党幹部は、この間の「一部の巨大メディアによる反共キャンペーンについて“攻撃の本質は大軍拡反対の党の勢いを止めようとするもの”」などと言っています。

 

しかし、除名の問題と軍事費拡大は別個の話です。このようなある種の陰謀論で突破しようとするほど、無党派層は離れていくと思います。

 

2月24日の赤旗一面は『「反共は戦争前夜の声」共産党躍進で打ち破ろう』というものでしたが、これを見て私はますます強い幻滅と失望を感じざるを得ませんでした。

 

朝日、毎日など(市田さんは文藝春秋と日本記者クラブも含めていますが)が軍拡反対の党を潰すためにキャンペーンを張っているなどという論理を、私は支持者に対してまともに説明できません。統一教会や幸福の科学、創価ならともかく、一致する主張もある勢力が反共かどうかなど、どうやって一般に理解してもらうというのですか。

 

「いや、私は説明できる」という方でも、党幹部の説明が非常に内向きだとは思っているのではないでしょうか。その内向きな説明によって生まれた溝を、現場の党員が埋める努力をしなければならないのは、中央に非があります。松竹氏によって招かれた問題をさらに広げています。

 

そもそも、党の選挙総括では毎回といって良いほど、「自力が足りない」という総括が強調されます。これはその通りでしょうけども、得票結果は党勢のみではかれるものではありません。これは他党を見てもそうです。

 

長期的に見れば党勢の強弱は得票結果と関係しますが、短期的に見れば、その時々の情勢、候補者の組み合わせ、選挙宣伝のマーケティング戦略も大きな変数です。例えば維新の議席増の背景としては党員数というよりも電通や吉本の影響が大きいでしょう。

何も維新の真似をすべきという話ではありませんが、党勢が後退していても選挙で前進することもあれば、その逆もまた起こりえるものと思います。

 

浮動票によって得た議席はかつての民主党のように脆いかもしれませんが、崩れた直接的な理由は政治の芯がなかったことであり、その点が日本共産党とは違います。浮動票であれ前進すればメディアに注目されるでしょうし、そこから自力を伸ばす機会も生まれると思います。13年の第3の躍進の時、右翼番組とされるたかじんのそこまで言って委員会にまで取り上げられたこともあります。あれは面白かった。

 

「自力(固定票)の足りない日本共産党vs反共勢力」という二元論では本質に向き合っていませんし、前進できるとは到底思えません。このような論理が通用すると思っているところに、今の党幹部の視野の狭さがあります。致命的な誤りです。

党首公選よりも、世代交代と、これまでに述べた組織改革が急務と思います。