『中国の時代』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

五月蠅い烏共に目覚めさせられ、今朝起きたの5時ちょっち過ぎ。

伸びた手足の爪切った。

大谷翔平の21号本塁打など最新スポーツをユーチューブで見た。

朝食は昨夜スーパーで半額やったさつま芋と烏賊の天麩羅。デザートは熊本産トマト2個。

彩菜→菅原花月→橋爪あみ→大久保知佳→林実里→小山郁美→藤村麻紀→板谷薫→Wakasaと歌をユーチューブで聴いた。

雨が小降りになって来たところで出掛けたが、途中でまた雨脚強くなる。

昼食に入ったんは浅草「R restaurant & bar」で、頼んだん2850円のランチセット。前菜がグリーンアスパラガスとベーコンのサラダ ソースマルテーズ、じゃが芋のポタージュ、メインに霧島純粋豚のロースト シャルキュティエール風を選び、パン、コーヒー、デザートがローズハニーパウンドケーキ ヨーグルトムース添え。

満足して店を出て、スーパーに寄って飲み物買うて帰宅。

筋トレ30分した。

風呂に一時間入って、円の実質実効為替レートが過去最低を更新したん考えとった。米国政府はインフレ抑制せなならんからドル高を是正せんやろ。ちゅう事は円安基調がまだ続きそうや。長引くデフレでドンドン下がって行った実質実効為替レート。円はもう主要通貨とは云えなくなりそうやがな。今日は対ドル159円の円安でんがな。円安で儲かっとる企業の経営者はそれに見合った賃上げせん。ワテ等庶民は輸入物価が益々高うなり苦しい。

西村有香里→清水玲奈→大西由希子とサックス演奏をユーチューブで聴いた。

夕食は半田そうめんを高知産茗荷と茹でて食うた。デザートは青森産りんご。

友人達にメール送付した。

 

 

タイトルに興味そそられ『中国の時代』を読んだ。ジム・ロジャーズちゅう米国の投資家が著者。訳者が林康史と望月衛。

原題が『A Bull in China』でんねん。つまり、中華人民共和国株への投資本や。

ジム・ロジャーズはジョージ・ソロスと共同で国際投資会社クォンタム・ファンドを設立した知られた投資家なんやね。日本で本が出たんやから、サブプライムローン問題でアタフタする迄の運用成績はかなりよかっんやろ。その後はどないなんやろ?

まず断っておかなならんの、そして大事なの、この本が日本で出たの2008年ちゅうこっちゃ。あの頃はサブプライムローン問題でリーマン・ブラザーズが破綻し金融機関の連鎖倒産起こり世界金融が大混乱で米国経済も青息吐息やった。信用格付け機関もええ加減であるのが明らかになった。

読み終え思うたんが、もし北京オリンピック開催の2008年に読んどったら、その内容に強く反発しとったんやなかろうか。今はデカップリングやから淡々と読んだ。改革開放路線の鄧小平皇帝は居らず、毛沢東尊敬する習近平皇帝が君臨して居る。しかし投資家ちゅう人間は、図々しく米国駄目なら中華人民共和国を勧めよる。しかも、なんでんかんでん悪びれず投資の対象とすんねんな。

色んな分野の個別株も載せとって、中華人民共和国株への投資をさせよとしとるガイドブックやから、2008年ならまず読まんかったやろ。

投資家の著者は「19世紀が英国の時代、20世紀が米国の時代だったように、21世紀は中国が中心になって世界を牛耳る番だ」としとる。

成る程、21世紀は中華人民共和国が勢いある。経済高成長しとる。確かや。

しかしながら、どないして中華人民共和国がそないに経済を高成長出来たんかや。どないな方法で。中国人ハッカーや中国人スパイの暗躍もあんねん。

そして、中華人民共和国は経済大国になって何しとんのか。それはスウェーデンのストックホルム国際平和研究所による調査、核弾頭数を前年より90発も増やし500発にしとるのでも明らかや。

