突然ですが、アインシュタイン博士 を知ってますか?
たぶん知らない人はいないでしょう。20世紀最大の天才科学者ですからね。
では、アインシュタイン博士の「相対性理論」を知っていますか?
その中身を知らない人って、意外に多いんじゃないかと思います。
あ、「相対性理論とか何の役に立つの?」 とか鼻で笑いましたね?
そんな「机上の空論」に興味を持つのはエラい先生か物好きだけ、とか
勝手に決め付けていませんか?
いいえ、相対性理論は役に立たないどころか、今やドル箱の科学理論です。
「机上の空論」どころか、その存在なくしては、グローバル時代の到来もなかったでしょう。
そんなわけで、今日は、相対論が現代世界に貢献している事例を挙げることで、
アインシュタイン博士の偉大な発見に想いを馳せてみましょう。
まず、相対論が具体的に役に立っている例を挙げましょう。
はい、よく知られている通り、GPS (全地球測位システム)です。
一応、相対論がどのように GPS に役に立つか簡単に説明しておきましょう。
相対性理論が予言するところによれば、
宇宙のように重力が弱い場所と、地表のように重力が強い場所では、
何と時間の進み方が違ったりします。地表の方が僅かに遅いのです。
それは確かに微少な違いなのですが、地球の回転速度がとてつもなく速いので、
感覚的には一瞬のような短い時間差でも、地表上の距離では大きな違いが生まれます。
GPS 情報は宇宙空間にある衛星から、地表に向かって発信されるわけですから、
その時間差を正確に補正してあげなければなりません。
その補正値も含め、GPS 衛星を実用化する上で、相対性理論が大いに役立つのです。
え、GPS くらい大したことないって?
いえいえ、GPS は 20 世紀最大の発明と言っても過言ではありません。
例えば、航空管制システムが高い信頼性を誇っているのは何故でしょうか。
それは GPS によって各航空機の位置が正確に把握が出来るからです。
羽田空港のように多数の航空機が飛び交う空域では、
GPS 情報なくして安全な管制業務は行えません。
GPS のお蔭で、空港の規模は同じでも、より多くの発着便を受け入れることが可能になり、
様々な国々から多くの人や貨物を受け入れ、また同様に送り出すことが出来るようになったのです。
(※つい数十年前まで、海外旅行は富裕層だけの特権だったんですよね…)
もちろん、これは物流にも影響を及ぼしますね。
空運は上に述べた通りですが、海運や陸運といった全ての貨物運搬において
正確な位置情報を把握できることは、物流の効率化を促進します。
つまり、全国規模、あるいは世界規模の運送が安心安全、かつ確実に行えるからこそ、
現在のグルーバル時代が成立するのです。
ちなみに、トヨタの例 を見るまでもなく、物流の効率化は、経営の効率化に直結します。
経営の効率化は利潤の増大に寄与しますから、
雇用や企業による社会貢献といった分野にも波及効果が見込めるでしょう。
更に、GPS の重要な役割として、
世界中にあるコンピュータの内部時計を同期させることが挙げられます。
(※原子時計を内臓する各衛星間で互いに時刻を補正し合い、正確な同期を可能にしています)
ご存知の通り、コンピュータの時計は非常に狂いやすいですね。
個人用コンピュータの時計が遅れるくらいなら大したことはないのですが、
金融機関や交通機関、軍事施設などに利用されるコンピュータの時計が狂っていると、
社会に致命的な問題を引き起こします(※2000年問題 が思い出されます 汗)。
このように、私たちが毎日安心して電脳化した社会を過ごせるのも、GPS のお蔭なのです。
というか、GPS なくしては、インターネットの時代も来なかったわけですね…。
これらの他にも、天気予報や盗難防止、地震・津波警報など多方面に利用されています。
こういった GPS の様々な利用法は、今や現代社会を支える基盤の一つとなっており、
それを支えている科学理論こそ「相対性理論」なのです。
言い換えれば、相対性理論なくして現代社会はあり得ません!
ありがとう、アインシュタイン博士! ヽ(`・ω・´)ノ☆
最後に付け加えておくと、GPS 衛星は当初、軍事目的で打ち上げられました。
当然ながら、今でも軍事的に利用されています。
軍事利用と言うと何だか響きが悪いかもしれません。
しかし、GPS は人を殺すためというより、出来るだけ人を殺さないために利用されています。
すなわち、巡航ミサイル をより正確に命中させるために使われているのです。
現代の戦争は無人化された兵器を多用しますから、ある意味で「誤爆」は避けられないものです。
しかし、ミサイルに GPS を利用した位置情報を伝えてあげることにより、
より高い命中率で目標を攻撃することが可能なのです。
結果として誤爆の可能性が低くなり、一般市民や報道関係者といった
非戦闘員らの人命を危険に晒すことなく、軍事作戦を展開できるようになるわけです。
アインシュタイン博士は平和主義者でしたから、
相対性理論がこのように応用されていることを知ったら、きっと喜んだに違いないでしょう。