情報を仕事に活かしていくには、信頼あるデータを入手し、
そこから一見見逃しがちな事実に迫る必要があります。
全てのデータを一から当たることは不可能ですから、
多くの場合、過去の経験値などから予測可能なものは、
類推し、欠ける部分を補強する、という手法がとられます。
スピードを要求されるビジネスの場では、
それは致し方のないプロセスと言えますが、
時にそこに大きな落とし穴が潜むことに留意しなければなりません。
それが“時代の流れ”という状況変化。
以前はそれが正しかったとしても、今は異なっている、
ということが起こり得るのです。
そういった情報を元に、仕事を進めてしまえば、
誤った事実に基づく行為となり、
結果、不適切な答えを導いてしまう可能性大。
時に「そこに先入観がないか?」と
疑ってみる必要がある、と言えます。
今回は、少し古いデータとなりますが、
そんな一例を紹介しましょう。
1997年以降、野村総合研究所が、
3年に一度実施しているのが
『生活者一万人アンケート調査』。
現状の最新である2012年版の結果を見ると、
以下のようなデータ(事実)があります。
「価格が品質に見合っているかどうかをよく検討して買う」
2012年調査結果 61.6%(前回比▲1.8%)
「事前に情報収集してから買う」
2012年調査結果 33.1%(前回比▲2.7%)
今の時代、老若男女、その誰もがさまざまな情報に接触し、
モノを見る目がますます厳しくなっている、と言われます。
しかしながら実際は、
「価格と品質のバランス」を重視する人が減っている。
その結果か、事前に情報収集しない人が増えている。
どうですか、こういった事実。
これら2つの数値は、
それ以前は右肩上がりの増加傾向を示していました。
ですから、過去であれば「消費者の目はますます厳しくなっている」
と言えましたが、「直近はその傾向が弱まっている」。
(結果詳細をご覧になる方は、以下サイトから)
https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2012/forum182.html
時は常に流れます。
以前は“正しかった”ことも、今は“違ってきた”
ということが往々にして起こり得る。
仕事に際しては、重大な影響を及ぼすかもしれない先入観がないか、
時に自己検証すべきと思いますが、いかがでしょう。
“情報収集”という側面では、以下記載も参考になると思います。
よろしければ、併せてご一読ください。
◎「情報収集法」については、こちらをご覧ください。