南池袋公園で 白猫と | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝はEみさんと東南アジアに居ったつながりない幾つかの夢見て目覚めたが、よう憶えとるのはオレンジ色して長い舌だけ黄色い怪獣を目の当たりにして彼女を庇うやつや。鮮やかな色付きの夢見るのは珍しいがな。起きたのは7時半で、くしゃみ連発。

Eみさんと交わした会話をメモしたもんを他のメモと区別整理した。

朝食は茨城産コシヒカリ米でご飯炊き、くめ納豆、紀州産梅干で二膳。デザートは茨城産苺。

サラ・ヴォーンのアルバム「ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイン・オン」をレコードで聴いた。

リュウ・ティンユーが奴婢の含香役で出とるんで、「王の後宮」第4話を見た。七巧役リゥ・ナーピンは悪役似合うな。

筋トレ30分した。
昼食に「イマージュ」に行ったら料理教室やっとって駄目で、正午ちゅう時刻考慮し裏浅草「浅草茶寮 Kuwasaru」へ行き、いつもの日替わりセットをお願いした。刺身に鰤の炙り、鰆の焼き物、煮物、サラダ、真薯の小鉢、ご飯に吸い物が付き1100円也。青森で獲れた槍烏賊の煮物がごっつ旨かった。

「まるごとにっぽん」へ歩き、入り口広場での盛岡・八幡平PRの「モリハチ」イベントと館内酒売り場でワインをしげしげ見て帰宅。

「王の後宮」第5、第6話を見た。明には残虐な皇帝多いのは知っとったが、明時代に万貴妃ちゅう嫉妬深い悪女が居ったんやなあ。

夕食は北海道で獲れた鱈、茨城産ほうれん草、長野産ぶなしめじをタジン鍋で蒸し、ご飯と食うた。デザートは長野産りんご。

風呂に小一時間浸り、神道系小学校開校の為の用地として森友学園が豊中市の国民の財産である国有地を鑑定額より驚く程安く取得し国庫に入る金ごっつ減った問題には政治屋の口利きがあったに違い無いからきっちり追及せなならんのは当然やが、国会で議員の皆さんには、北朝鮮が何ともキナ臭いんやからそれに備える議論したり、デフレ脱する為に経済成長促す施策の議論して欲しいもんやと考えとった。

牛乳飲みながらケニー・ドーハム→ソニー・ステット→スコット・ハミルトン→アンドレア・モティスをユーチューブで聴いた。

ほな、Eみさんとの白猫の遣り取りをメモ書きから。

 

 

Eみさんと共に額に汗薄っすら浮かべ、有名店の行列に並んで待つ事一時間、やっとつけ麵の大盛りを食うた後、南池袋公園に来て木陰で休んどった。

大概混んどる公園やが、珍しく居る人少なかった。

{見掛けぬ長い尻尾持った白猫が居るなあ}、って思うて目で追うてたら、ワテの方にやって来たんや。細い首輪付けとって毛並みええスリムな体型しとった。人見知りせん猫で、可愛らしく小さく鳴いてすり寄るやないか。

{人懐こいやっちゃ。遊んでやるか}と、暫し戯れとった。

「いけないんだぁ」と云う声が背後からした。

振り向くと、缶コーヒーと缶緑茶買うて来たEみさんが居った。

「何がや?」

「可哀想でしょ」

「ワテがか」

彼女は軽く首を振った。「このコに決まってるでしょ」

「可愛がっとるのに、この猫のどこが可哀相なんや」

「それ、尻尾結ぼうとしてるの誰さ」と、白いのの尻尾指差した。

「結ぼうとなんかしとらんわい」

「さっきの指の動きは何さ、見てたんだから」

「ちょっち指の運動」

「出任せだね、結ぼうとしてたんでしょ。お見通しだからね」云うて、Eみさん睨むんや。

「結果見て判断しとらんな」

「結果?」

「お前様が云うような事したら猫はすぐ逃げるでえ。でもここにこうして居るやないかい。可愛がられたからに他ならぬ。それでも疑るんか?」と睨み返してみた。

ワテの問いに答える代わりに、「高貴そうなコだね。可愛い首輪されてるんだぁ、お金持ちに飼われるんだねぇ」と、腰下ろして足元に缶を置いて白猫の頭撫でながら云うさかい、ワテ「汚名なすり付けられるだけやなく、目に見えぬ首輪付けられとる男こそ可哀相やがな」と口にした。

