猫のポーズ | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

猛烈な雨の翌朝の今朝は7時ちょっち過ぎに起きた。

Mちゃんに葉書認めた。

朝食に北海道産ゆめぴりか米でご飯炊き、くめ納豆、海苔で二膳。牛乳飲み、デザートは栃木産幸水梨。
ゲイリー・バートンとチック・コリアのデュエット・アルバム「クリスタル・サイレンス」をレコードで聴いた。

伸びた手足の爪切った。
ラジオ「セッション2015」で秋田慎治(ピアノ)、坂崎拓也(ベース)、加納樹麻(ドラムス)の演奏を聴いた。その中に「Rain makes us one」ちゅう曲があった。雨は一つにもし、散り散りにもする。
昼食は親疎通りにある西浅草「イマージュ」に初めて入ってみた。平日限定のワンプレートランチをお願いしたが、パン、プチデザート、エスプレッソコーヒーが付き1080円也。エビクリームクロケットと鶏腿肉のキッシュは旨かった。
今週は今日迄一度も散歩しとらんかったんで、浅草をブラブラしてから、郵便局に立ち寄り、スーパーで食料購入し帰宅。
風呂に一時間浸り、産業界の要請に従い自民党・公明党などで可決した派遣社員で正社員の仕事が代替出来るんで正社員数の削減につながる労働者派遣法改正案を改めて考えとった。この法改正に賛成票投じた議員はデフレが好きなんやな。ジワジワ国を衰退させるデフレの解消は考えに無いんや。
ほな、今朝はWみさんの夢見たんで、昔のメモからワテを猫やないかと疑っていた彼女との遣り取りを写しますわ。


冷え冷えした夕闇の初冬、伝えとった訪問時間ぴったりにWみさんのマンションの扉を開け、「来たでえ」とリビングルームへ行くと、派手なトレーニングシャツに白いショートパンツ姿の彼女が手を肩幅、膝を腰幅に開き、両手両膝を床に付いとった。足指は爪先立ててな。
「何しとるんや」
「猫のポーズ」と云いながら、彼女は息吸うたり吐いたりして山の如く背中を丸めてゆき、呼吸繰り返しとった。
「猫になりたいんか?」
Wみさんは朗らかに笑うて云うた。「S吉は肩凝りしなくて羨ましいわ」
「ワテ肩は凝らんけど、お江戸に凝っとる」
Wみさんが上を向いて尻突き出し、何度か呼吸した後云うた。「お江戸でも吉原に耽ってるんだよね」
「吉原に耽ってるちゅうのは、なんや違う事想わせるさかい適切やない」
「でも、吉原が主な研究対象だよね」
「確かに、吉原の事で得た知識をお前様に話しとるのはその通りやが、江戸文化の一端担った吉原の事ですわ。間違いなかろ」
「嬉しそうにね」と云うて、顔を下げ、上げた片膝にくっ付け、また呼吸を何回かした。
「お前様かていつも興味深く聞いとるやないか」
顔を上げ、「大きい声出さないの」と云い、片足をピーンと張って上の方に伸ばしてゆきましたんや。
{なんかエロいな}と口に出しそうになったのを留め、「これが猫のポーズなんか?」と聞いた。
先程しとった顔を下げ片膝をおでこにくっ付けての呼吸何回かをまたしたWみさん、「そうよ、猫に見えない?」
「片足をピーンと伸ばしとるところは、おしっこしとる様子?近頃は犬でもあないカッコよくおしっこしよるの少ないでえ」
Wみさん大きく笑い、「脚はね、しっぽだと思って」と云うた。
「しっぽねえ。そう云えば、ワテんとこの近所の痩せた縞猫が自転車のサドルの上に居ったの見たんやけど、どうやって上る事出来たんやろ?不思議やでえ」
「聞いてみたらいいじゃん」
「あのねえ、人様の言葉理解出来ん奴に、語りかけても仕方なかろ」
「S吉なら猫語出来るんじゃん」
「出来るかい。英語さえ満足に喋れんのに、猫の言葉話せる訳ないがな」
「猫語、達者だと思ってた」
「ワテ、猫を研究対象にしとらん」
「自分の事は知っといたら」