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JC Bridge 中国ビジネス進出支援ブログ

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税務コストの削減


対GDP比で世界有数の巨額債務を抱える日本政府の財政難により増税基調が強まる中、日本企業が国際的競争力を高めるには、グローバルな税制を理解し、税務コストの最適化を行う事が重要な課題となっております。


日本をはじめ多くの国々では税制は基本的に全国で統一されており、比較的理解しやすいのですが、中国では大きく事情が異なり、一言に中国といっても中国本土と特別行政区である香港、マカオでは全く税制が異なります。


また本土においても地域格差があるだけでなく、内資企業と外資企業の間の税制の違いもあり、一国に複数の税制が存在する事となり、これらの違いが中国税制をより難解なものにしています。


ここでは中国本土と、アジアの代表的なタックスヘイブンで中国ビジネスの最大の中継地点である香港に分けて概要を説明します。


・中国本土の税制概要

中国本土の税金は下表のように、所得税、流通税、資源税、財産税、行為税、特定目的税、並びに農業税に大別され、一部税金については、適用対象が中国人(内資企業)と外国人(外資企業)とに分離されている点が特徴的です。


JC Bridge 中国ビジネス進出支援ブログ-中国税制概要

また2012年現在の各税務項目とその概要は以下のようになっております。



JC Bridge 中国ビジネス進出支援ブログ-中国の所得税概要


JC Bridge 中国ビジネス進出支援ブログ-中国の流通税及び資源税の概要


JC Bridge 中国ビジネス進出支援ブログ-中国の財産税・行為税・特定目的税の概要

尚、2012年より営業税を廃止し増値税に統合する試みが始まり、以下のように試験的導入が始まっています。


上海:2012年1月1日より実施
北京:2012年9月1日より実施
江蘇省、安徽省:2012年10月1日より実施
広東省、福建省:2012年11月1日より実施
天津市、浙江省、湖北省:2012年12月1日より実施


この税制改革は2013年以降、逐次全国の主要都市に展開され、2015年までに全面導入が完了予定です。


増値税は、仕入増値税の控除が可能なため、多くの企業にとっては減税効果をもたらす一方、付加価値の高い商品・サービスを提供する企業にとっては、反対に税負担が重くなる可能性もあり、注意が必要です。


中国本土では、このように税制が頻繁に改正されるため、常に最新の動向に注意払う必要があります。


・外資系企業に対する優遇税制
中国政府は改革開放以来、外資系企業誘致のため様々な優遇政策を実施してきました。

「優遇税制の例」


JC Bridge 中国ビジネス進出支援ブログ-中国優遇税制の例

しかし大幅な貿易黒字による外貨準備高の急増や技術移転等により内資企業の国際競争力が高まった事などから、近年、過度の外資依存経済からの脱却を図るようになり、2008年に外資系企業の法人税率を国内企業並みに引き上げるなど徐々に外資優遇政策を撤廃してきました。


・2008年1月  外資系と中国企業の法人税率を段階的に同等にする「新企業所得税法」施行
・2010年12月 外資系企業には免除していた都市維持建設税と教育費付加制度を内外無差別化

これらの措置で一部の開発区(経済技術開発区や保税区域等)を除き国内外企業の税制上の扱いは同等となりました。


しかしその一方で、グローバル経済危機下で対中直接投資の大幅減少に直面したため、中国が必要とする業種・地域への投資を優遇し、不要な投資を抑制する選別的な政策を開始しました。


外商投資産業指導目録の2011年度改訂版では、業種別の取扱が明示されており、概要としてはハイテク産業、サービス業、新エネルギー・省エネ環境保護産業等への投資を推奨する一方、エネルギー多消費型・高汚染型製品、資源分野、低付加価値生産、生産能力過剰分野等への投資を厳しく制限するというものとなっております。


ただし、地域的事情にも配慮し、中西部では環境保護上の要件を満たせば、労働集約型産業でも推奨の対象としています。



また投資が推奨される西部地域に対しては、2011年7月27日付で、「西部大開発戦略に関する税制優遇政策問題の通知」が出されており、2020年までの企業所得税減税(通常の24%に対し15%の低税率を適用)、設備輸入関税の免税等の優遇政策が盛り込まれています。


また、これらの外資優遇政策の変更に伴い、加工貿易における優遇税制も大幅な見直しが行われ、加工貿易の禁止・制限品目の拡大、増値税還付税率の引き下げ、加工貿易保証金の積立義務、設備輸入免税制限などが実施され、加工貿易に対する引き締めは今後一段と強化される見込みです。


中央政府はこれら加工貿易に対する引き締め措置により、環境汚染型、エネルギー・資源大量消費型の産業を抑制し、国際貿易摩擦を起こしやすい製品の輸出を制限、貿易黒字の増大による弊害を緩和し、産業のレベルアップを図ろうとしています。


今後、加工貿易を行うには環境保護対策、最低給与水準、社会保険、生産設備のレベルなどで政府の規則を満たすことが必要とされ、このためローテクで安価な労働力や資源などを利用した加工貿易企業は徐々に淘汰されていく運命にあります。


ただし、これらの新措置では東部沿海部と中西部で異なる対策を取ることが注目されています。


中西部では一部の企業に対しては制限品目の加工貿易について銀行台帳管理制度による管理を実施しなくてよいこととなっております。東部とは北京、上海、天津、遼寧、河北、山東、江蘇、浙江、福建、広東の各省・市を指し、それ以外は中西部とみなしています。狙いが加工貿易企業を沿海部から内陸部に誘導することにあるのは明らかで、商務部も加工貿易企業の中西部への移転を支援すると説明しています。


このように外資優遇制度は、例外的に一部の業種・地域に限定される形で存続しているものの、それらの措置も今後段階的に撤廃されていく可能性があり、これら政策の将来展望を念頭に置きながら、適切な進出形態や拠点の選定を行い、税務コストの最適化を図っていく必要があります。


次回は香港の税制概要について述べたいと思います。

尚、中国展開の要点については、「中国ビジネス進出ガイド」をご覧下さい。
以下のページから無料でダウンロード可能です。
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