「変な事云ってるょ。あなたは無邪気だから、この男の悪さ分からないんだよねぇ」とEみさん、猫に向かって云うねん。

「悪者にされとうないわ」

「この男に悲しい目に遭わされそうだから救ってあげるょ」と、白いの抱き上げた。

白猫は、Eみさんの胸に抱かれ頭動かすだけで大人しくしとった。

「善良で悪い事なんかせんのに。悲しい目に遭う訳無い」

「胸に手当ててよ~く反省してみなょ」

「そやから、悪さなんかしとらんがな」

「悪いでしょ、自分ばかり出張に行って美味しい物食べて。お留守番疲れしちゃってるょ」

「話、飛び過ぎや、今はその猫の話しとるんやろ。ソ連に、今は会社の指示で出張せなならん仕事なんやからそない云われてもな。お前様も、出張ある仕事にさせてくれと懇願すればええんやないの?」

「話は猫の目のように変わるんです。それとぉ、君は日本のいい所へ出張に行ける結構なご身分だけど、私の勤め先で出張ある仕事を希望すると海の外になっちゃうの。それも日帰りの時も多いしぃ、レディには相応しくないね」

{そないな答えとなるの分かっとって云うたんや}と思いつつ、「そやろ、レディは見所も旨い物も仰山ある東京に居るのがええねん」と、Eみさんの顔色窺いながら云うた。

ところが、彼女が云うたの、「埋め合わせするよね」

「埋め合わせって何や?」

「そろそろ温泉に行かなくちゃ。温泉がふたりを呼んでるょ」

三月に一度は温泉ツアーするちゅう約束したの思い浮かべた。「それって通告かいな。ここ池袋に温泉あればよかったんやけどなあ」

「無いね。どこにするか後でゆっくり考えよう」と云うEみさんの声が嬉し気やったわ。一息置いて、「このコ、名前は何て付けられてると思う?」と云う声もな。

「ホワイト・ナイトやろ」

「違うね、白だね」

「そないなの素人しか付けんわ」

「シンプルでいいょ」

「駄洒落、分かった?」

「駄洒落?」

「お前様もまだまだやなあ。シロとシロウト」

一頻りの沈黙後、Eみさんが云うた。「そんなの、知ろうとしたくない」

{腕上げとるがな}と感心しつつ、「そんな事より冷たいもん飲みたんやけど。その足元のどっちかおくれ」と手差し出した。

Eみさんは、白いの下してワテに缶コーヒーを渡してくれたが、握ったらもう余り冷たくなかった。

咽喉鳴らして一気に飲んだら、意外に旨かった。「コーヒーだけに高品位や」
緑茶口にした後、「君、立派だょ。蒸し暑くなったのに駄洒落が湧き出して」と云うた。

「そない褒められると気後れがするなあ」 
「おバカなS吉でも気後れするんだぁ」
「おバカちゅうんは余計や」
「その駄洒落の才能が脚本の方にあったらねぇ」
「痛いところ突くなあ」
「最近書いてるの?」
「ハーヴェイ・カイテル。彼はスコセッシの映画「タクシードライバー」で売春宿のポン引き役やった」
「駄洒落しか出て来ないんだぁ。それじゃぁ、いい脚本書けないよねぇ」
その時、白猫が一声鳴いた。
「ほら、白もそうだってぇ」
確かに肯定したように聞こえたがな。

「タイミングよくちゅうか悪くちゅうか、鳴きよる猫や」

「さっき意地悪されたからだよねぇ」と、Eみさんは白に同意求めるんや。

「そやから、しとらんちゅうに」とワテも猫を見たが、そっぽ向かれた。