著者:多湖輝
出版社:ごま書房
相手の心をつかむ心理術 (ゴマブックス)
●相手の心をつかむには、質問、反論の内容自体を受け入れるかどうかは二の次にして、いちおうは相手の言い分を認め、とりあえずは攻撃のエネルギーを鎮火させることが先決になってくる。すると、反発を予想していた相手は拍子抜けしてしまい、こちらに親和的になると同時に、反論そのものについては、どうでもよくなってしまうのである。P21
●安価なものを与えて高価のものへの要求を忘れさせることが出来る。P27
●「あなたの言葉で思いついた……」という言葉は、相手の発言を受け入れ、相手を立てたと錯覚させるので、その場がトゲトゲしくなることはない。 P35
●説得や論争が、その内容よりも、その時点での心理優位を確保することで、思った方向に誘導できるというのは、”相手の気持ちをつかむ心理術”のいわば基本である。P41
●膠着しているのは双方が「譲れない」と言い張っているからだ。そこで、形の上だけでも、「譲る」ことを考えればいい。こうした場面では、相手の機先を制して譲るのがコツだ。P45
●言いたいことだけ言って怒りのエネルギーを吐き出すと、スッとする。それだけで、不満の九〇パーセントは明らかにおさまってしまう。問題が解決していなくても、言いたいことを吐き出すことで、解決したと同じような錯覚に陥ってしまうのだ。P47
●人間には、上下関係を軸にして、一度命令を受けると、次からは相手を受け入れやすくなるという心理的メカニズムが働く。P65
●光を利用して自分を実際以上に大きく見せ、相手の劣位を強調する心理テクニックは、人の心をつかみたいときにもおおいに利用できよう。ただ、光を背にするだけで、相手は、こちらのぺーすにはまってくれるのだから、こんなに楽なことはない。勝負は、位置によって左右されることが少なくない。P69
●心理学に、ボディ・ランゲージと呼ばれる理論がある。それによると、相手のボディゾーンを侵すことに成功すると、相手は受け身になってしまう仮説がある。
ふつうはその人のまわり一~二メートルくらいの範囲とされている。P73
●問題を三つにまとめると、人間の思考パターンによくなじむようになる。「過去・現在・未来」「天・地・人」「知・情・意」「智・仁・勇」「三位一体」「テーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼ」などにみられるように。P79
●いきり立つ相手を説得するには、まず生理的欲求を十分に満たしてやり、怒りを鎮めてやるのも一法だ。P103
●「相手に解決のゲタをあずけるふりをする」 P125
●人間には、ライバルがほめられる(明白な正の強化)のを見ると、自分は間接的に非難された(暗黙の負の強化)と感じる傾向がある。
相手が関心のない点をほめても意味がない。P151
●人間はよく、仮面をかぶった存在だと言われる。もともと人格・性格を表わす「パーソナリティ」という言葉は。「ペルソナ」(仮面)という言葉から来ていることからもわかるように、意図的に人をだますという悪意はなくても。仮面を脱いだ素顔、言い換えればホンネは、なかなか他人に見せないものである。 P165
●投影技法(プロジェクティブ・メソット)は、見方によってはどうとでもとれる曖昧な材料を相手に与え、相手がそれをどう解釈するかによって、相手の深層心理を知ろうとするものだ。 P180
●人間はつねに無意識のうちに、自分の心理状態や深層心理を投影させてものごとを見ているのだ。
知りたいテーマについて、相手本人の意見ではなく、他人の意見として聞いてみるのだ。自分の意見ではないので気楽に答えるが、そこにはまぎれもない自身の考え方が、間接的に投影されている。P181
●人が話をするときのテンポは、相手の気持ちを読むうえで、重要なキーポイントとなる。心の奥底に、やましさや不安が満ちているときは、知らず知らずのうち早口になったり、多弁になったりするのが、自然な人間の心理なのだ。こうすることで、人間は無意識のうちに、恐怖や不安の種を取り除こうとする。つまり、目前の恐怖や不安と無関係の話題を数多く提供することで、相手の関心をそらし、自分の内心の動揺をさとられまいと、必死に努力しているというわけである。 P186
●「認知の不協和」は自分にとって不利になるような情報を受け入れまいとする心理作用である。P189