僕と一緒 -8ページ目

先生あなたの言葉が思い出せない

 初部署初出勤が小一時間の打ち合わせで終わった。何をやるかをフワッと決めて、何となく終わり。マジかよ!まぁ、普段はもう少しやる事があるようだけど、今日は暴風雨の為にさっさと帰らされた。うーん、まぁ、こんなもんか。週末は忙しそうだけどな。今は部屋でくつろいでいる、皆のブルース野郎ニジムラリョーだ。飯、喰ったか?

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 花村萬月「幸荘物語」を読み終えた。今はまた、馳星周の本に手を伸ばしている。久しぶりに読書期間が長い。まぁ読める間は読んでおこうと思う。

 俺はビジネス書籍を全くと言って良い程に読まん。「タメにならん!」と切り捨てている訳じゃないが、どうも食指が動かん。立ち読みで済ませられる気がするし、わざわざ買って読む程でも無い気がする。
 まぁ小説なんぞを買って読み耽る奴の気が知れん、と言う人間も大勢いるだろうから、そこんとこは否定する気は無い。俺がビジネス書籍を読む気になれん、と言うだけだ。何でそんな事を明言せにゃならんのか、自分でもわからんのだけどね。

 それで、小説を読むだけならまだしも、俺は何らかの形でアウトプットしようとしている人間な訳だから、読んでいる最中も色々と考える訳だよ。それでね、馳星周とか花村萬月とか読んで悦んでいる俺と言うのは、実に下衆いなァと思う訳だ。
 それは太宰読んでても、三島を読んでいても思うのだけど、やっぱりそうやって小説を読んで悦んでいる等と言うのは、下衆のやる事に思えて来る。何が崇高か、と言う事では無い。その行為に悦楽を見いだす事が極めて俗っぽく、下衆い行為に思えて来る。

 これは俺の行為を言っているのであって、小説を読んでいる君も下衆い、と言っている訳じゃないんだぜ。誤解するなよ?

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 そもそも、生きてる間中、誰かを観察し、反応を見て、脳裏に刻み付けておくような性癖の持ち主なんだから、それはもう、いわゆる「普通」の生き方なんざ出来る訳が無い。ここで普通の定義を言い合う気にはならんが、まぁそういう事だ。

 前回の日記でも書いたが、俺が好きになったと言う事は、プラス方向での観察をしたいと言う事である。君の歴史を、コンプレックスを、それを隠す行動を、言動を、油断した瞬間の表情を、色々な事を見たいのだ。知りたいのだ。(飽いたら…飽いたら、興味を無くすかも知れない。だから、日々新鮮であってくれ給え!日々、更新されていてくれ!僕は君に興味を失いたく無い!底の浅い人間であって欲しく無い!ずっと観察させてくれ!)

 例えば「君を愛を持って抱きしめる」と言う事は、それこそ、その瞬間は心ここに非ずと言った感じで客観視もしている。抱きしめる、と言う行為に集中していない。勿論君を愛おしい気持ちで抱きしめちゃいるが、どこかで客観視している。冷静である、と言う事だ。

 それが普通なのかどうかは知らん。ただ一事が万事そんなんだし、俺は完璧主義者だから、申し訳なく思ってしまうのね。その行為(集中していない事)は、まるで君を馬鹿にしている様にも思えるし、それを咎められて刺し殺されても仕方無いとも思う。

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 あー、何かアイス喰いたいけど、この天気の中を買いに出るの面倒だな…。

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 それでも、別にヤリたくねー訳じゃねーし、かと言ってそこだけか、と聞かれれば違うと答える。でも、将来的に明るい家庭を云々…と言う訳でもなく、実に相手に失礼極まりない「観察」と言うやつをさせて下さい、と言う御願いである。無礼千万、なんとも無粋で下衆野郎の言う事なのだが、それでもそうなのだ。許しておくれ。

 そもそも魅力とは欠落の事で、美しく想像する余地がある事を言う。埋め尽くされたそれには興味が無いし、想像しやすいものにも興味が無い。ミロのヴィーナスが両腕を保持していたなら、さほど魅力に感じず、興味を引かれなかっただろう。

 君の仕事上での日常と、それとは乖離しているだろう生活での日常、その差、裏表、緊張と弛緩、その根源、点と線、優越、コンプレックス、歴史的背景、理由、何が君の幸せ、何をして悦ぶ、わからないまま終わる、そんなのは嫌だ!と言う事だ。全てに於いて欠落こそが君の魅力なのである。非完璧性こそが俺に安心を与える。
 それは支配欲とか征服欲、鬱屈した劣等感等では無く、単純に「非完全性」に同一さに近い何かを感じ、安心して弛緩する事が出来る、と言う事だ。返せば、俺は常に緊張状態にあると言っていい。男とは常に臨戦態勢にあるものであり、格好をつけるものであり、基本的には油断せぬものと思って頂いて結構である。俺はそのつもりである。
 弛緩している様に見えても、油断はしていないからね。その程度で尻尾なんぞ掴ませんよ。

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 ところで明日はライブに行く。仕事終わったらな。

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 さて、煙草でも吸いに行くか。丁度切れそうだし、風も少し収まってきた事だしな。おう、お前も一緒に行くか?こっちこいよ。いま吹き荒れる、嵐の中そう抱き合って!確かめ合って!口移しに愛って奴を教えてやるぜ。インザストーミー!