ダイヤモンドの価値/価格を大きく左右するグレード
クラリティー
内包物や外傷の度合を11段階で評価している。
ダイヤモンドを顕微鏡で拡大検査し
中も外も全くの無キズ、完璧な物を
FL(フローレス)と呼ぶ。
以下、IF
VVS1
VVS2
VS1
VS2
SI1
SI2
I1
I2
I3
の順に11グレード。
ただし最下層I2、I3は宝飾品として使えるような品質では無く
内包物が肉眼ではっきり、くっきり、
場合によっては内包物の無い部分が見えない様な物もある。
裏を返せば宝飾品にすらならないので、
一般の人でここまでひどいグレードのダイヤモンドを見た事のある人はほとんどいないはず。
一般にブライダル業界やブランド品はVS以上の品質がほとんどで、
量販店で大量生産されている物はI1、SI2がほとんど。
ただでさえ11グレードしかないのに、
最下層はほぼ無いに等しく、全くの無傷の物もめったにお目にかかる事はない。
実質、市場に流通しているダイヤのほとんどがI1以上VVS1までの7グレード。
世に有るほとんどのダイヤの品質をたった7段階に振り分ける。
その為、各グレードの境界線はかなり微妙、不透明と言える。
このグレード基準は内包物や外傷の度合を見て決める物なので
例えば同じ程度の内包物でも、
真っ黒な内包物と真っ白な内包物では客観的に見た目の印象からして違う。
コンピューターがグレードを決める訳では無い。
ダブルチェック、トリプルチェックは当然する事になるが、人間が目で見て判断している為、
その鑑定機関、鑑定士によってグレードが変ってしまう事も多々有る。
米粒ほどの石の中にある埃粒ほどの欠点を探す作業・・・。
誤差が出るのもうなずける。
っが、そんな事は一般消費者には関係が無い。
正確な鑑定をしてもらわなければ困る。
GIAが宝飾業界で有名なのは、
ダイヤモンドのグレーディングシステムを開発した事にもあるが、
そのグレーディング自体の厳格さにおいて他に類を見ない事にもある。
ちょっとの欠点も甘く見ない。
要するに非常に厳しいグレーディング。
宝石の鑑定機関は国に認可を受けている訳では無い。
結局は民間企業であり、鑑定1件につきいくらで商売をしている会社である。
その為、悪く言ってしまえば金儲けの為に甘いグレード(実際より高いグレード)を付ける鑑定機関も数多く存在する。
そんな中、GIAが鑑定をしたダイヤモンドは信用、信頼もあり、他の鑑定機関に持っていってもグレードが変わる事はまず無いと言える。
さて、実際のグレーディングをして行く中で、
SI1以下については肉眼でも視認出来る物が多いのでさほど問題は無い。
問題が出てくるのは
VS以上。
ことVVS1、IF、FLに関しては、
ありえないほどにシビア。
幻覚まで見えてくるほどの難易度。
泣きたくなくても泣けてくる。
正確にはあまりにも目が疲れて涙目になるほどじっくり見なければ正確な鑑定は出来ない。
顕微鏡であらゆる角度からじっくり観察し、
反射を避け、
ホコリを避け、
ピンセットの影を避けつつ内包物などを探す。
キレイな石になればなるほど、
何かを見落としているような錯覚に陥る。
何も無いはずの空間に
実態の無い何かが見えてしまったりする。
GIAに限らずダイヤモンドのクラリティー鑑定を行う際、
鑑定士はプロットと言う物を書く事になる。
これはダイヤモンドを正面と背面から見た際、
どの位置に
どのような内包物が
どの程度入っているか
を図解して描きとめておくもの
顕微鏡をのぞきながら
ダイヤをつまんだピンセットを左手で操作し(右利きの場合)
右手でプロットを記入して行く。
※どうでもいい事だがその為、鑑定士は左手でピンセットを扱うのが非常に上手い。
ダイヤモンドの4C鑑定で、この作業がもっとも時間を必要とする。
以前にも書いたが、GIAでは期間中に規定数の鑑定ノルマをこなさなければならない。
グレードの低い石は
内包物が多い為、描くのは面倒だが
結果が出しやすいのでさほどの時間はかからない。
反対に品質の高い石は
結果を出す為の要因(内包物など)を見つけるのにひどく時間を取られる。
2か月間延々と続けたこのクラリティー鑑定。
当時はただひたすら、こなすべきノルマでしか無かったが、
今、宝飾業界で働いている中で一番実用的に自分の力となっている。
