「ホスト狂い」の対処法
前回の記事から引き続き「ホスト狂い」に関する対応についてさらに追及してみたいと思います。
おさらいとなりますが、ホスト通いがやめられない女性には、恋愛依存症や人格障害(パーソナリティ障害)といった精神疾患(心の病気)が理由に考えられます。
通常、ホスト通いをやめさせるには次のような方法があります。
①連絡先(電話番号、メール、LINEなど)を絶たせる。
②本人を家族の目の届く距離に置く(実家に住ませる)。
③医療機関とつなげる(施設入所、精神科入院or通院)。
まだ症状がさほど重くないうちは①や②の対処法を取っていればホスト通いを止めることができるかもしれません。
しかし、その依存度が深刻な状況であると判断されるような場合、ほぼ精神疾患の疑いがあるため、ご家族だけでの対処はおそらく不可能に近いかもしれません。
そのような場合、必然的に③の選択肢に頼らざるを得なくなってきます。
では、なぜ深刻な症状の(精神疾患の疑いがある)娘を止めるには家族だけではどうにもならないかという理由について解説していきます。
【目次】
1. 病院や専門施設とつなげる意味
2. 病院と専門施設の違い
3. パーソナリティ障害 宿泊・心理センター
病院や専門施設とつなげる意味
ほとんどのご家族(親御さん)が「娘を理解してあげれば、きっと解決に結びつくに違いない」と信じて、独力で頑張ってしまいます。
ですが、娘さんの依存症が深刻(精神疾患の疑い)であると考えられる場合の対処は一刻を争います。
なぜなら、そう遠くないうちに「多額の借金」、「風俗」、「違法薬物」、「OD」、「自傷行為」、「自殺未遂」などといった大きな問題へと発展してしまう可能性が極めて高いためです。
できるのであれば、一刻も早くホストから引きはがし、然るべき専門家(精神科医、心理士、カウンセラーなど)に診てもらうことをおすすめします。
そのためには、まずは最寄りの精神科病院、または専門の治療を行っている更生施設などに問い合わせて、現状について相談を持ち掛けることから始めてください。
精神科入院や施設への入所などをご検討いただければ、ご家族の負担も減りますし、ご本人も心身を整えるための最適な環境に身を置き、回復に専念することができます。
しかし、家族としては「高額な費用」や「世間体」、「家族の責任」などといったものが大きな隔たりとなってしまうこともあります。
ご家族にも相応の覚悟と決意を持って選択をしていただき、大きな問題へと発展してしまう前に治療へとつなげてあげるという大事な役割を全うしていただければと思います。
病院と専門施設の違い
よく聞かれる質問として、「病院と施設では何が違うのか?」というものがあります。
もちろん、その病院や施設によって行っている治療内容に細かな違いはありますが、大まかにわけて次のような特徴があります。
病院では…
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基本的には外来(通院)による治療を行う。
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症状が重い場合のみ入院治療となる。
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入院は一定期間後に退院となる。
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薬物療法、心理療法などが行われる。
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医療保険が適用される。
施設では…
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デイケア(通所)型と入所型がある。
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入所型では希望される限り預け入れが可能。
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症状に特化した専門的な治療が受けられる。
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施設によって様々なケア(療法)が受けられる。
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医療保険が適用されない。
これらの中でもご家族がとりわけ気になさる部分は「金額的な問題」と「治るまで預けたい」という点にあると思います。
結論から言うと、金額的には医療保険が適用される病院の方が圧倒的にコストが良いでしょう。
しかし、病院は決まった入院期間が過ぎてしまうと回復していなくともいったんは退院措置とされ、頻繁に入退院を繰り返してしまうことも多いようです。
一方で、専門の入所施設などは基本的に「回復すること」や「社会復帰すること」が対処の目途であるため、ご家族が希望される期間お預けいただくことが可能です。
精神疾患は治療そのものが難しく、回復までに長い時間を必用とするため、「長く治療を受けられること」と「金額の問題」はどちらも家族や本人にとっての試練となります。
ご家庭の事情を考慮したうえで、治療に最良と思われる選択をその都度されることが望ましいでしょう。
パーソナリティ障害 宿泊・心理センター
パーソナリティ障害 宿泊・心理センター(以下、当施設)は、これまで20年以上にもわたって人格障害(パーソナリティ障害)を中心として、発達障害、うつ病、各種依存症などでお悩みの方をお預かりしてきました。
今回の記事でも取り上げたような、ホスト関連のお悩みを抱えたご家族から娘さんをお預りしたことも何件か前例がございます。
そういったご家族に事情を伺うと、
「国内に希望する支援を提供できる施設(受け入れてくれる施設)が見つからず、調べ上げてようやくたどり着いた。」
といった事情を教えていただきました。
当施設は日本国内に同業者の数が少ないという状況を鑑みて、ホームページやフェイスブック、ブログなどで「全国からの受け入れ」を行っていることを宣伝しています。
その甲斐あってか、県内外を問わずお問い合わせ・ご相談をいただき、実際に他県から入所利用される方も大勢いらっしゃいます。
ご家族だけで長い間悩まれてようやくたどり着いたという方からは、「入所させることができて本当に安心できた」という期待交じりの嬉しいご感想もいただきます。
そのような期待に応えるべく、私どもは数少ない専門家としての責任と自負を持って、長年の経験と実績を元に症状の回復や社会復帰のための支援に尽力しています。
ぜひとも、ご家族が安心して生活を送れるようになるために、当施設へ問い合わせいただいて全てお任せいただければと思います。
※関連記事「【ホスト狂い】恋愛依存症と人格障害、脱出のカギは家族」
パーソナリティ障害 宿泊・心理センター
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施設長
佐藤矢市
2000年度に開設以来、本来安心できるはずのご家族において、親も子も安心して暮らすことができないということは本当につらいことでしょう。私たちはそうしたご家族の一助となれるよう、尽力しております。