「きみはいい子」 | 尋常ならぬ娘のオタクな映画日記

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  ~jeanpaul-cinemaの映画と伊藤英明をこよなく愛するブログ~



「そこのみにて光輝く」の呉美保監督作品。

高良健吾演じる小学校の教師になって1年目の岡野。
尾野真千子演じる
3歳の娘に手を上げてしまう日々に苦しんでいる水木。
喜多道枝演じる認知症の初期とみられる一人暮らしの老人あきこ。


同じ町に住むこの3人の物語を中心に描く映画。


この作品もすごく興味があったのですが近所での公開がなかったので
DVDで鑑賞しました。


これはまた考えさせられる深い映画に出会えました。

こういう映画を観ると
邦画の素晴らしさを実感
します。


誰の身近にもある風景の中で
誰の身近にも起こりうる問題。

そんなごく日常的な中に誰もが持っている苦しみを
ものすごくリアルに描いた作品
でした。

高良健吾演じる岡野が受け持つクラスには
親から虐待されている子や
いじめにあっている子
教師の言うことをまったく聞かない学級崩壊起こす子など
様々な子どもがいて、
そんな子供たちにくたくたになって思い悩んでいると

岡野のお姉さんが
「子どもをかわいがれば世界が平和になる」
と言うんですが

このセリフは本当に印象深くて
このセリフの説得力たるやものすごい力を持ってました。

で、このことが
岡野のこれからの教師人生にも大きく影響するのですが
そうして自分の道を見出していく姿非常によかったです。

ただ、
そうして一歩を踏み出していくんだと思わせるラストが
ちょっと尻切れトンボっぽく、ここで終わり?!
みたいな終わり方をして

このラストは監督の意図するところで
“人生はこれからも続く”というのを表しているようなのですが

私にはこのラストにすごく悲劇的な予感もして
ちょっとモヤっと感が残ってしまったのが残念でした。

高良健吾演じる岡野の今後に関しては
希望が持てるラストだったのですが
岡野が最後に訪ねた生徒はどうなってしまってるんだろうと
かなり心配なことが起こっているのではないか
と思えるラストだったので
その生徒が最後に画面に出てきたシーンが
とてつもなく切なくて、なんだか暗い気持ちになってしまったのです。
それがより現実的なんだとは思うんですけど。


しかし
その他の点ではどのエピソードも非常に素晴らしかったです。

そしてキャストの演技がとにかくみんな素晴らしかったです。

特に
尾野真千子演じる水木と友達になる大宮を演じる
池脇千鶴!!!!!

昔から甘えたしゃべり方があまり好きではなかったのですが(;´▽`A``
「そこのみにて光輝く」といい
彼女の演技力は驚異的だと今回あらためて思いました!!


あと特別学級の教師を演じていた高橋和也。
彼も演技上手いです。

そして一番驚いたのは!!!

あきこと出会う自閉症の子を演じていた加部亜門くん!!

本当に素晴らしすぎて

12歳であの演技って・・・
と信じられない気持ちでいっぱいになるほど
驚きの演技でした!!!


ということで

子どもを育てるということ
大人として子どもに接するということ
人と繋がるということ


人は人によって傷つけられるわけなんだけど
人によって救われるんだと強く感じる映画
でした。


満足度・・・80%

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