今日もウィキッド考察します。ネタバレありです。





Chap.8

昨日Chap.8についてはフィエロの話ばっかしかしなかったので追記。

Ozdust Ballroomでの一件でエルファバに対しての感情が変わったのは

グリンダやフィエロだけではないってことがディラモンド先生の授業でわかる。

前回の授業ではエルファバの隣に座る子は誰もいなく、みんな離れていた。

でも今回はすぐ近くにボックが座っていたし、ほかの子も離れていなかった。


なぜ?


もちろんみんなのリーダー格であるグリンダの気持ちが変わったことも

大きな要因だろうし、ダンスホールでみんなが彼女と一緒に踊ったことで

気持ちが変わったのかもしれない。

でも、それでも極端じゃないかなぁ。

こういう場合は逆にグリンダがとばっちりを受けてもおかしくなさそうなのに。

この点ちょっと違和感があったかなぁ。

それかオズとの謁見が決まったことも影響したのか。

なんにせよ説明不足な点だと思う。



Chap.9

エメラルドシティーに行くための駅の場面。

オズって鉄道とおってたんだ(^^;)


ここでボックがネッサといることに限界になってくる。

もちろん付き合うこと自体が気乗りしないのにも加えて、

ネッサと付き合っている以上、彼がグリンダのout of眼中になってしまうからだ。

そう、可哀そうだと思って付き合ってあげていると、

自分にほかの恋愛のチャンスが無くなってしまう。

これも仮面恋愛の怖いところなんだ。


いつも自分を世話してくれているエルファバを誇りに思い、

快く送り出してあげる心の広さを持てたのもボックがいたからだったネッサは

その日大切な人を一気に失った気になっただろう。

本当は2人で一緒に明るく姉を送り出してあげたかっただろうに。


ただ、ボックは十分頑張ったと思う。

彼がひどく見える人もいるかもしれないが彼は頑張ったと僕は思う。

ネッサもこの恋愛を十分楽しめたのではないかと思う。

それだからこそ、ネッサにはこの思いをふっ切ってほしかった。

次の恋愛を探すことをしてほしかった。

ただ、彼女は絶望の中で権力を手に入れることで

そのような努力を行わなくなってしまう。。。



Chap.10

さぁ、エメラルドシティーです。

ここも劇場で見る価値ありのコーラス総出のダンス。

あれに魅了されついついエメラルドシティーサングラスを購入してしまった。

でも衣装一式ほしいくらいだねw


それにしても本当にエルファバにこの都市が似合うこと。

おそらくL. F. バームはエルファバに似合う街として作ったわけじゃないよね。

それを考えるとエルファバにこの町を結びつけて考えた人すげえ!

「ここが私の居場所なんだわ。」

本当にその通りだと思う。全く違和感のない場所。

ここに彼女が住むことができたらどれだけ幸せだっただろう。

差別を受ける対象ではなく、むしろアイドルになれるんじゃないとさえ思うくらい。

「あなたはきれいなエメラルド色よ。」

もし魔法使いと一緒にここに住めたら、degreenifyとかしなかっただろうな。

逆にここがあまりにもエルファバにお似合いなためにいっそう

彼女への悲劇が色濃く表れてしまうのも事実。。。



Chap.11

この物語の大きなターニング・ポイント、オズとの謁見です。


まず"センティメンタル・マン"について。

これの邦訳はちょっと物足りない。

「魔法使いになろう。そのチャンスを逃さないで」の部分、原語では

"So, Elphaba I'd like to raise you high, Cuz I think ev'ryone deserves the chance to fly."

となっている。直訳すると「誰にでも飛ぴ立つチャンスがあるはずだ」的な。

これは次のチャプターで流れる"Defying Gravity"の一部の歌詞に対応している。

このセリフを受けてエルファバは魔法使いと闘うことを決意するという皮肉なシナリオなのだ。

日本語歌詞ではこの内容がうまく訳出されていない。この点残念である。


ここで明らかになる魔法使いの真実。

彼がエルファバを欲した理由とは一体何だろうか?

もちろん彼女自身が魔法を使えることが大きいだろうが、

今までオズの国中をだまし続けてくることができていた以上、

その必要性に駆られたのはやはり"そろそろやばくなってきました"ってことだろう。

ディラモンド先生はもとから彼を信頼していなかった。

やはり動物たち自身はこの問題を敏感に感じ取っていた。

だからこそ"沈黙という進化"が必要だったんだろうなぁ。


魔法使いはこの作品中では具体的には語られていないがオマハ出身だ。

オマハでは当然動物たちはしゃべらない。ペットや家畜、動物園にいる存在だ。

だからこそ、彼はみんなの不満の対象として動物をあげたのだろう。

"沈黙という進化"も彼にとっては当たり前のこと。むしろしゃべれる方がおかしい。

悪気があったというよりはそれが逆に自然と考えたのだろう。


ただあからさまに語られた言葉、「共通の敵を与えてやればいい。」

これは語られてはいけない真実である。

彼女はおそらく動物たちがいわれのない迫害の対象にされていることに

怒りを感じただけでなく、自分と重ね合わせてしまったのだろう。

だって、この戦いに命を賭してまで進む必要がもともと彼女にはないのだから。


もし、この能力を持ったエルファバという子が、

緑色でいじめられたこともなく、同じような境遇のディラモンド先生と仲良くなることもなければ

彼女はこの話を耳にした瞬間にどういう考えを持っただろうか。

そう、たとえばグリンダがそういった能力を持って謁見した際にこういう話をされたら。

初めは驚き、その状況が理解できないかもしれない。

でも次第にそれが正しいことだと思い、自分の力でその正しいことに貢献できると信じ

彼の腕として仕えたかもしれない、大きな名声と引き換えに。


そう、この言葉はエルファバにだけは語ってはいけない真実。

ほかの人間なら簡単に説得できたかもしれないが彼女だけにはしてはいけない。

そのことに気づかなかった魔法使いは、もう彼女も敵にするしかない。


ここまで来ると、おだてられ"みんなのために"魔法使いになるというのはただの建前。

保身。それしかなくなってしまう。ここに現代の政治を皮肉っているスパイスが隠されている。

一度手にしてしまった権力はもう手放せない。

嘘を守るための嘘を重ね、その結果罪のない人をまた一人傷つける。

そういう人間こそが真の"Wicked"なのだ。