イヤホンのバランス接続とアンバランス接続は音が違うのか? | jedipadawanのブログ

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(アルマン・サラクルー・サンザイ)

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一応すんごい手抜きで説明すると、イヤホンの左右の音の信号を
・バランス>信号を分ける
・アンバランス>混合して送る(追記:一部は混合されて送られる)
というもの。
確かに、ケーブル内では信号を分けた方が良さそうに思います。
実際はどうなのか、、、今回、試す環境が整ったのでやってみました。

結論を先に言えば、違う。笑った。今までレビューを疑ってすんませんでした。
少なくとも以降に紹介するエントリー機材の範囲でもはっきりわかりました。
念のため、高音が聞き取りにくい年令になった一般人です。
あと、重要な情報としては、私は左耳がムンプス難聴で聴力がありません。
なので、定位に関してのレビューはできません。
両耳で聞いた場合に、パンや音場がどうなるかはわかりかねますのでご承知おきください。
まあ片耳でも、情報量の違いはハッキリありました。ということです。

 

(※2023年11月8日追記:訂正記事を上げました)

 

 

以降は、検証の詳細になるので読み飛ばしていただいて構いません・・・
環境ですが、
DAC:iFi audio 「ZEN DAC」
イヤホン:qdc 「SUPERIOR」
ケーブル:kinera 「Kinera Ace」magic rope
Player:foobar2000(by windows10)
DAC3万とイヤホン1.5万とケーブル0.5万の新品売値合計で大体5万円位。
詳細は、e-イヤホンや価格コムやアマゾンのレビューを見てください。
ハイエンド製品ではないものの、いずれも、まずまずの評価があります。
ハイレゾ音源に手を出しちゃった!って人は、持っていても損はない組み合わせかなぁ、

と思います。これ以上の価格帯については以前述べたように、

「明らかに違う」というのは事実としてありますが、
個人の価値観と音の好みと信仰の領域なので触れません。

まず、iFi audio 「ZEN DAC」ですが、iFi はアイファイと読むようです。
こいつは、イヤホン・ヘッドホン用には4.4mm5極バランスと6.3mmアンバランス両方の出力があります。

実はイヤホンはもう一個「Layla Universal Fit」を所有しておりまして、
普段はDTM用のオーディオインターフェイスやAKのDAPやスマホの3.5mmミニジャックで使います。
ですが、何故かLayla用のアンバランスのケーブルがあるので、
「ZEN DAC」入手以降はたまにアンバランスでも聞いてました。
なので、今回がバランスとアンバランスの聴き比べ解禁ではないのですが、
これ、ケーブルの素材が全然違うというか、
やはりバランス用のケーブルのほうが一般的に手が込んでいるので、
実際のところの違いってどうなのよ?という疑問がありました。

話は変わって、
普段使いのIE40Proは非常にいいのですが、カタログスペック的にはハイレゾ対応ではありません。
Laylaの方は普段使いするには色んな意味で重すぎますので、ちょうど良いのを探してました。
そこに最近qdcから比較的安価で評判の良いイヤホン「SUPERIOR」がでたので即買いしました。
1つ愚痴をいうと、最近イヤホンはTWS(完全ワイヤレス)の製品ばかりで、
現状(2023年8月現在)、出音と遅延に関してはスペック的にも有線一択だと思っているので、
あのqdcがエントリー市場に新製品を出してくれてとてもありがたかったです。
売り場の人も評判いいですと言ってたので、他メーカーの有線も盛り返してほしいものです。

こいつは、ダイナミック型にしては解像度はまずまずですし、特に、低音のキレが良いです。
0.78mm2pinでリケーブル可能で、別売りでqdc純正のバランスケーブルも売ってます。
ですが、デフォルトで付いてくるアンバランスの方でひとまず満足していました。
ただ使っているうちに、デフォのケーブルがなんかカッコ悪いw、のと、
コード癖の関係なのかケーブルの「取り回し」があまりよろしくないので、
最初は適当な3.5mmのアンバランスケーブルを物色していたのですが、
そこで、Kinera Aceを見つけました。
このケーブルはちょっと変わっていて、
ケーブル先のプラグの交換で、4.4mmバランスと2.5mmバランスと3.5mmアンバランスに対応します。

おお、「Kinera Ace」と「ZEN DAC」を使えば、同じ線、同じイヤホンで、
バランス接続とアンバランス接続は音が違うのか?
を試せるじゃないか!
というわけです。

デフォのアンバランスケーブルと「Kinera Ace」のアンバランスの音の違いですか?
う~ん・・・違うような気はします。
その程度。具体的にこう変わったよ、とかいう感想はないかも。

まずは、総評からいきます。その後、楽曲別の簡単なコメントもします。

では総評です。*あくまで個人的な感想ですからね。

バランス接続の方は、なっている音の情報量が増している感じがしました。
そのせいか、楽曲の低音から高音まで満遍なく鳴ります。
音圧というか楽曲に厚みがでてました。スカスカしない。
また、「SUPERIOR」の持ち味の低音のキレが増します。
高音も良く鳴るので全体的に明るい・クリアな感じになります。
片耳しか聞こえませんが、パンを振った部分の音にはキレがありました。
総じてクリアな音の関係からか、アンバランスより一段階空間が広がった感じになります。

