酔いしれてみたいのよ、赤坂の夜 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は7時半に起き、植物に水遣りした。

風呂に小一時間浸り考えとった。昔に比べ大分寛容さが失われて来とるように思う。人が意見を異にするのは当たり前やが、分かり合おうとする努力をせぬ者が増えとる気がする。

朝食に茨城下妻市産こしひかり米でご飯炊き、くめ納豆、海苔で二膳。デザートはニュージーランド産キウイ。

昨日せんかった掃除をしてから、筋トレ30分した。

牛乳飲みながら加藤真亜沙のピアノをユーチューブで聴いた。

M君と待ち合わせの「ヱビスバー 東京ドームシティ店」に早めに歩いて向かう。昨日のランチ時混んどったからな。でも、11時40分に着いた時には満席。20分程待って入れた。注文したのは、デミグラスソースハンバーグ、ランチサラダ、ランチドリンクにグレープフルーツジュースで1230円也。

虚人戦をM君と一緒に応援したんやけど、守備の乱れから惨敗。やはり宮本慎也を監督含みで守備コーチに起用せなあかん。

トボトボ歩いて帰宅した。

夕食はタイ産鶏肉、北海道産南瓜、新潟産舞茸をタジン鍋で蒸し、ご飯と食うた。デザートは南アフリカ産グレープフルーツ。

 

 

水曜日の夜、雨雲が低く垂れ小雨が降っとった。

千代田線赤坂駅出て「WINEは赤白どっち頼んどく?」ちゅうショートメールをNっぺへ送ったら、すぐに「広島カープの赤!」と返事が来よった。{先週、本拠地で疲労しまスに三連敗したの知っとって面白がっとる。小癪な奴や}と、脳の中でワーグナーの「ワルキューレ」が鳴り響きプリプリ怒りながらホテルシャンティを越え道路横切った。

開店待つ人々が並んどる列の最後尾に着いた時、列が動き出して、赤が目印の「B flat」に入ったのは開店時間やった。

正面の席に陣取り、常温のシャトー・マルジョスと食い物3品を頼み、小癪な奴を待った。

けれども、19時に来るはずのNっぺなのに、19時半を過ぎても姿見せんかった。マルジョスだけやなく既に料理3品もテーブルに揃っとった。

{どないしたんやろ、火蟻に咬まれたんやろか?それとも、マダニに喰われたんやろか?}と心配しとると、山本剛(p), 鈴木良雄(b), 大隅寿男(ds).の演奏が「ゲーム・ボーイ」から始まった。

早稲田大学モダンジャズ研究会でタモリの一年先輩である鈴木良雄のオリジナル2曲の演奏が終わり、ジョビンの「印旛沼の娘」が丁度始まるその時、重い荷物両手に提げたNっぺが現れた。いつもと変わらん様子で、虫共には襲われておらんようや。

ワテの表情で察したようで、K弁護士と仕事の相談で長電話しとったと、Nっぺは遅れた云い訳しよった。

ワイングラスに赤をなみなみ注いでやると、グラスを目の高さに上げ、「広島の色だね」云うてゴクリ半分程飲んだ。

それからNっぺ、辛いペペロンチーノ食うて、目を白黒させ「何て辛いんだ!」と慌てて残ったワイン飲み干した。

「赤坂やなあ、いや、浅はかやなあ、ペペロンチーノは辛いもんや。特にここのはな」と、ワテが笑いながら空のグラスにワイン注いでやると、彼は一気に飲み干し、「お代わり」云うてグラス突き出した。

「赤坂の夜はこれからや、飲み急がなくてもええ」

「口の辛さを何とかしたいんだ、早く頼むよ」

「グラタン食いなはれ」

素直にグラタン頬張り一息ついたNっぺやった。

演奏曲は「秋刀魚タイム」になっとった。

Nっぺ、「そうだ、M夫とH世からメールが届いてるけど読んであげるよ」云うねん。

「いらん、癇に障るもんに決まっとる」

「勘が鋭いね。読まないでおいてやるよ」

「ふたり共、下半身タイガースが強いからって図に乗って天狗になっとるんや」

「スワローズも右腕松岡弘と左腕安田猛をカンバックさせれば勝てるようになるよ」

「そんな助言、いらん。ガーシュインの名曲静かに聴きまひょ」

セカンドセット迄の休憩に入った時、シャトー・マルジョスが空になった。Nっぺがまた飲み過ぎんようにアルコールから関心逸らそうと、質問を出してみた。「明夜のここの出演者当ててみ、ヒントは名前がルーや」

Nっぺ、ワテの問いに躊躇なく答えた。「ルー大柴」

「ルー・タバキンや、秋吉敏子の旦那の」と答え明かし続けて云うた。「まともな脳の働き出来んもんやろか。普段酒飲み過ぎとるからやでえ」

真顔になったNっぺ、「お前だって、この前の土曜日とんでもない間違いしただろ。Sちゃんは方向音痴だって、CHIが呆れてたぞ」

 {それは普段運動不足なお前様の為わざとやったんや、とは明かせんな}と思いつつ云うた。「それはCHIちゃんが原宿、表参道辺りに詳しいから云えるんや。あの夜、ワテ等はお狐様のお導きで歩いとったんやからな」

「何がお導きだ。電車から降りたら、脚が痛くて歩けなかった程だったんだ。だから、途中で富士そばに寄ってビール注文して飲んでたら眠ってしまった」

 {あの日、折角Nっぺの健康気遣って歩かせたのに、家に辿り着く前にまたアルコール飲んどったとは}と腹立たしくなって、語気強く云うたがな。「富士そばからマンション迄は数分やろ。フツーあの距離やと脚痛くとも我慢して歩いて自宅へ帰るやろ」

Nっぺは口を開けてワテを見、そして云うた。「我慢して歩いてたよ。でも、脚がどうにも痛くなって立ち止まった所に運良く店があったんだ」

「ほな、富士そばで休むのは仕方ないとして、なぜビール頼む必要があんねん」

「咽喉がカラカラに渇いていたんだ」

「お冷やでええやろ」

「色が付いた飲み物じゃないと何か寂しいだろ」云うて、キョロキョロしとったNっぺは店員呼び止め黒生ビール頼むやないか。

「今夜もまだ飲むんかいな」

「S吉、赤坂の夜はこれからと云ったろ」