貝掛温泉「貝掛温泉館」 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

昨朝は6時の長く揺れたマグニチュード7.3の大きな地震で目が覚めたが、福島、茨城、栃木では震度5弱とアメリカファーストで白人男主義なトランプ大統領当選並みやったが、ワテの住む所は3やった。昨日は三食共大地震に備え置いとる食料で古くなったもんを食うたわ。
本日はH世ちゃんの誕生日で日本全国お休みで、今朝は7時半に起きて、朝食には昨日同様大地震の非常食で古くなった鯖味噌煮缶詰、さんま味噌煮缶詰、焼き鳥缶詰食うた。デザートはフィリピン産バナナ3本。
ジミー・ラッシングのアルバム「ザ・ユー・アンド・ミー・ザット・ユースト・トゥ・ビー」とマッコイ・タイナーのアルバム「アサンテ」、「エコーズ・オブ・ア・フレンド」、「タイム・フォー・タイナー」をレコードで聴いとったら、昼食に出遅れたんで厚着して自転車で出掛けた。
雷門「ラ マニ ビーンズ」に入り、パスタをチキンと野菜 トマトソースにし、200円プラスして前菜盛り合わせとコーヒー付けてもろて計1200円也。BGMのボサノヴァ聴きながらゆっくり昼食。
満足して店を出、スーパーに寄り非常食用缶詰買うて帰った。
本棚に詰まった書籍の並べ替えをまた始めたが、何日掛かることやら。
疲れたところで、ラジオで大相撲中継聞いた。全勝力士が居なくなり1敗三人に2敗二人と面白なったがな。
筋トレ30分した。

夕食はタイ産鶏肉、北海道産南瓜、茨城産ピーマン、岩手産椎茸をタジン鍋で蒸して食うた。デザートはフィリピン産パイナップル1/4。
それから風呂に小一時間浸り、A君が云うとったワテ等の時と比べ今の若人の行動半径が狭まっとるちゅう指摘考えとった。A君は学生の時に海外へバックパッカーとして何度か行っとったもんなあ。


85年の初夏にT夫さんとJちゃんと一緒に湯沢町の貝掛温泉「貝掛温泉館」へ行った。日本秘湯を守る会の宿や。
乗降客多い越後湯沢駅を出て、観光客で混み合う土産物屋を覗いたり遠方の緑に彩られた山々眺めたりして辺り散策しとると川端康成の「雪国」の舞台になるような和風情緒ある旅館や大型旅館あったが、三人共驚いたのはリゾートマンション群の建ち並ぶ景観ですわ。
越後湯沢が温泉リゾートの地としてマンション競うように建ち始めたのはいつ頃からなんやろ?
「噂には聞いていたけど凄い数だねえ」
「こりゃあリゾートマンション原宿竹下通りみたいなもんやでえ」
「購入する金持つ人があれだけ居るのかね?」
「目処あるから建ててるんでしょうねえ」
「しかし誰と誰が来るんだろうか?」
「30年後に卒塔婆の如くなってなければええんやが」
宿の送迎バスに乗り20分、清津川に掛かる貝掛橋を渡って川畔の緑に囲まれた一軒宿に着いた。
古風な木造二階建てやが、明治に建造したのを改築リフォームしとる様子。
通された部屋で目薬の木茶飲みながら暫し歓談した後、浴衣に着替えいざ風呂へ。
先客少ない内湯に入ったらちょっちぬるめ。無色透明の湯が源泉掛け流しですわ。
飲んだJちゃんによると温泉の味は塩気あったとか。泉質がナトリウム・カルシウムー塩化物泉やからな。
湯船から上がろうとした時、気泡が肌にまとわり付いとったのに気付いたがな。
そして、温泉名書かれた提灯が掛かる石組みの露天風呂へ進むと、先に入っとったの10人位居って後から数人来たけど優に30人は入れる広さで問題無し。湯はワテの好みよりもぬるめ。つまり、体温よりちょっち熱いだけやが、三人は内湯で温まっとったんでゆっくり浸かって飲み屋でするいつもの四方山話に花咲かせた。
眼病の名湯として知られとるんで、内湯でも露天風呂でも湯口で湯船に注がれる湯を手で掬って眼も洗うた。かつては目薬として売っとったちゅう湯はホウ酸含有しとるんやて。ネット画面と睨めっこで視神経酷使しとる日常生活を送っとる人にはええ温泉や。
「温泉で血の巡りよくなって体の芯まで温まった。いい湯だったねえ」
「ポッカポカや。風呂場から出ても温かさ持続しとるの塩分含んどるからこそですわな」
「新陳代謝が進んで腰痛や神経痛に効くだろうし、冷え性の女性にも喜ばれるねえ」
「ちゅう事は不妊症にも効きまっしゃろか?」
T夫さんとワテが話しとると、Jちゃんが呟いて笑うた。「これで懐の方も同じように温かければいいんだけど」
夕食は山里料理が並んで、品数多いが一品の量は少なめ。
旅館の夕食に川魚の塩焼きを出すのはフツーやけど、旨かったがなここの岩魚の塩焼き。香ばしく骨も食えて残したのは尻尾だけや。それと旨かったの、地元南魚沼コシヒカリ米のご飯でおひつのお代わりしましたわ。
食後、また風呂へ。思うた通り内湯も露天風呂も空いとった。
戻った部屋でワテがつくって来た白ワインベースにライムとコアントロー足したカクテル飲みながらJちゃんの独演会聞いとる内に夜は更けた。
朝、もう一度三人で風呂浴びてから食事し帰り支度。
時期のせいか宿泊者は観光客ばかりのようで、地元の言葉は聞こえて来ず湯治場の雰囲気は薄かった。
駅迄送ってくれた宿のバスはほぼ満席やった。
ワテ、カクテルを入れて来たペットボトルよく洗い温泉入れ持ち帰って、40円の葉書が<旅を浴して露天風呂>とか記した宿の宣伝入りで売価5円安くなったの10枚と共にお土産にしたんや。