東野圭吾の同名小説の映画化。
ん~。。。
何から語ったらよいのか迷いますが。。。
ざっくり結論から言うと失敗ですな(-"-;A
これは東野圭吾初の恋愛小説ということで話題をよんだ作品。
“不倫”をテーマとした話だ。
「不倫をするやつなんで馬鹿だ」と思っていた主人公渡部が、
会社に入ってきた派遣社員の仲西秋葉という女性と恋に落ち、不倫に走る。
しかし、
その秋葉にはどこか影があり、なにか秘密を持っているようだ。
彼女は15年前に起きた殺人事件になんらかの関わりを持っていたのだった。
というようなお話。
小説もだいたい不倫の恋を主に描いているのだが、
そこは東野圭吾の魅力的な技で、殺人事件をうまく絡ませ不倫の恋を盛り上げていた。
しかし、
映画版になると。。。
この殺人事件がものすごく雑に扱われてしまって、
不倫の恋を盛り上げるでもなんでもないとってつけたようなものになってしまっていた。
原作を読んでいるひとは、
実際の話のいきさつがわかっているので、
そこをどう描くのかということを考えながら観れるのでまだマシかもしれない。
しかし、
原作を読んでおらずこの映画を観てしまった人は
きっと退屈極まりない時を過ごすことになるであろう。
殺人事件を雑に扱い、
恋愛映画という点に重点を置いたにせよ、
それはそれで退屈な恋愛映画だからだ。
不倫の恋だけに注目するとしても、
わざわざ映画にするほどか?というわかりきった展開しかない。
これならテレビの2時間もののほうがまだ盛り上がりがあるかもしれない。
その程度である。
そして、
観客にその退屈感を感じさせてしまった大きな要因が
主役の2人のキャスティングだろう。
深田恭子はこの物語の秋葉には向いていない。
ミステリアス ≠ 不思議ちゃん である。
不思議ちゃんではなくミステリアスな女性でなければいけなかった。。。
そのうえ、
不倫を主に描いているわけだから、
それなりのシーンがあるわけだが、
そのシーンが下手である。。。
燃えるような不倫の世界に観客をどっと引き寄せるためには、
もっと上手なキスシーンを演じれる女優にしてほしかった。。。
ということで、
事件の絡ませ方がものすごくダメで、
それに関する重要人物もばっさり切られていたり。。。
がっかりすることが多く。。。
不倫に心躍る主人公のシーンでは
妙に古臭い感じのコミカルな音楽が流れたり、
そうかと思えば、
ラストは急にホラー映画か??と思わせるような演出。
何がしたいねんって突っ込んでしまいました。
まぁ、秋葉の乗っている車がボルボだったり、
原作そのままのセリフが多々あったり、
不倫の展開に関してはほぼ原作に忠実でしたけど、
やはりみなさんには原作をお勧めしますね。
唯一、よかったのは、
奥さんの木村多江さんでしょう。
しかし、
原作と同じラストで終わりにしていればよかったものの、
なぜかホラーなシーンを足してしまったという最大のミスにより、
東野圭吾特有の“哀”な世界はなんだか変な方向に行ってしまったのでした(苦笑)