一方、欠点ですが、元のマスタリングの質(方針?)によっては、
特定の楽器の音がキンキンしたりします。
丁寧なマスタリング(と個人的に思っている)の楽曲は本当に違いがはっきりして、
バランスのほうが聞いていて本当に気分が良いのですが、
あまりマスタリング的に宜しくない(と思われる)音源は、
アンバランスの方が粗が目立たず聞きやすい場面もありました。
ただ、これは「SUPERIOR」の出音に得意不得意があるのかもしれません。

以上です。
信じるか信じないかはあなた次第です。

続いて、楽曲別にレビュー

・宇多田ヒカルfeat. 椎名林檎 二時間だけのバカンス flac 96kHz/24bit
宇多田ヒカルのアルバムのMIXとマスタリングは、

CD音源の時代も相当こだわっているらしいらしいと言うのは有名らしいらしい、
のですが、今回一番違いを実感できた音源かもしれません。
ヴォーカル、各楽器、コーラス、キックの分離がより明確になり、
それぞれが自分の得意な音域でのびのびと鳴っているのが分かるので、
バランスで聞くと本当に心地よかったです。

・米津玄師 感電 flac 24bit/48kHz 
米津玄師の曲はとにかくSEが後ろでたくさんなることが多いのですが、
バランスで聞くとより実感できますワン!
分離がよくクリアな出音が奏功してますニャー!
途中のアクセントの左右パンも、よりクラクラします。

・You & Explosion Band SAMBA TEMPERADO 2015 flac 24bit/48kHz
カリオストロの城の名曲。生楽器の中で特徴的なのがフルート(木管楽器)の音ですが、
楽曲にはペットやサックスも入るので、
木管楽器と金管楽器の音のそれぞれの個性がより際立つ気がしました。

・Eagles Hotel California (2013 Remaster) flac 192kHz/24bit
低温が沈み込みます。ギターの響きがいい感じになり、
イントロのSEの音も良く聞こえます。ベースのキレも増しました。
ただ、音は違えど、アンバランスの方で聞いてもあまり気にならない感じがしました。
「SUPERIOR」との相性が良いor悪い楽曲なのかも。

・モンスターハンター オーケストラコンサート 狩猟音楽 英雄の証 flac 96kHz/24bit
オーケストラ音源。大量の楽器が鳴っているのですが、全体的に厚みが増して重厚になります。
分離が良いので、重厚でも、もこもこ感が減っていて気持ち良いです。
個人的にオーボエの出音が良かった。あと、シンバルの高音成分の抜けが良かったです。
バランスだとティンパニーの連続音が重なってグダグダになったりしないのもいいです。

・LiPPS Tulip (M@STER VERSION) flac 96kHz/24bit
これも、結構違いがわかる楽曲でした。
ヴォーカルが際立ちます。バックのギターが歯切れ良い。
キックもキレていて、全体的にノリが良くなりました。

・μ's No brand girls     flac 96kHz/24bit
音圧高めのマスタリングのせいか、全体的なもこもこ感は払拭できてませんが、
我慢できる程度に改善されました。辛口。

・μ's Snow halation     flac 96kHz/24bit
バランスの方がエリチのこえを拾いやすいが、
全体の音の馴染みでいうとアンバランスの方がいいかも。辛口。

・4Luxury 花ざかりWeekend✿ flac 96kHz/24bit
基本的に低音の役割がハッキリしてる楽曲は、バランスで聞くとキレが増して気持ちいい。
つよつよの4Luxuryヴォーカルの歌声を堪能できる。
ピアノの低音部分が埋もれずに、楽曲に馴染んで聞こえたのもポイント。

・ウマ娘 プリティーダービー ユメヲカケル! flac 96kHz/24bit
Machico(トウカイテイオー)の声が心地良い。一直線♪
馬+作曲者の好み?もあってかブラスが多用されているけど、
ブラスがキレるとホントにかっこいい。

・早見沙織 瀬戸際 flac 96kHz/24bit
比較的おとなしめ楽曲ですが、それぞれの出音が十分仕事をしているので、
重厚な感じの味付けになり、スカスカにはならない。ボーカルも前に出てド安定。
アクセントのシンセの音?がキレイに伸びるのも良き。

・レイジー・レイジー クレイジークレイジー (M@STER VERSION)  flac 96kHz/24bit
・ミステリアスアイズ Pretty Liar (M@STER VERSION) flac 96kHz/24bit
・Sherry 'n Cherry Cherry Colored Love flac 96kHz/24bit
・三船栞子 EMOTION flac 44.1kHz/16bit
個人の感想ですが、「SUPERIOR」自体がそもそもドンシャリ属に分類されていると思うので、
キックが強くてめちゃくちゃ電子音が重なり、且つ、SEとエフェクトゴリゴリの曲、
Taku Inoue・tofubeats・TeddyLoidとか、YSTK(perfume,capsule)とかね、

あうと思います。大きめの音量で聞くと低音が心地いい。

・岡部啓一 『NieR Replicant -10+1 Years』より flac 96kHz/24bit
 魔王/Ver. Sax Ensemble
 カイネ/Ver. Oboe and Bassoon Ensemble
 エミール/Ver. Recorder Ensemble
 イニシエノウタ/Ver. Mandolin Ensemble
最後に生楽器インストですが、岡部啓一の曲をじっくり楽器の音を通して聴くのはいいですね。
楽器ひとつでも、実際は色々な響きが混ざって楽器の音が構成されているのがよくわかります。

以上です。
乙した。