『舞妓はレディ』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

『舞妓はレディ』☆☆☆

昨夜は赤坂でHJちゃん、KY姐と音楽を楽しみ徒歩で帰り寝たのは丁度今日になった頃で、今朝起きたのは8時半やった。

ご飯が炊ける迄風呂掃除した。
山形庄内産つや姫でご飯炊き、くめ納豆、紀州産梅干で二膳。デザートは千葉産梨。
友人達にメール打ってから出掛け、金融機関を巡り健康保険料等を支払うた。
昼食は「入谷鬼子母神門前 のだや」でランチうな丼食うた。1490円也。絶滅危惧種指定は、ほんま旨いなあ。鰻食えぬ世など耐えられんわ。
明日は図書館に行く余裕無いんで、それから南千住図書館へ行ったらなぜか休館・・・日暮里図書館へ行き新聞と日本史の書籍読んだ。
スーパーに立ち寄り買うた半額になった海鮮丼で夕食。
熊谷泰昌君と川村竜のCD「OL'SCHOOL JAZZ」を聴いた。

筋トレ30分し、牛乳ゴクゴク飲んだ。
風呂に小一時間浸り、カジノ施設の設置を推進する超党派の議員連盟が、そこでの日本人の利用について入場制限や入場料徴収などの条件付きで認めると方針転換してその議員連盟が出しとる法案を修正しよるちゅうの呆れたり、こないな景気状態なのに消費税をまだ10%にしよ云うとる経済評論屋や議員や官僚が居るのに呆れとった。


去年は映画二百本観た云うHJちゃんが先般ごっつ誉めとった周防正行監督の新作を今週の水曜日に木場へ観に行ったんや。
客の入りはワテ入れても11人。平日の午後というても思うより少なかったわ。
どうしても舞妓になりたい津軽から来た小娘春子が主人公で、偉大なド田舎京都の花街で修行積み舞妓小春になる成長物語をミュージカル仕立てにしとるんや。
流石周防正行、春子の喋る御国言葉を理解出来るの言語学者しか居らんとか細かく工夫しとるわいと感心しながら観とる内に、これビデオで借りて何回か観た「マイ・フェア・レディ」やと気付いた。タイトル駄洒落やったがな。
オードリー・ヘップバーン演じたイライザに当たる役が上白石萌音ちゅう娘で、上流社会の英語を仕込み社交界デビューさせるヒギンズ教授に当たる言語学者京野役は長谷川博己や。
けどな、周防が脚本書いたこの作品では、ゴキブリさんで言語学者の京野一人が小娘育てるんやなく、お茶屋の人々や街の芸妓や踊りの師匠それに男衆等が育てるんや。「マイ・フェア・レディ」よりこっちの方がよっぽど実際的やで。
また、周防作品に馴染の俳優達が揃うとるんやが、歌舞伎役者を演ずる小日向文世との絡みのシーンでの里春姐さん草刈民代の角度が秀逸ですわ。感服したでえ。
芸能事務所の社長役高嶋政宏も嵌っとる。下手な監督やったら、男衆演じた竹中直人をこの社長に振ってしまうがな。
早う芸妓になりたい老けた舞妓百春役の田畑智子も笑わせる。
しかし案山子、富司純子演ずるお茶屋の女将千春の舞妓時代の初恋回想シーンが張りぼてのYS-11なんか出てきてええんやが、すんまへん周防監督、舞妓千春役の大原櫻子の歌と富司純子の歌が芸風異なり過ぎやなかろうか。ちゅうより大原櫻子のそれは役者のもんやなく歌手のもんで、違和感あった。
近代国家は経済の要請に従い御国言葉を抑圧した。商売上京都言葉を習得せんならん薩摩言葉と津軽言葉の入り混じった言葉話す小春を通し、御国言葉とイントネーションが相違する可笑しみが京都の花街文化や仕来たりの相違の可笑しみなんやが、それをミュージカルという手法で説明上手くしとったがな。お化けの日、男衆、お見世出し等知ってお勉強になったわ。
知られざる世界に居る人々の奮闘努力をコミカルに描く、これぞ周防正行の真骨頂ちゅう映画でしたわ。
そして、考えさせられた。
一所懸命にやってすらイップスになる事もある。ただ楽しんどるのと違うて、自覚を持ってやるちゅうのは何事も大変なんや。
だからこそ世の中しゃっちょこばって生きても詰まらんわな、と思わせた作品やった。
冒頭で春子が不安げに姿見せた花街の入り口で、舞妓小春になって出演者全員と歌い踊るエンディングを見終えて、ほっこりしましたどす。
周防正行、おおきに。これからも宜しゅうおたのもうします。