1年に一度、人間ドックで検査を受ける。本日が、その日。職場での健康診断は、幾つかの問題点が在るため、ここ数年来受診はしていない。なにしろ、1年に一度なので、こんなに細々と検査をうけていたか、と思うほどの検査を受ける。この1年間の体重調整の結果、全体的な状況はずいぶん改善されてきているようだ。午後は、日曜出勤の代休を取る。職場検査の問題点の一つに、胃部検診の際のバリュウムの事がある。検査後、緩下剤を飲むが、授業を控えながらの状態では随分辛いものがある。つい我慢をしていて、酷い状態に陥った人の事も知っており、出来るだけすみやかに体外に排出すべきなので、自宅で過ごせた午後は大変有り難かった。
小林信彦の『名人 志ん生そして志ん朝』を読んで、是非その落語を聞いてみたいと思い、図書館からCDを2枚借りてくる。いずれも、複数の落語家の話を収録したものの中に含まれていたものだった。一つは「黄金餅」、もう一つは「饅頭こわい」。味のある語り口で、どちらも大変面白かった。ただ、「黄金餅」の方は、一部言葉が聞き取りにくくて、その点が少し残念であった。
今時の作品読書、ということで、角田光代の『キッドナップ・ツアー』という小説を読んでみる。主人公は小学生の女の子で、父と娘の交流を描くお話。その子の視点で話が進むので、とても読みやすく、読書に慣れない生徒には取っつきやすい一冊か、と思う。角田氏の小説の導入としても好適な作品であるかもしれない、とも思う。
地元俳人の句集を読む、ということで、帰省の際古書肆で購入した松本穣葉子氏の『句集 穣』を読む。松本氏は、「ホトトギス」「山茶花」の俳人である。穏やかな生活吟が多く、しっとりと落ち着きのある句柄が魅力である。身辺雑詠の句群の中で、自らの従軍体験を詠った30句が異色であった。従軍の句を数句。「梅雨時化の玄海越ゆる船にあり」「ほのかにも蓼の匂へる露営かな」「砲身に月光流れ更けにけり」「月を浴びて発砲の命待つばかり」「弾よけて冬木を楯に暫くは」「壁に貼る慰問絵葉書冬灯」「砲車守り佇つ朧夜の影なりし」