「男性はケダモノだ(=性欲を我慢できない)」という見解が正しいものだとすれば、
社会はイスラム的な男女分離制度が必要だということになる。
けだし、男女が相対することがなければ、過ちを犯すこともあるまい。
ところが、世の中を見回してみると、
強姦や婦女暴行が日常茶飯事というわけでもない。
そうした性犯罪が問題とされるのは、それが例外的な事態であるからだろう。
例えば、アフガンでは無差別テロは日常茶飯事で、それほど大騒ぎされることはない。
ところが、平和で安全なノルウェーで同じようなことが起きると、世界中に注目されることになる。
つまり、イスラム的な制度を設けずとも、
男性は適度に欲望を抑制し、穏健な社会生活を送ることが出来るというわけだ。
すなわち、男性はケダモノではない。
同時に、「男はオオカミなのよ」という理屈で以って、
女性に過剰な自己防衛を期待するモラリズムもまた、正当化され得ない。