窓を通して聞こえる音が、誰かの叫び声に聞こえたから。
台風が来ると心が沸き立つのは何故だろう。ごうごうと鳴る雨。狂ったように吹き続ける風。非日常の空間が外で広がっているからか。こういう時を何というんだっけ。先生の授業を思い出す。昼休み後という授業で一番やる気がなかったのは、おそらく先生だった。覇気がない声でだらだらと喋っていく。よく定年まで働けたものだと変に感心しながら欠伸を噛み殺していた。もっともやる気がないのは私も同じだったが。うつらうつらと眠ったり覚めたりを繰り返す。眠気で靄がかかる頭の中で聞いた二つの単語。あぁそうだ「褻」と「晴」だ。日常と非日常。台風なのに「晴」とは何だかちぐはぐだ。
時計はもう12時を指している。明日がそこまで迫っていた。
いてもたってもいられず窓を少し開ける。瞬間、豊かな緑の匂いが香った。部屋に比べて外の世界は何て鮮やかなのだろう。思わず深呼吸する。空気は鼻から入り全身を駆けめぐる。細胞がみずみずしく動き出し、何だか神聖な気分になる。
湿っているという予想は外れ、冷たい空気が飛び込んできた。刺すような冷たさではなく、包み込むような冷たさだった。
台風楽しくて小説もどき。
だめだ眠い、おやすみなさい。