ヌーベルヴァーグキョウトの黄ハタのソース・ブールブラン | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

デジュネ狙いで赴いた寺町通り沿いにあるビストロは何故か臨時休業だった。
仕方ないので、頭を切り替え近くのフランス料理店を頭の中から探し出す。


確かすぐ近くにタルトタタンが得意なビストロがあったはずだと思い、その店ヌーベルヴァーグキョウトに入店した。


店内は広く、1人なのに4人かけのテーブル席に1人でゆったりと座らせる。
せせこましいことはしないところに好感が持てた。
女性スタッフは明るく元気で、対応しているその声を聞いているだけでなんだか元気になる。
スキンヘッドのオーナーシェフの対応も美味しいものを食べさせたいという気概を感じる。


しかしである。
これは京都特有の対応なのか満席だと容赦なく断る。
次から次に客が入ってくるが、すみません満席なのでまた来てくださいと言って客を帰してしまう。
少々お待ちくださいとはまず言わない。
もうすぐ空きそうなのに時間がかかりますよと言っている。
こういうことは他の店でも経験したことがある。
この店の方たちは見たところいい人たちだと思う。
でも、悪びれることなくあっさり客を帰してしまうのは京都の文化なのだと思うと溜飲が下がるのである。
さて、食べるものだが、ほとんどの客が770円の本日の日替わりカレーランチを頼んでいる。
こういう店のカレーは絶対に美味しい。
しかし、コースの魚料理に高級魚の黄アラのブール・ブランがあり、これも食べたいのだ。
迷ったすえ、私はコース料理にカレーのランチも追加してしまった。
最初に登場してきたのは、シリアルコーンカップに入れられたサラダ+生紅ズワイガニのサラダであった。


このサラダの量と紅ズワイガニを使うシェフの心意気に思わず頬が緩む。


こういうのを出されるとワインが飲みたくなるではないか。
辛口のヴァン・ムスーのロゼを思わずお願いした。


スープやパンも届けられる。


フランス南西部アルヌ地方のキャベツと豆を主体としたスープ、チキン入りガルビュールは優しい味わいで、身体も心も温まる。


自家製パンも美味しかったが、自家製の林檎のコンフィチュールもかなり良かった。


そして、黄アラのブール・ブランのお出ましである。


身が厚く、ポアレ具合も絶妙な黄アラはとても美味しかった。


こうなるとやはりカレーも食べねばなるまい。
このカレーがまた予想通り凄かった。
かなり辛口の欧風カレーで、カレーのルゥーの中に立派な大きさの鶏手羽中肉が3本も入っていたのだ。
いやあ。
これは美味しかったが、量も容赦はないレベルだったので、流石にお腹が一杯になってきた。
それもカレーランチにはしっかりとしたサラダが別についてくる。
野菜はあまり好きではないが、残すわけにはいくまい。


コースの食後にはダブルデザートがついてくる。
この店自慢のタルトタタンとプリンはまさに気取らないパリのビストロの味わいで素晴らしかった。


特にタルトタタンはねっとりとしていて私の好みの味だ。
この店は落ち着くし、気持ちのいいサービスが受けられる。
京都に来たらまた来たい店が増えたのだ。