昨日は極度の疲労で寝ちゃったので、今日前回に引き続きウィキッドの思うところをぐだぐだと。


今回もネタバレしても知りません。





Chap.3

ここは"What is this feeling?"を歌うだけのシーンですね。

ここで原語と邦訳を比較してみて面白いのはエルファバの歌詞

"Blonde."="おバカ"と対応しているところ。

日本人には分かりませんが、ブロンドってバカにする蔑称なのかな?

最初原語を聞いた時は「ブロンド」=「キャピルンで遊んでる」みたいに取ったけど

そんな感じでもいいのかもな。


"Wizard and I"からなんの暗転もなくいいなり入るから正直不思議な感じがした。

ストーリー知ってるからいいけど本物のミュージカルもこんなに音楽だけで場面つなげるもんなのかしら?

ここだけおかしいなと思った。


Chap.4

台本ではチャプター別れてるけど実質そのままつながってる次の場面。

ディラモンド先生の授業。内容的には意味不明(´・ω・`)

黒板に書いてある歴史ははしょりすぎだし、大干ばつが実際どうなってんのかもよくわかんない。

それ以外は魔法使いがやってきてどうこう変えたっってことばっかで、干ばつ浮いてるしw

てか、折角「動物特別雇用枠」でのディラモンド先生の授業なのに

まったく先生が「動物」であることの必要性がないwwwww

もっとディラモンド先生が言ってるような別の動物の授業を取り入れないとその枠もったいないと思う。

ここがちょいおかしい気がする。原作ってもっと詳しかったりするのかな。

ストーリー上無理やり入れた場面って感じが否めない(´・ω・`)


あと黒板に書いてあった「動物はしゃべるな!!」って言葉だけど

原語では"Animals should be seen and not heard."って書いてある。

こっちの方がもっとひどいよね。動物園にいろって言われてるみたいだもん。


でもさ、動物が何をしたって思ってるんだろうね、みんな。

ちょっと先の話になるけど魔法使いは人々の不満の原因を動物に押し付けたって言っている。

動物がどーゆー風にして人々に影響を起こしたってことになっているんだろう?


まぁ権力者の言うことなんて、だれも逆らわないし盲目に信じるよね。

てか信じないと自分も巻き添え食っちゃうしね。

多少理不尽でも、逆に理不尽だからこそリアリティーがあるともいえる。こわっ!


Chap.5~6

「あのイケメン誰だか知ってる?フィエロ・ティゲラーよ!

ウインキー国の王子。そのウワサと言ったら超スキャンダラスなのよ!」


いくらカッコよくてもそのスキャンダラスなやつと付き合いたいと思うの?(^^;)


