千石 猫又坂 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

昨夜はHちゃんと17時から居酒屋で酒飲んだが、今朝は7時半に起きた。

台所掃除し、朝食は北海道産ななつぼしでご飯炊き、くめ納豆、紀州産梅干しで二膳。デザートは秋田産ラフランス。

山岡美香→大橋美加→豊田チカ→ウィリアムス浩子→斉田佳子→平賀マリカとこれ迄ライブで聴いた歌手をユーチューブで聴いた。

昼食は蔵前「ビストロ モンペリエ」へ自転車で行った。満席やったら速やかに移動する為やが、カウンター席に空きあり。注文したのはいつものAランチ。今日は肉料理を選び、ひな鶏肉のガレット ポワレ ピラフ添え。野菜煮込み、パン、デセールにシュークリーム、コーヒーが付いて1350円也。

満足して店出て、八百屋で果物買うて、郵便局で金下ろし帰宅。

筋トレ小一時間した後、サラ・ヴォーンのアルバム「ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイン・オン」と「ウィズ クリフォード・ブラウン」をレコードで繰り返し聴いた。

友人達にメール送付した。

夕食はニュージーランド産ラム肉を炒め、茨城産レタスで巻いて、ご飯と食うた。デザートはグレープフルーツジュース入れたヨーグルト。

 

 

先日、自宅を出てJR日暮里駅を通り抜けて谷中銀座を進み、不忍通りに出ると千駄木で、そこから動坂下に歩んで立ち止まった。

さて、ここからどっちの方向へ散歩しよかと考えましたんや。田端文士村記念館の方へか、動坂を上がって東京メトロ南北線本駒形駅の方か、それとも不忍通りをその儘進んで六義園の方へ行くかをな。

決めたのは、このところ行く事少ない六義園の方で、快調に歩いとった。散歩日和やった。

そして猫又坂に差し掛かった時やった。キョロキョロしとる沢庵の如き黄色く萎びた顔した細身の老人に道塞がれた。何か尋ねられとるようやが、か細く声しわがれとって、よう聞き取れんかった。

聞き返すと、爺さんはもう一度しわがれ声を絞り出して、東京何たら病院を探しとると云うんや。

以前こっち散歩しとる時に見たさかい、うろ覚えやったが記憶に従い爺さんと歩くと、間もなくその病院は見つかった。

爺さんに過分なお礼の言葉もろうて別れた時、日が傾きかけとった。

違う経路で帰ろうと千石一丁目の交差点を右折して都営三田線千石駅前から旧白山通りを歩いとると、池脇千鶴に顔似とる三十路位に見える女性から呼び止められ、「お尋ねして宜しいですか?」と問われた。

珍しくも一日に二度尋ねられましたんや。もしかして何かの勧誘やろかとちょっち警戒しつつも、「勿論ですとも」ワテそのお方の目を見ながらちょっち気取った声を出したがな。

今度のお尋ねは小石川植物園への道やった。スマホを忘れて出て来てしまい困っとる云うんやが、そんなそそっかしい感じはせぬお方やった。

「小石川植物園、もう入園出来るギリギリの時間かもしれまへんでえ」

「植物園が目的ではないので」

目的地がどこなのかを尋ねたかったが、怪しまれてもあかんさかい止めといた。

通行人の邪魔にならんよう、そのお方にも歩道の端に寄ってもろて、小石川植物園への道順をご案内した。

またちょっちええ事した気分になった。目的地迄一緒に行ければもっとええ気分のはずなのに、そのお方は一言礼述べると速足でとっとと居なくなってしもたわ、一度も振り返る事無く。

すると、独り取り残された気分になった。夕闇が迫る前に帰るつもりやったが、もう街灯の照明が落とす影が出とった。

{すっかり秋やなあ。日が暮れるの早いわ}と思うとなぜか溜息が出た。

輝くライトを点した自転車が通りをそれと思えぬスピードで走り去って行った。

道々、大学時代からの友人達と小石川植物園に行った時の様子を思い返しとった。もう昔の事や。

家に着く前に擦れ違う人の顔も見分け難くなる程暗くなっとった。