『マネー・ショート 華麗なる大逆転』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』☆☆☆

今朝7時半に起きたら、鼻水垂れくしゃみ5連発。かなり花粉症きっつい。

風呂に小一時間浸り、中国共産党の支配する中華人民共和国のインテリジェンスはかなりな能力持つと考えとった。やはり我が国もインテリジェンス機関を持たなならん。振り返れば、我が国が敗戦に到ったのも優れたインテリジェンス機関が不在やったからや。
朝食には昨夜スーパーで半額になったんで買うとったカルビ焼肉丼。デザートは鹿児島産甘夏。花粉症の薬飲んだ。
渡辺貞夫をユーチューブで聴いた。

筋トレ30分した。

昼食に出掛けたのは外神田「カルネリーナ」。注文したの平日パスタランチで、完熟トマトのスパゲッティ  バジリコソース。モルタデッラハムのサラダ、フォカッチャが付き900円也。スパゲッティが塩味強し。
それから歩いて行ったのは帝国ホテル。用事済ませ、スーパーに立ち寄り食糧調達して帰宅した。途中通った公園では、植えられた木瓜の花が満開やった。


昨日、見逃してはあかんと、花粉症の薬飲んでもちょっち鼻水垂れる中で、アダム・マッケイが監督したシリアスな内容をスパイス利かせて描いた映画観に行って来た。行ってよかったわ、満点や。
何ともな邦題やが、原題は「The Big Short」で、信用取引の空売りのお話しですわ。
マネー・ゲームのお話をシニカルに描いとりまっせ。マーク・トウェイン曰く、厄介なのは、何も知らない事ではない。実際は知らないのに、知っていると思い込んでいることだ正に金言でんな。
ウォール街のマネー・ゲームのお話やから、金融用語が度々出て来るんや。MBSは毎日放送やなくて、不動産担保融資を裏付け債権として発行された証券なんやでえ。CDSはクレジット・デフォルト・スワップ。
けどな、ドイツ銀行の取引仲介しとるジャレッド・ベネットに扮するライアン・ゴズリング達が解説してくれる演出ありまっせ。出て来る先生は、例えばマーゴット・ロビーが、バスタブの中からバブル教えてくれたりすんねん。また、シェフが登場して、包丁を使うて教えてくれたりしますのや。
さて、時は2005年、多くの投資家達が高利回りの住宅ローンの債権に浮かれ、バブル真っ盛り。そこから話は始まるんや。
ワテがまだアラン・グリーンスパンをマエストロと思い込んどった時期ですわ。
ところが、2008年9月、証券会社で投資銀行のリーマン・ブラザーズが巨額の負債抱え倒産した。これが世に云うリーマン・ショックですわ。
そして、リーマン・ブラザーズ破綻のきっかけになったのが、低所得者向けの住宅ローンのサブプライムローンの焦げ付きなんですわ。サブプライムローンは、最初は低金利やが数年後には変動金利となる。それに無頓着やった人が仰山居ったんや。
結果、米国では多くの家を失う人、失業者を出し、それから世界は同時不況に陥った。
その陰で、2005年それを予見し、後に大儲けした男達が居った。
その第一人者は、「時限爆弾だ」とサブプライムローンの債務不履行を予測した片目義眼でヘビメタかけながら仕事しとるトレーダーのマイケル・バリーや。彼に扮するのはクリスチャン・ベールや。 
不動産抵当証券をコンピューターで調べ上げたマイケルは、投資銀行にクレジット・デフォルト・スワップを発行させる取引すんねん。ジャレッド・ベネット以外の銀行員は誰も信じず、鴨葱来よったとウハウハな気分になる。知っとると思い込んどる上司等、大損すると大慌てで止めさせようする。結末知っとるワテ等は大笑いや。
口から先に生まれたようなジャレッド・ベネットは、マイケルの動きを咀嚼し、瞬間湯沸かし器のヘッジファンド・マネージャーのマーク・バウムに住宅ローンが破綻するからクレジット・デフォルト・スワップ取引しろと説得すんねん。
兄を自殺で亡くしとるマークに扮しとるのはスティーヴ・カレルなんやが、苦悩する姿にええ味出しとりまっせ。
マークも部下達と実地で調べ上げ、余りに無知につけ入る倫理観欠如した出鱈目な有様に驚き嘆く。そこには不動産担保融資の担保が抜け落ちとったばかりか審査も無かった。当然、クレジット・デフォルト・スワップの発行取引は成立や。
また、若き投資家チャーリーとジェレミーも大勝負目論むも、大金と実績の無さから投資銀行に取引を断られ、伝説の銀行家ベン・リカートに相談持ち掛けんねん。
「面白い」と乗るベンに扮するのはブラッド・ピットで、先の悲惨さを見通し若き投資家を説教する美味しい役や。 チャーリー・ゲラーに扮するのはジョン・マガロ。ジェレミー・シプリーに扮するのはフィン・ウィットロック。
勝者マイケル・バリーも、ゲームに勝つ前は裸足の変人でしかない。住宅ローンを担保として発行された証券が暴落せねば、マイケルは保険料を払い続けなければならぬ。格付け会社の不正があの儘続けば、一文無しの身になるところや。
ワテ等は虚しい顛末を知って観とるんやが、これ程迄に腐った金融システムやったと思うたはワテだけやろうか?システムは信頼に基づいとるのに。世にリスクは付き物やが、詐欺まがいのシステムの中に居ってはリスク云々出来ようもない。
虚しいのは、資本主義やさかいバブルは起こるし、それに踊る者が居るのも当たり前として、倫理観が欠けた者共も悪党も損はしたものの刑務所には入れられず相当の罰を受けとらんからや。その不作為が、何とも八百長臭いからや。
なぜにドナルド・トランプやバーニー・サンダースが大統領候補としてええ戦いしとるかの一端が透けて見えるちゅうもんや。エスタブリッシュメントへの不信ちゅうもんでんわ。
それ程あの国では中間層が没落しての経済格差は酷くなってしもて、ほとんどの人が生まれながらにハンディ背負う立場になった。
我が国も他国事やあらしまへん。