なにげにみんな名字まで準備されてる。なのにキャスト名には決して出てこないw


このシーンは「マヨブラジオ」って番組で再び見てからとっても好きになった。

曲自体も好きだけど、やっぱこの曲もダンスがとってもかっこいい。

そのダンスにとっても魅了されてしまう。コーラスの動き1つ1つも好きだ。

本から少しずつ顔を出し、興味を示しだしたり、その本をフィエロが投げ飛ばしたり。

そしてフィエロの動き。あれは明らかに案山子をすでにイメージしてる。かっくいい。

あのダンス頑張って覚えたいなぁ~。you tubeで上記のTVのシーンを見つけたし。


そして可愛そうなボック。名前を覚えられないだけでなく、結局ダンスのチャンスも失った。

そそのかされてネッサを誘うんだけど、やっぱり目はグリンダに向く。

でも、ネッサが可愛そうなので、本当のことをネッサに言えない。


僕はボックの気持ちがよくわかる。

断りたいけど、断ったら相手を傷つける。でも言わなきゃ。でも。。。

僕はこういう状況に2回なった。なりゆきで付き合ったけど、やっぱり・・・みたいなこと。

この気持ちは告白よりもよっぽどしんどい。

告白はいってしまえば、あとはすっきりする。たとえ振られてもOKでも。悩むのはちょっとの間。

でも、こういう場合はちょっと違う。

成り行きで声かけちゃったりOKしちゃった場合に断るときは相手のことをすっごい考える。

だって相手はその気になってるし、したいことはいっぱいあるだろう。

でも、十分そんなことすることもなく断られるのってとっても酷。

せめてすこしくらいデートとか重ねてあげた方がいいのかな?そういう風に思うけど

自分としてはこれ以上続けることに何も得はない。

ボックは結局ネッサには言えなかった。

きっと彼女が自分が好きであることだけでなく、障害を持っていて

めったにそういうことにならないこともわかったからだと思う。

ここで自分が彼女を拒否してしまえば、きっと彼女は立ち直れなくなる、

一生恋もできなくなってしまうかも。自分のせいでトラウマを与えたくない。

そういった面で、彼はとってもやさしい人間なのかもしれない。

もちろん自己犠牲の上に成り立っているやさしさだから、この優しさはもろ刃の剣だけど。

一部の観客は、彼を勇気のない意気地なし、優柔不断と思ってる人もいるかもしれない。

でも、優柔不断意気地無しがクラス一の美人にダンスのお誘いなんてできないし。

まして、そんなに話したこともない子にもお誘いなんてできない。

そう、彼は優しい子なんだ。


こうして書いているうちにボックの印象が変わった。愚かな青年というイメージだったのだが。


そしてネッサのほう。「グリンダのことを悪く言わないで!」

相当うれしかったんだろうなぁ。もともとボックが好きだったかどうかはわからないけど、

一瞬にして恋に落ちたとしてもしょうがないよね。

日本語歌詞では"デートだわ。素敵な彼と"なんて言ってるけど

原語では、"Fin'lly, for this one night."と始まっているので、

今夜限りのことだと理解していたことがとれる。後の方でも情けの結果だとわかってるし。

この子もエルファバと同じで、好きになってもらうことをあきらめていた子かもしれない。

でもここで男性の優しさを知ってしまった。ここがネッサの人生のTPなのかもしれない。


この2人だけでなく、この曲中でほかにも2人の「人生」が大きく変わる。

初めはいじめの一環だった例の帽子。

この帽子と言葉、そしてなによりネッサの喜びようもあってグリンダは素敵な人だ、優しい人だ。

そう思っちゃう。今まで自分はなんてひどいことをしてきたことかと。

一方でグリンダの方も、モリブル先生の授業を取れるようエルファバが計らってくれたこと、

そして無垢な心でグリンダを信じ、帽子を付けてきた彼女を見て激しく後悔する。

ここでは一切の音が止まる。重要な場面。

音が止まると観客にも役者にも緊張が走る。

音のない中で踊るエルファバ、踊るグリンダ。

きっと毎回ここが一番大変だと思う。

ここをこなす役者さんたちの集中力は本当に感嘆に値する。


さて曲自体に少しふれると、

原語ではいろんなシーンを"We(You) deserve each other."という一定のフレーズで合わせている。

それが日本語ではまぁ意味がそれぞれ異なるのでバラバラな訳語が与えられていてすこし一貫性に欠ける。

もう少し頑張ってほしかったなぁ。

その一方でほめるべき点は「スターダスト・ダンスホール」。

原語では"Ozdust Ballroom"とスターダストではない。

原語ではこれ以外でも「オズ~~」という名前がいくつか存在するが結構変更が加えられている。

まぁわかりにくいってのが本音だと思うけど、歌詞をスターダストに変えて星屑って意味をうまく

歌に組み込んでいると思う。ここは素晴らしい意訳だ。



Chap.7

ここでは2人のsharingがある。

このようなコイバナをはなすグリンダは本当にどっかの女子学生みたい。会場からも笑いがおこる。

特に「あたし、フィエロと結婚するの。」「もうプロポーズされたの?」「彼もまだしらないの~w」

のあたりが特におもしろい。女子って時々こんなバカな話をしてるよね。


あと歌の途中のセリフも好きだ。

髪の毛をきらきら~って練習して「ちょっと練習が必要ね」とか

呪文に失敗して「ま、そのままでもいっか。とりあえず似合ってるしw」とか

「ピンクはグリーンに映えるのねw」とか、おい、お前結局少し適当だろって言いたくなる。

あとやたらに髪の毛なびかせたり、胸や体のラインをアピールしたりって動きも可愛い。

一方でエルファバも「あたし、行かなきゃ」って。お前の部屋はそこだろww

この2人が仲良くなって第1幕が終わるまではコメディタッチで楽しいね。


"Popular"はもう少し邦訳頑張ってほしかったな~。

"この歌をよく聞いて~"とかそんなミュージカル前提の歌詞何?原曲にはないんですけど(^^;)

