お前らは誰と戦っているんだ | 逢茶喫茶σ(・ε・`)逢飯喫飯

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A Counterpoint of the Formless Self and the Omnipotent

中国が大嫌いな人がよく言う台詞に「中華思想が云々」というものがある。



中華思想 、すなわち漢民族を中心とする世界秩序がある、という考え方だ。


この思想があるために、中国人は何かと日本を非難したり、


反日活動を画策してきたりするという。



しかし、よく中国の歴史 を眺めてみよう。


4,000年の歴史の中で、本当に漢民族が政治の実権を握った王朝など


実は数えるほどしかない(※大抵は異民族の影響力が無視できなかった)。


実際、最後の王朝も異民族によるものだった。



つまり、中国という地域の歴史は、


基本的に 「漢民族 vs. 周辺異民族」 という戦いの遍歴である。


しかも、どちらかと言えば、漢民族は劣勢に立たされる時期が長かった。



だからこそ、漢民族は自分たちの優位性を周囲に誇る必要があったわけで、


それが結果として「中華思想」という観念となって成立した。



そして、その世界観は「中原 」を手にした異民族にとっても


なかなか都合が良いものだったため、歴代の王朝に受け継がれていくようになる。



ただし、そう考えてみれば「中華思想」なんてものは、


周辺異民族にそれなりに認めるところがあるからこそ、


「オレらが最強なんだよ?」とハッタリをかましているに過ぎない。


所詮、プロレスラーが「オレは強い!」とマイクパフォーマンスするようなものだ。



実際、「中華思想」なんてものを認めると、


「自分たちは周辺諸国に怯えてます」と公言しているようなものなので、


中国本土で「中華思想」という言葉が使われることは稀らしい。



結局のところ、「中華思想」という言葉から透けて見えてくるのは、


中国自身の不遜な態度ではない。



そもそも、日本は確固とした地域大国であった頃には、


「中華思想」を問題視するような発言は目立たなかったではないか。



つまり、「中華思想」を問題にする言説には、


中国の台頭に頭を悩ませる日本側の怯え、あるいは自信喪失が


華夷秩序という概念に逆投影されている、という背景があるのではないだろうか。