今朝、お友達翻訳者のブログを読んでいたら、とっても興味深いことが書いてあったので、ちょいと拝借。

(翻訳する場合)
意味を正確に伝えることは大前提ですが、それ以外にも、文体をどのようにしようか?とか、言葉の選び方とか、書き方によって仕上がりに差が出てくる。

「This is a pen」

という文があっても、

「これはペンだ」

「これはペンです」

「こちらはペンでございます」

「こちらがペンになります」

といろいろ訳語が考えられるわけです。

アメリカ人が一般に考える翻訳というものは、This is a pen という英語がわからない人にこの文は「これがペンだ」という意味だということが伝わればいい、程度のことが多いみたいで、だからとりあえずGoogle Translatorを使って見たけど、意味あってる?みたいなメールが来たりもする。
ところが翻訳会社から和訳を受け取る最終ユーザーである日本人にはその考えは通用しない。「これはペンです」じゃ、ちょっとしっくり来ないから、この場合は「こちらはペンでございます」が文脈に照らし合わせても対象読者を考慮しても適切ではないかと配慮して提出した訳がIn country reviewerなる人の手によって「こちらがペンになります」と書き換えられてかえってくるってことは十分あり得る。なにが間違っているってわけじゃない。Back Translationすれば意味はThis is a pen  でまったく同じ。でも日本語がわからない翻訳会社のプロジェクトマネージャーにとっては、あれー、この翻訳者はいい仕事をするって評判だったから今回使ってみたら、こんな簡単な訳を全部書き換えられているじゃないか、これじゃ今後このクライアントからうちに仕事が来なくなる可能性も大きい、いったいなんでこんな書き換えが起こるような訳を出したんだか説明してもらおうじゃないか、って大騒動に発展したりもする。他の仕事の締切目指して必死に仕事をしている最中にこういうメールが来ると、もうストレスがぐーんと高まり、頭はがんがんしてくるし、胃は痛くなるし。訳に間違いはない。意味は同じ、Stylistic personal preference changeとかって英語で説明して、いったいどこまでわかってもらったか半信半疑だけど、とにかく、今は目先の締切があって、そんなことじーっと考えてはいられない、と吹っ切って先に進んでいく。そう、翻訳とは奥が深く、かくも因果な商売なんでございます。