肘折温泉「松井旅館」 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

平熱に戻った昨夜、ラジオ「セッション・トゥナイト」を最後迄聴いとったんで、今朝起きたの9時ちょっち前。

見知らぬ小父さん達となめこおろし蕎麦食う夢見て目覚めたんで、朝食は長野産ぶなしめじと信州蕎麦でぶなしめじ蕎麦つくって食うた。なめこが無かったんや。

ベティ・カーターのアルバム「モダン・サウンド」をレコードで聴いた。

散歩兼ねて蔵前へ出掛け、昼食は「ピンツォ」に入ったら、今日のパスタランチは小柱、生トマト、白菜 アンチョビ風味のみやった。じゃが芋スープ、フォカッチャ、コーヒーが付き1080円也。

それから浅草へ。面白いイベントやっとるかな思うて「まるごとにっぽん」を覗いたんやが、明後日~3日にやる「日本酒めぐりBAR」迄無いんで帰宅し、熱測ってみたら微熱・・・

「花咲舞が黙ってない」第一シリーズをギャオで見とった。杏と上川隆也のコンビもええが、生瀬勝久と甲本雅裕のコンビが更にええ。

夕食は広島産牡蠣、北海道産南瓜、茨城産白菜入れた湯豆腐。デザートは長崎産みかん2個。

食後、また「花咲舞が黙ってない」見てた。

 

 

なめこおろし蕎麦を食いたい時節やけど、なめこちゅうと思い出すんや。肘折温泉の「松井旅館」で頂いたなめこ汁をな。ご飯になめこ汁、ごっつ旨かったなあ。

訪れたのは三十代終わりかけの頃、紅葉も終わりしみじみした晩秋やった。

嵐の如き騒動が始まる前の静かなる時やったから、鄙びた情緒ある温泉街を懐かしく時々振り返るんでよう憶えとる。四十路から暫く、全く気の休まらぬ時を過ごさなければならんかったさかい。人生どこで暗転するか分からんもんや。

奥羽本線新庄駅からバスに乗って一時間の肘折温泉は霊山云われる月山の麓にあり、人恋しい修験者も居りそうな所。登山口の一つでもある。

骨折や傷に効果あるんで知られとるが、川に沿って細い道に木造三階建てとか二階建てとか幾つもの湯宿が連なる温泉街があるんやが、日本代表する湯治場と云うてええと思いましたがな。

斉藤茂吉が泊まったちゅう手入れ行き届き年季入った小ぢんまりした宿に荷物置き、夕暮れの共同浴場巡りしたんやが、郵便局の旧舎が最も趣あったでえ。

内湯は加水せな入れん程熱かった。その湯船で一緒になり親しくなった陽気な小父さんに「骨折治療でもしとるんでっか?」と聞いたら、今回は湯治やが釣りが好きで春から夏に山女魚目当てでよう来る云うとった。

風呂上がりは体ホッカホカ。小父さんの云うた通りやったわ。

自炊で長逗留の方多い肘折温泉に名物がある。それは江戸の昔から続く朝市やが、終わってまうのが早いんですわ。是非見てみたいと宿の中居に時間尋ねると、朝飯前には終わりと云うやないか。それで、翌朝早起きし朝湯後、どてら着て懐手して下駄ばきで出たら、軒先でもやっとったんやけど、路地見回してみるともう仕舞い支度しとる小母ちゃんも居った。確か七時やったと思うんやが、早い。野菜やきのこなど旬の食材や漬物を並べて売っとるのが近くの農家の小母ちゃん達のようなんで、帰って朝食の支度せなならんからやろか?

我が国の愛しい湯治文化を守り、肘折温泉は今も風情残しとるかなあ。変わらんで欲しいがな。

あの安らげる宿にもう一度泊まりに行って、なめこ汁食いたいなあ。鼻先に匂い漂って来よるわ。