雑司ヶ谷霊園 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は8時に起き、朝食には昨夜スーパーで買うとった半額ののり鮭弁当。デザートは愛媛産伊予柑。
体温める為風呂に小一時間浸り、総務大臣の高市早苗が電波法に基づき放送局に電波停止を命じる可能性をわざわざ言及した事は、萎縮狙った言論・報道の自由軽んずるもんやと怒っとった。不倫密会の自民党衆院議員のチャラ男宮崎謙介よりも議員辞めなならんの高市早苗やでえ。
ラジオ「セッション2016」で佐藤恭子(コンダクター、ソプラノ・サックス、ヴォイス)、土井徳浩(アルト・サックス、クラリネット)、吉本章紘(テナー・サックス、フルート、クラリネット)、鈴木圭(バリトン・サックス、バス・クラリネット、フルート)、石川広行(トランペット、フリューゲルホルン、ヴォイス)、村上基(トランペット、フリューゲルホルン)、和田充弘(トロンボーン)、寺屋ナオ(ギター)、佐藤浩一(ピアノ)、安田幸司(ベース)、則武諒(ドラムス)の演奏を聴き、その後の「邦楽ジョッキー」も聞いた。
昼食は西浅草へ行き「イマージュ」に入って、ワンプレートランチを注文。パン、プチデザート、エスプレッソコーヒーが付き1080円也。やはりここのキッシュは旨い。
スーパーに寄って食い物買うて一旦帰宅した。

筋トレ30分した。

また出掛けて久し振りに本屋を覗き、それからI岡夫妻と待ち合わせの赤坂へ徒歩2時間で到着。
マイナス金利政策は日本経済のシュリンクさせるやろとか話してウヰスキーかなり飲んだんで、電車も利用し帰宅。
先頃、ネットにカップルの♀が♂に暴力振るうケースが増えとるちゅう調査が紹介されとったが、何を今更ちゅう感じや。珍しいもんやないわ。ワテ、たまに胸や腹にパンチ入れられたり脚蹴られたりしとったもんな。そのお方との遣り取りをメモ書きから記しますわ。


昨日の午後、Eみさんと散歩して雑司ヶ谷霊園へ行ったんや。
都電荒川線の駅から程近い南池袋の落ち着いた住宅地にあるんやが、なかなか広い霊園で欅や銀杏なんかがニョキニョキと生えとる。
ふたり肩並べ暫く無言で歩いとったが、「野鳥のさえずりが聞こえるねぇ」と、立ち止まったEみさんが語りかけて来た。
「最近はEみのさえずりしかしか聞いとらんかったさかい、たまに鳥の鳴き声もええもんやな」彼女の顔見ながら云うた。
すかさずEみさん「それどういう意味さ」と口尖らせた。
「いやいや、Eみのお美しい声でさえずられるお話に飽きとる訳やあらしまへんでえ。お口直しに鳥もええなと」
「また皮肉だょ」
「肉は、さっき昼食で炒めてご馳走になったし」と云うたところで、Eみさんは遮るように「S吉も炒めてしまいたいょ」と云うた後、ワテの脇腹突くんや。
「痛いがな。ぞんざいな扱いせんで優しく接して欲しいわ」
「日頃優しい振る舞いしてくれていたらねぇ。自分だけ優しくしてもらおうと思ってもねぇ」云うて、ワテを探るように見た。
「しとるやろ。気遣い過ぎとる程やでえ」わざとらしく舌打ちして云うてみた。
「違うね!」と、Eみさんかぶりを振り声荒げ続けた。「S吉は気を許し過ぎてるから。親しい間柄にも礼儀ありでしょ」
「礼儀があったら暴力振るう事はあらへんやろなあ。暴力で支配されとる可哀想なワテ」と彼女から離れつつ云うて、「パンチ繰り出そうにももう届かぬやろ」と笑うたら、Eみさん素早くダッシュし向かって来て左手でワテの腹へ一撃入れた!
笑顔引っ込み腹押さえ呟いた。「ワテ、サンドバックやないがな」
「教育的指導だから。左手だったから痛くなかったでしょ。手加減してあげるのもここ迄で、それ以上不埒な事云ったらこの右のパンチがめり込むょ」と、右拳を振り回すEみさんが居った。
「十分痛かったがな。口八丁手八丁足八丁のEみちゃんには敵わん。観念した」とか云うて取り成しつつ歩み出した。
次に足止めたのは御鷹部屋の松ちゅうのがある所ですわ。案内にはここが将軍徳川吉宗の頃は幕府の鷹狩りの鷹飼育場やったと書かれとる。ワテ、上空を鷹が舞う様子に思い馳せた。
「何思い巡らせてるの?目左に寄って過去見てるようだけど、浮かんでるの今迄に食べた美味しい鰻?前沢牛のステーキ?それとも南瓜の煮物?」
「食い物やない、青空に鷹が飛ぶ姿が脳裏に浮かんだの」
歩きながら辺り見渡すと、歩いとる人多い。近所に住まい散歩のコースに組み入れとる人達も居るやろが、ここには有名人の墓が多いせいか、それ目当てで来とる方も居ったりするからやろ。ワテ等も一通り巡ったんやが、結構時間掛かりまっせ。立派な夏目漱石の墓とか永井荷風、泉鏡花、小泉八雲など文学者、美人画の竹久夢二、日本近代化の功労者小栗上野介忠順、幕末期に米国の様々な文物や有様を紹介したジョン万次郎、それに大東亜戦争時に陸軍大臣参謀総長兼務した盆暗で頑迷な東條英機のお墓もあるんや。
けど、思いの外人気ある墓は、意外にも鬼あざみの清吉ちゅう盗賊のやった。その墓石は削り取って持っとるとご利益があると信じる者居るんで上部が削られ丸うなっとんねん。それを指して云うた。「そんなに知られた盗賊なんやろか?それにしても、墓石の欠片も信心からちゅうところやな」
「Eみも持ってるょ、鬼あざみの清吉の」
「え、お前様も削ったんか?」
「ご利益物だからねぇ、頂きました」
「お前様にそないな趣味もあったとわ」とだけ云うて、{ダイヤモンドとかオパールとか集める趣味やなくてよかったわ}と思うた事は勿論云わんかった。藪蛇になるからな。
「趣味と云われても、鬼あざみのしか持ってないょ」
「ほな、大泥棒鼠小僧次郎吉の墓ある両国の回向院に行こか?あそこにも削られとった石あったでえ」
「楽しみぃ。じゃぁ来週ね」
「ほんま行くんかいな」と呟いたら、「云ってみただけなの。やっぱり優しくない」と、ワテを睨むんや。
そやからまた取り成して歩き出して霊園の外へ出たが、傍に雑司ヶ谷旧宣教師館ちゅう趣きある建物があった。米国人宣教師が大正から昭和初期にかけてここを拠点に布教活動をしていたんやて。彼等は削り取る者が後を絶たぬ雑司ヶ谷霊園の墓石をどないな思いで見とったんやろ?