『十津川警部 東北新幹線「はやぶさ」の客』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

一旦3時に目覚め、今朝は7時ちょっち過ぎに起きた。

朝食は昨夜スーパーで4割引きやった稲荷寿司詰め合わせ。デザートは長崎産早生みかん3個。

マッコイ・タイナーのアルバム「アサンテ」をレコードで聴いた。

靴下のほころび縫うた。

土岐英史→松本英彦→ウェイン・ショーターと、これ迄ライブ聴いて感動したサックス演者をユーチューブで聴いた。

雨が小降りになったんで、昼食に三ノ輪「大八」へ行った。頼んだの牡蠣フライ定食。ご飯、味噌汁、新香が付いて1000円也。

満足して店出て、スーパーで食料買うて帰宅。

筋トレ20分した。

風呂に一時間浸り考えとった。日除けらしい木製の大屋根に350億円の大阪万博2025の大阪市民の想定負担額が明らかにされた。増えに増えたその額、赤ちゃんからお年寄りまで1人あたり1万9000円。大阪市民はどない考えとるん?「負担以上の経済効果を考えれば謝る必要はない」と主張したんが大阪万博旗振り役の橋下徹ですわ。負担以上の経済効果、ほんまにあると認識しとるん?摩訶不思議や。夢洲は博打場込みやから経済効果あると云うんやろ。経費が2350億円で済むかどうか疑わしいが、そんな金出すなら老朽化インフラの更新に使えちゅうの。

 

 

まず西村京太郎の『十津川警部 東北新幹線「はやぶさ」の客』を慌てて読んだ。と云うのも、先週末G君と酒飲む約束があったからや。彼と5月に酒飲んだ時、それ含め二冊の十津川警部シリーズを渡され感想を聞かせてくださいと云われ、分かったと返事しとったんですわ。けど、まだ読んどらんかった。そやから初めて西村京太郎のトラベルミステリー本読む事になってん。十津川警部の活躍、これ迄テレビドラマで夏八木勲や若林豪や渡瀬恒彦が扮したんは幾つも見とったものの、本は読んどらんかったんや。

西村京太郎、読み易いんで助かった。前々日と前日の二日間でスルスルと二冊読了した。
ただ、西村京太郎の句読点のリズムがワテには合わん。特に読点がごっつ多いから、読み終える迄違和感あったがな。

では、『十津川警部 東北新幹線「はやぶさ」の客』を。
[東京から新青森へ向かう東北新幹線の「はやぶさ」豪華客室<グランクラス>車中で、車両の最後尾の座席にいた男が死亡した。その男は東京・六本木の高級マンションに住む経営コンサルタントで、保守党の有力代議士・君原清道が射殺された事件の容疑者として十津川がマークしていた人物だった。現場に居合わせた専門誌「鉄道の友」の編集者・立花とカメラマン白石由美も巻き込んだ捜査の行方は!?]と裏表紙にあります。
さて、事件が起きて騒ぎになった<グランクラス>ちゅうのは、グリーン車の上のクラス。新幹線で最もグレード高い席の車両ですわ。コントロールパネルがあり電動で45度迄リクライニング機能ある本革シートの座席が横に2と1の3つ、6列あるから18席しかあらん。席の間隔広くゆったりしとりまんねん。
乘り鉄のワテ、それで新函館北斗駅迄乗って行きたいと思うとるんやが、まだ果たしとらん。行くには節約に節約重ねなならんからなあ。

この物語は、政治屋の利害が絡む、思惑が動くもんやった。

毒殺された資産家の経営コンサルタントやった被害者佐々木要の事件と、射殺された保守党の有力代議士君原清道の事件、二つの事件には八ヶ月ちゅう時間の経過があった。

この八ヶ月の間に、十津川警部に殺害容疑者としてがマークされとった佐々木要が何かしらあくどい事した為殺された、或いは邪魔になった為に始末された。そう考えるのが順当ですわな。

編集者とカメラマンは、巻き込まれたちゅうより自分達から事件に喰い付いた云う方が合うとる。面白い特ダネ記事になりそうや思うたからな。結果、拉致され監禁ですわ。
はやぶさだけやなく、千トンクラスの客船も登場すんねん。そこのサロンに立花遼と白石由美、それに若手代議士高橋雅治の個人秘書本田良二も監禁されたんや。

なぜ保守党の高橋雅治の個人秘書の本田良二も捕らわれとるかちゅうと、党内の政争が、醜い勢力争いがありますんや。

その暗闘は、保守党の陰の支配者たる君原清道を省きたい者達が複数居って、そこから始まりましたんや。

ベテラン代議士宮本政一郎は、五人組の一人である三浦博をスパイと知らずまんまとおだてに乗って、長老君原清道を省けば己が後釜につける思うて、詐欺まがいの方法で金儲けしとる自称経営コンサルタント男に殺させたものの、若手代議士高橋雅治達五人組とんびに油揚げさらわれてもうた。それで両者は真っ向から対立するかたちとなった。

確かに君原清道の死で政界の地図が一変した。総選挙の勝利に邪魔になる老害代議士が出馬出来ぬよう仕組んだ若手代議士達が居ったからな。保守党の老人達は惨たらしい二・二六事件を思い起こし恐れた。それで党内は若返りを遂げ、総選挙での勝利間違いなしの状勢になったんや。
五人組のリーダー高橋雅治、保守党の副幹事長になったがな。

佐々木要は、宮本政一郎の秘書名義の石垣島にある別荘に匿われとったが、宮本政一郎を脅せば大金が手に入ると思うて脅しにかかったんではやぶさ十五号のグランクラス内で毒殺されたんや。

宮本政一郎は既に二人殺害し、更に高橋雅治の秘書田辺修も殺しとるさかい、こうなったら三人も六人も同じやと、はやぶさ十五号のグランクラスに乗り込んどった秘書中本に立花、白石、本田の三人を監禁させ、深い海の底に沈めようとしとった。
若手代議士五人組の若返り策に端を発した保守党内の争いが、三人の死者を出した。海上保安庁の巡視船が間に合うたから殺人未遂になったが、証拠隠滅に立花、白石、本田の三人も消されそうになり危うかった。

宮本政一郎は殺人教唆の容疑でお縄になった。

権力巡る争いは苛烈ちゅうちっちゃな。

「事件の結果、保守党内は若返った。しかし、それは、殺人事件のおかげで、若返ったんだ。私は、そのことに、少しばかり不満が残っているんだ。それに、宮本政一郎と高橋たちのどっちがワルか分からないじゃないか」ちゅう十津川警部の言葉で物語は終わる。

ところで、どうせ密室にはならんのやさかい、仏壇、いや別段グランクラスでの毒殺でなくともええんとちゃう。グリーン車内でも。それと、アテンダントの活躍とかあって欲しかったなあ。

それにしても、西村京太郎は著作が五百冊を突破しとるんやて。凄いわなあ。それだけ書いとると自己模倣しとるの幾つももあるやろ、と思うのは下衆の勘繰りでっしゃろか。