冒頭で「悩む」と「考える」の違いについて、「答えが出ないという前提で考えるフリをすること」と「答えが出るという前提で建設的に考えを組み立てること」と説明され、「悩んでいると気づいたらすぐ休め」と書かれていたが、関ジャニ∞の村上さんがテレビで似たようなことを言っていた(感銘を受けたのをふと思い出した)。
本の内容:A
本の読みやすさ:A
仕事の生産性を上げるためにはどうしたらよいか、これをマッキンゼーでは「バリューのある仕事」と呼ぶそうだが、これが本書のテーマである。
(1) イシューとは?
「バリューのある仕事」とは、「イシュー度」が高く「解の質」が高い仕事のことであるが、では「イシュー」とは何か? これは、一言で言うと「課題の質」のことであり、「自分の置かれた局面でその問題に答えを出す必要性」と説明されていた。
著者によると、一見”イシュー”と見えるもの(例えば、100個)のうち、本当に白黒ハッキリさせるべき問題は2つか3つしかないらしく、あれもこれもと我武者らにやってもうまくいかないとのことである。
そうではなく、「何に答えを出す必要があるのか」を見極め、「そのために何を明らかにする必要があるのか」を考えていく。
イシューとは、”単なる設問”でも”テーマの整理”でもなく、”深い仮説”である。多少強引でも前倒して具体的な仮説を立てスタンスをとるべきであり、「やってみないとわからない」なんて決して言わない。
そして「言葉」に落とし込む。このとき、①主語を明確にし、②whyよりもwhere, what, howを明らかにし、③比較表現(Aではなく、むしろB)を入れてみるとよい。
もし主語を入れ替えてもイシューなら・・・つまり誰にとってもイシューなら、イシューの見極めがまだ甘いらしい。
もう一つ、イシュー特定のアプローチとして、①変数を削る、②視覚化する、③最終形からたどる、④so whatを繰り返す(仮説を深める)、⑤極端な事例を考える、が紹介されていた。
このイシューの見極めが最も大事で、イシューが良ければ、たとえ検証結果が想定と違っていても意味のあるアウトプットとなる可能性が高いとのこと。仮説が崩れたら「新たな発見だ」と思うくらいで良いらしい。
ただ、このイシューの見極めは経験値が必要で、まずは周りの人に相談するのが良いとのこと。
それと、世の中には答えの出せないイシュー(例えば、値付けの問題)があるらしく、こういうものをイシューに設定してはいけない。
(2) 一次情報の重要性
本やインターネットなどの二次情報だけでなく、一次情報をつかみ、それを自分の肌感覚で感じることが「勘どころ」を掴むこととにつながる。
そして、一次情報に触れ、基本情報(マイケル・ポーターの5 Forcesと技術・イノベーション、規制・法制の合計7つ)をおさえる。これらの情報は、Annual ReportやHomepage、記事検索で調べる。ポイントは、集め過ぎず知り過ぎずとのこと。
(3) フェアな姿勢で
イシューをサブイシューに分解し、サブイシューに基づいてストーリーラインを組み立てていくことになるが、これは決して”決め打ちではない”ということ。
ストーリーラインは、サブイシューに答えが出る度にまたは新たな洞察が加わる度に、書き換えられたり磨かれたりしていくものである。
こういう結果が欲しいと思いつつ、楽しみながら進めるべきものであるが、「木を見て森を見ず」になってはならないし、ましてや「フェアな姿勢」を失ってはならない。信用のベースだからである。
とは言っても、イシューが磨かれていれば、どんな結果が出ても意味のある結論となる。
また、ストーリーラインは塗り替えられていくものだから、はじめから100点を目指してはいけない。丁寧にやり過ぎではダメで、例えば、1回目が60%の出来だとしても、2回目で残りの40点のうち60%の出来なら、60点+40点×60%=84点となる。
それと、想定のプレゼン相手は「賢いが無知」。ウィットに富んだ表現である。
著者は、イシューを見極めることなく目の前の問題をただひたすら解いていく進め方を「犬の道」と表現していたが、棒に当たるのを待っていては日が暮れちゃうし、悩んでいたら怪我をすると思った。
