涵梅舫の宮廷風料理 | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

昔赤坂に北京宮廷料理の達人の店があった。
そのシェフは乾隆帝の頃の満漢全席を再現できる実力で、作る料理は美味しく、料理の鉄人陳建一さえ破った。
その店が建物を建て壊す関係で閉店し、その後の消息が個人的にはわかっていなかったのだが、


銀座に再び同じコンセプトで店を出していると聞き、そのお店涵梅舫を昼に訪れた。


ランチメニューを覗いてみると、何と宮廷料理の一つ、山東ナマコと鶉玉子の煮込みがあるではないか。


思わずそれを注文してしまう。


中華コーンスープは、出汁の取り方が完璧で品が良く深みがある。


前菜は少量ではあるが、山葵を効かせた烏賊の前菜、叉焼など絶品であった。


同行者の注文した古老肉は、外側がカリカリで内側の豚肉は旨みに溢れている。


そして、ナマコと鶉の玉子の煮込みのお出ましである。
干しナマコの戻し方は完璧で軟らかいことこの上ない。
それにフカヒレ煮込みにもよく使われる上湯をベースにした奥深く複雑な味わいのソースが料理を完璧にしていた。
これはめちゃくちゃ旨い。


最後には、ソースを全部さらい、茶碗に入っている白飯に全てかけて、ミニナマコ煮込み丼にし、暫し陶然とする。
そして、カンノーリのような芋と牛乳の揚げものに脱帽し、


老香港酒家京都店の木桶で作った古式杏仁豆腐にそっくりな味わいの杏仁豆腐に舌鼓を打つ。


次回は、お店の方に相談してオリジナルメニューを作り上げ、充分な時間後に再訪したいものだ。