著者は彼の国を楽観視しとるが、勢いある中華人民共和国を楽観視しとったんはジム・ロジャーズだけやない。

実際、これ迄多くの米国知識人は経済発展する中華人民共和国は行く行く民主主義に変わるやろと楽観的やった。

中国の歴史に興味持って本読んだりドラマ見たりしとったワテは、大学生の時分からそんなん有り得ぬと考えとった。皇帝制なのは変わらん。そして、儲ければ儲ける程覇権主義を強めるだけやと苦々しく思うとって、友人知人の中国ビジネスに関わっとる方々には一党独裁の中国共産党が支配する国やちゅうの忘れてはあかんと幾度も語って来たんやけど・・・

 目次

  序章 中国潮流
  第1章 投資 人民帽から小型株へ
  第2章 リスク 成功という危機
  第3章 企業 百花斉放
  第4章 エネルギー そんなに真っ黒ではない
  第5章 輸送 道を拓く
  第6章 観光 風に乗って
  第7章 農業 もう投資した?
  第8章 保健・教育・住宅 人民に奉仕せよ
  第9章 新興の中国 未来の人民共和国

  付録 中国投資関連のウェブサイト

1988年と90年にバイクで99年にはメルセデスベンツで中華人民共和国を横断したジム・ロジャーズ、2003年に生まれた娘に中国語を習得させる為に中国人女性をナニーに選んだんやて。それ程中華人民共和国に入れ込んどんねん。

一言で評するなら、著者は権謀術数に長けた指導者居る一党独裁の中国共産党が支配する中華人民共和国にかなり楽観視し過ぎや。投資家なのに、彼の国の政治要因を軽視しとるんですわ。欲深い覇権主義を軽視しとるんですわ。諸外国との長期にわたる歴史的つながりにも言及しとる割にはごっつ甘い。

所謂シナの歴史認識がどうなんや思うところかなりあった。象徴するのが万里の長城ですわ。

それと、シナと漢人をどない認識しとるんかはっきりせん。シナを支配統治した多くの皇帝が漢人や無いの分かっとるんやろか?著者が三つの黄金時代としとる元は勿論、唐の皇帝も漢人ちゃうし、宋の皇帝もちゃう。

兎も角、中華人民共和国各地を訪れた時の経験から投資に臨む際の心構えと中国投資の妙味を語っとる。色々な分野の企業を簡単に解説し、将来性の予想などしとるんですわ。楽観的にな。

そして著者は、台湾との軍事衝突、政治不安、最西部やチベットの分離独立運動、一般的な社会不安、貧富の格差や都市部と農村部の格差の拡大、労働組合が存在しない事による労働争議、水と石油をはじめとする資源供給量の減少、環境問題の深刻化、伝染病の蔓延、地震、安全性を省みない構造物の崩壊、欠陥と腐敗に満ちた経営の慣行、犯罪組織の影響力の増大、内部者の背任行為や汚職、不良債権問題から銀行システム崩壊、少子高齢化で社会保障制度崩壊、投資バブルと崩壊、賃金の上昇による競争優位の喪失、通貨政策の失敗や過剰な保護主義、外国資本の過剰・過少、指導層の傲慢や無能、国粋主義の台頭、創造的思考の欠如と、著者は様々な危機を列挙するんやけれど、そういうリスクは米国含め大体どこにでもあるもんやとしとんねんいやはや。

経済発展における濃い影の部分をごっつ軽視しとんねん。

今後調整局面はあっても、一貫して中国は発展するとの見方なんですわ。これが楽観主義と云わず何と云うんや。

政治体制への視点が弱い。肝心な一党独裁国家ちゅうのを重要視しとらんのや。

また、損益計算書を見る時は行間を読まないといけないと書いとるのに、中国共産党が出す大本営発表を信じとるように思われるところが難点でおます。

本書を真に受け、一党独裁中国共産党が支配するリスクのある国の株に投資された人はどれ位居るんやろ?

孔子が云うように「遠き慮りなければ、必ず近き憂いあり」なのは、その通りですわな。