この点に関してはUSJ版の邦訳の方がうまかった気がする。

お前ら仲良くしろよww



Chap.8

ディラモンド先生が連れ去られる。いや授業中につれてくなよwww

ここは突っ込みどころありすぎだなぁ。あと役人、なぜライオン連れてきたしwww

「これは檻という素晴らしい・・・」「動物たちは"沈黙"という進化を・・・」

これを普通に受け入れる人間どもはどうかしてる。


ここでフィエロの性格が少し明らかになる。

彼は物事を冷静に見れる人間。正しいことを見極めれる人間。

自分では後に「物事を違う角度から見ているだけ」というけど、

この違う角度なるものがきっと正しい角度じゃないかなぁと思う。

ではなぜ彼はあんな風にスキャンダルな生活を送っているのか?

なぜそうしても幸せになれないのか?


彼はすこしエルファバと同じ。

愛を知らない。もちろん「愛してる」と言ってくれる人はいるし、きっと経験も豊富だろう。

でも本当の愛を知らない。グリンダも含め、みんなが彼に恋するのは

「イケメンだから」「お金持ちだから」「王子様だから」そんなとこだろう。

そこに本当の愛情を感じていないのかもしれない。

でももしかしたらその中に本当の愛が生まれるかもしれない、

そう願っていろいろな女性と付き合ったが長続きしない、

それがグリンダの言う「スキャンダラスな噂」なのではないだろうか?

また、彼が好き勝手やっても誰も注意しない。だって彼は許されて当然だから。

グリンダなら、それを満足して受け入れるだろう。

でもフィエロは違う。彼が望むのは本音のぶつかり合い。うわべだけの内容ではない。

だからわざと、楽しくもないのに遊んでばかりいる。みんなを堕落させようとする。

誰かが注意してくれるのを待っている。でも誰も・・・。

エルファバだけは違った。自分に対し文句を平気で言ってきたし、

自分に対してだけでなくいろんな人に対してpureな心で自分を偽らずに過ごしている。

だからこそ、見た目など気にせず心惹かれたし、

彼女が見た目を気にしてグリンダの真似事なんてやりだしたときには正直嫌だったはずだ。

そして逆に自分もエルファバに対しては偽りの自分を見せていない。

遊んでばかりの自分ではなく、しっかりと自分で物事を考えて行動する。


エルファバが彼に惹かれるのも同じ理由から。

自分の本質を見てくれる。この時点ではグリンダも心から本音でぶつかれるが、

それ以外で本音をぶつけられるのはおそらく彼だけだろう。

そして可哀そうライオンを助ける手助けをしてくれた。

おそらく彼女にとっては意外だっただろうが、その時に彼の中に自分と同じものを見つけた。

もちろん不釣り合いと分かっているはずだが、おそらくこれ以上惹かれたのははじめてのはず。

それにグリンダが彼を好いていることは知ってるし、傍目から見ても彼らはお似合い。

この気持ちはとても辛いだろう。


歌の後、モリブル先生が魔法使いから返事を持ってエルファバの元へやってくる。

この時モリブル先生の天気の魔法がはじめて使われるが、今回注目しなきゃいけないことは

エルファバが雨に当っていることである。Chap.1で悪い魔女が水に溶けたといわれているのに

ここで雨にあたっても何ともない。もちろん人間なので影響がある方がおかしいが、

ここはそれを巧妙に暗示している。



長くなったので今日はここまで。

また30分くらいかかったなぁ。全部で21章なので先はまだまだ長い(´・ω・`)

でも今回はボックとフィエロの性格を掘り下げてみて自分でも今まで気づかなかったことに気づき

驚きの連続だった。

明日はせめて第1幕くらいは終えてしまいたいな。