沈黙のパレード 2022公開
西谷弘
【出演】
福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、川床明日香、飯尾和樹、戸田菜穂、出口夏希、椎名桔平、壇れい、田口浩正、岡山天音、村上淳、吉田羊
【物語】
アットホームな菊野商店街。毎年盛大に開かれる夏祭りでは、のど自慢大会も行われた。そこで歌声を披露した中学生の並木佐織(川床)は、聴衆だけでなく審査員の心も打った。審査員の新倉夫妻(椎名、壇)は、父親(飯尾)が営む定食屋まで出向き、歌手への道を勧める。
父も母(戸田)妹(出口)も、その夢を応援してくれる。父の親友(田口)も自分の娘の如く喜ぶ。そう、佐織は多くの優しい人たちに愛されていた。
その佐織が失踪して3年。哀れにも、菊野から遠く離れた地で焼死体として発見された。警察は捜査本部を開いた。内海刑事(柴咲)が進行する捜査会議に、遅れて草薙刑事(北村)がやって来た。
「どうして俺がこの捜査に…」とぼやいていたが、出火元の家が蓮沼(村上)名義であったことを知り、嘔吐する。
蓮沼は、かつて少女殺害容疑者として草薙が追い詰めたが、“完全黙秘”により、無罪となった男だった。内海は、因縁の相手の登場に心乱される草薙の心中を察し、湯川教授(福山)に連絡を取るのであった…
【オビ☆ワン チェック】
探偵ガリレオシリーズ映画化3作目。私は、このシリーズのファンであるため珍しく邦画鑑賞をしました。特に好きなのは「容疑者Xの献身」です。未見の方は超お薦めです。
このシリーズ、小説版もテレビ版も映画版も好きですが、私の楽しみ方は映像作品を先に見て、小説を読んで、また映像作品を見るという順番です。従って本作品「沈黙のパレード」は、ストーリーを知らない状態で鑑賞しました。
冒頭、被害者少女の成長の様子が走馬燈のように描写され、家族やご近所さんに大切にされながら、夢を追って生きてきたことが伝わります。そのため、この娘が無残な死体となって発見されると、父親役の飯尾さんの悲嘆シーンに共泣きさせられてしまいます。よくできたオープニングでした。
容疑者は、かつて黙秘を貫き無罪を得た男という設定。「証拠が弱いと、緘黙すれば逃げられるのか?」とちょっとモヤモヤします。その担当であった草薙刑事が、「お気持ちは分かります」と被害関係者に言うと、「お前の気持ちとはレベルが違う!」とお叱りを受けます。というように、草薙さんが憔悴しきっていて、可哀想の連続でした。
この草薙さんの心のひっかかりにより、事件の真相をどう処理するのか、そこの葛藤が見所の一つでした。
さて福山ガリレオ。さすがにテレビ期よりお年を召しましたが、カッコ良いですね。今作は久々の内海刑事とのバディ。この掛け合いが相変わらず見事でした☆