一旦4時に目覚め、今朝は7時に起きた。久し振りにEみさんとの夢見た。川で鰻捕まえ、河原で焼いて仲よう食うもんやった。
朝食は昨夜スーパーで半額やった干瓢細巻き。デザートは栃木産トマト2個。
大西順子のアルバム「バロック」をCDで聴いた。
友人にメール送付した。
昼食に駒形「トロワ キュイ アサヌマ」へ汗掻きながら行ったんやけど、満席の張り紙が・・・それで急ぎ浅草橋「ジョンティ」へ。本日の魚料理であるノルウェーサーモンのムニエルを注文。サラダ、パン、コーヒー、おまけのプチデザートに一口プリンが付いて1200円也。
満足して店を出て、汗垂らしつつ歩いとったが、お助け茶屋で一服したいと蔵前「ビストロ モンペリエ」へ入る。西瓜と紫蘇のシャーベットと白ワインを頼んだ。2000円也。
また満足して店を出て、汗滴らせ歩き帰宅。
ぬるい風呂に一時間浸り考えとった。エディオン、タマホーム、一条工務店が取引中小企業との価格交渉の対応などについて最低評価。経済産業省はネガティブリストの更新公開をやらなあかん。
ジョニー・ホッジスのサックス演奏をユーチューブで聴いた。
夕食はブラジル産鶏肉、北海道産人参、新潟産エリンギをタジン鍋で蒸し、レンジ加熱したご飯と食うた。デザートは山梨産デラウェア。
牛乳飲みながらWakasa→マヤ・ハッチ→紗理→藤村麻紀→菅原花月→坂井レイラ知美と歌をユーチューブで聴いた。
Eみさんと一緒やと終日まったり過ごすちゅう訳にはいかん。「暑さちょっち和らいだょ」云うて、朝食後散歩に連れ出された。
「和らいどらんやろ。蒸し暑さお笑いだ、と云うべきや」とか不満漏らしながら付き従っとった。
薄紅色のシャツ着てスリムジーンズ穿いたEみさんは相変わらず週刊誌の芸ノー人やスポーツ選手ネタを語りながら足運んどったがな。ワテは興味あるところとワテにまつわるところだけ耳に入れとった。
かなり歩かされて水戸徳川家墓所迄来て、かなり汗搔いた思うたら、並んでたEみさん、不意に立ち止まった。
「辛いなぁ」
水色スニーカー履いた彼女がそう云うて何かを蹴る仕草したが、彼女を上から下迄見ても辛さは一向にどこにも見えん。
「時折ワテをコケにして話し続けとって、何が辛いちゅうねん」
彼女、芝居がかった哀しみを含んだ視線を送り云うた。「だってぇ、愛しい人が身を入れて話を聞いてくれないんだょ」
{愛しい人ちゅう甘い言葉に誤魔化されてはあかん、もう}と、ワテは自らを戒めたがな。
そこにEみさんは追い打ちをかけた。「先週末は会社の人達と山登りに行っちゃったしぃ、寂しい思いしてたんだょ」
また歩き出したEみさん、振り返って尋ねた。「愛しい人の寂しい思いを解消させる楽しいプランは無いのかしら?」
{愛しい人が入れ替わっとる。迂闊に返答しては後でえらい事になる}と思うてワテは答えあぐねとった。
犬が吠えるのに前向いた彼女「あらぁ、また遇えたょ」と前方指差した。
前ここで話交わしたトイプードル連れの爺さんが通りかかったんや。近づくにつれて向こうもこっちに気づいて片手上げ、甲高い声で「奇遇やね」
「またお会い出来ましたね。前お遇いした時よりお若く見えます」と、世辞云うEみさん。
その言葉で、爺さんのしかつめらしい顔がすぐ笑みに変わったでえ。
「まだ老け込んではおられん。快眠快食快便と散歩で健康そのものや」
やはり元気やった。飼い主同様トイプードルも元気で跳ね出した。
{やれやれ。また遇うてしもた}と、ワテは声出さず頭の動きで爺さんに会釈した。
屈んだEみさんは擦り寄るごっつ嬉しそうな女好きトイプードルと暫し戯れ、それから爺さんと話が弾んどった。
その間、ワテは手持ち無沙汰やった。
ところが唐突に「あんた、脚本はどうなっとる?」と爺さんがワテに問い質すんや。
不意を突かれたワテ、股下も、いや、またしても答えあぐねとった。
「眼が泳いでるょ」とEみさん。
爺さんは言葉変えて尋ねるんや。「世に出る為書いとるんやろ?」
Eみさんが耳打ちした。「書けてないの、恥じゃないょ」
「分かっとるわい」ちょっち声が大きくなってしもた。
素直なワテは答えた。「近頃、思う様なものが書けまへんのです」
「近頃」とオウム返しに云うたEみさんの声にはちょっち笑いが含まれとった。
「笑うてない?」
「君の近頃って、とっても長~い期間なんだなぁって思ったのさ」
図星やったが、認める訳にはいかん。更に好き放題云われる事になるからな。
「近頃は伸び縮みせん。近頃は近頃ですわ」
「誰にでもスランプ状態の時はあるもんや、掛布でもバースでも」下半身タイガースファンらしい爺さんはそう云うて、「長過ぎなのはスランプとは云わんけどな」と続けるやないの。
Eみさん、コクリと頷き「スランプ、アラレちゃん、ホヨヨ」と呟いた。
{あかん、調子に乗せそやな}と思いつつ横に居る彼女睨み「才能が無いんかもしれまへん」と謙遜してみせた。
トイプードルにじゃれつかれとるEみさん「鴨。ダック。しれません」と呟いた。
「自分の体験を書いたらどやの」
「人生が劇場云うんですな。ワテは自分に実際起こった事を告白するかの如く表現しただけではあかんと考えとるんです。真実を描きたいんですわ」
またしゃがみ込みトイプードルの頭撫でながら「真実、一路、たい」と呟くEみさん。
「その心掛けは立派やけど、人は他人の辛かった体験見聞きするの好っきやで」
「辛い体験は少なからずありまっけど。男女関係で」と云うて、隣でおちょくっとるEみさんを真正面から覗き込んで眼をジッと見た。
けど、無視された。
爺さんもワテの視線追うたんやろ、Eみさんの方見て「人生色々あるもんやで。そやろ?」と皺つくってニヤリ。
「彼は拘りが強いし、自分がはっきりしてるんです」
「ワテの人生くすんだ色だけでっけど。花の色が無いんですわ」と、また謙遜してみせた。
爺さんは顎しゃくってEみさんを指し示し、「明るい色は全てこの人に集まるんやな」と云い、続けて「自己否定はやめなあかんわ。難儀な事考えず、まず自分を肯定してみるんやな。それが人生に負けん秘訣や」云い、そして頷きながら「まだまだ人生長いで」と己に云い聞かせるように云うた。
{この前、人生長いようで短いって云うてなかったか}と思い出しつつ一応頷いた。
トイプードルかまっていたEみさん「大丈夫です。この人自己否定なんてしませんから。でも、もしそうするようになった時には、わたくしが支えてあげます」
{よう云うわ}と思うとったら、爺さん大仰に頷き「ほんまええコや。大した心遣いや。孫の嫁に欲しいで」と誉め、またワテの方向いて「ま、あんたもせいぜい頑張りや」と唾飛ばし大きな声出した。
女好きトイプードルは名残惜しそうにしとったが、リード引っ張った爺さんは「リフレッシュ出来たわ」と笑顔向けてセカセカした足取りで立ち去った。