書いてくれて、
ソフトで再生する音を「特性フラット」に近づける。という事が出来ます。
なんども言いますが、オーディオの音の「好み」は人それぞれと思っているので、
フラットな特性が好みの音かどうかは別の話です。
実際、ネットで調べて補正に使っている人のソフトの評価をいろいろみても、
補正後の音の波形が相当程度フラットになっているのは確認出来た。

結局、なにが言いたいかというと、デジタルでも正しい計算・実装をすれば、
音は劣化しないということ。ここが重要。
これは、最近中堅どころの録音機器でも実装されだした、32BIT FLOAT録音のような、音源がクリップしない、ソフト的にクリップさせても適正に戻せば元通り、というのと多分同じようなことを意味しているのだと思われる(違ってたら訂正します)。
ちなみに、このソフトは64BIT FLOAT実装だそうです。
演算後に16・24BITに落とすことを考えても、十分無視できる精度とのことだ。

で、です。Frieve Audioとその動画のお話をしたのは、
単にすごいソフトだからというものありますが、

「コピーは回数が少ない方が良いらしい話」がしたかったのです。
impress AV WATCHの記事「なぜCDはプレスで音が変わるのか?」で、
ちょっと聞き捨てならない事が書いてあったのでその話がしたかったわけです。

記事中でマスタリングエンジニアの方が、
「たった1回コピーしただけでも、これだけ音が変質しちゃうんだよ。」
とおっしゃっている部分。

記事の前半部分でも書いてあるように、
たとえデジタル記録のCDであろうとも、
プレスによって音が変わるというのは理解ができます。
それは、面ブレや芯ブレ、PITの整形精度、反射素材の出来等々でエラー訂正が入ると、
CDのピックアップ等に負荷がかかり、結果として再生機器の回路の電圧等に負担がかかり、
音が悪くなる可能性がある。ということ。
ここぞという時は、私が外付けSCSIで外部電源のPLEXTOR製ドライブを使って、太陽誘電のCD-Rで等倍で焼いていたのはそのためです(ちょっと違う)

ですが、
「たった1回コピーしただけでも、これだけ音が変質しちゃうんだよ。」
は、どうなのか。
曰く、
「片方はクライアントから届いたHDDからそのまま再生したもの。もう片方は一度DAWのPCにコピーしてから再生したものだよ。」
とのことだ。
記事中では実際に音が違ったとライターが書いているので、
そこは、確かに音が変わったのだと思うし、変わっても一向にかまわない。

また、原因はわからずとも、「こちらのマスタリングエンジニアの方の環境」で、
実務上、実際にコピーで音が変わるのであれば、
「コピーは回数が少ない方が良い」という「経験則自体」は正しいと思う。
とは言え、
「一般論として」「コピーで音が変わってしまう」という事になると、話は変わる。
原因が「コピーだけ」という事は、私にはどうにも説明がつかない。
コンピューターの仕組み上「あってはならない」事なのではないかしら。どうなのよ。

これが事実なら、
CRUCIALとサムスンとWDとA-DATAのSSDで音が違ってもいいって事になりかねない。
いやまて、HDDとSATA SSDとM2.SSDとCDとDVDとBlu₋Rayなら、
再生時に読みだし方式の違いで、電圧が変わるのかも?
いや、今時、音楽データ位、メモリに展開してから再生すれば、どれでも一緒やん。
単純なデジタルコピーに劣化や欠損があって不可逆になったら、たまったものではないっす。
あくまでビットはパーフェクトですよね。って、話。
つまり、「Frieve Audio」の作者さんがいくら正しい実装をしても、
コピー1回だけで台無しにされてしまう、という事が事実であるとするなら、
あらゆるデジタルソースの根本が見直されるような、世紀の大発見ではないだろうか?

ちょっと変化球を投げま~す。
例えば、
・「バニラのアイスを買ったときだけ車のエンジンがかからなくなる不思議な現象、その原因は?」
という記事があります。
曰く、
「バニラアイスを買った時だけ、店の駐車場に戻ってキーを回しても車が動かないのです。他の味だと車は問題なく動きます。」
という、必見の内容wですが、記事を読めば理由がわかります。
お時間があれば、検索して読んでみてください。

これと同様、
「こちらのマスタリングエンジニアの方の環境」においては、
(「コピー」(=バニラアイス) が直接の原因ではなくて)
「コピー」によって音が変わる「なにか他の要因が引き起こされている」
のではないかと思うのですが、どうなんだろう。
もっと、知識が増えたら判明するかもしれません。
その時は追加記事書きますね。

でわ。