上野桜木 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

一昨日図書館の冷房にやられ風邪ひいてしもて、昨日は三食とも大地震に備えた非常食食うてた以外、ほぼ寝たきりやったんで、流石に今日目覚めたの5時前。

秋吉敏子&ルー・タバキン・ビック・ハンドのアルバム「孤軍」をレコードで繰り返し聴いとったら朝食が遅くなったわ。名盤やね。
朝食は山形庄内産つや姫でご飯炊き、海苔、紀州産梅干で二膳。納豆が切れとった。夕食の為にお結びつくって冷蔵庫に入れた。
サラ・ボーンのレコード・アルバム「アイ・ラブ・ブラジル」を聴いたが、サラはごっつう上手いなあ。
そして、鼻水垂らしながら上野桜木散歩し、昼食は初めての店「上野桜木 菜の花」。
日暮里図書館へ行って、冷房が直接届かぬ所に座り日本の歴史のお勉強を二時間し、雷雨にならぬ前に出て、スーパーで食料買うて帰宅。
筋トレを30分した。

牛乳飲んでからぬるめの風呂に小一時間浸り、ロシアが関与しとると思われるウクライナ東部でのマレーシア航空機撃墜事件で事態が大きく動いてしもたが、更にウクライナ情勢が混乱せねばええがと思うとった。
上がると同時位に、天気予報通り雷轟く大雨が降り出した。
お結び3個で夕食。デザートはチョコレート。

「アイ・ラブ・ブラジル」をまた聴いた。


上野桜木ちゅうと、嘗て彰義隊と新政府軍が戦争した所やが、今は閑静な住宅地ですわ。
しかも、徳川家菩提寺の寛永寺がシンボルちゅうか霊園含め大きな割合を占めとる。そやから上野桜木の人口に占める亡くなられた方々の比率も高く、より一層閑静な訳や。それなのに地価は高いが、青山霊園があっても彼の地も高いのと同じか。
上野桜木の思い出ちゅうと、取り立てては無い。暑さで鈍る回転のようない脳を叱咤激励し動かしてみても無い。
寛永寺の敷地内でワテの腕から清い血を略奪せんとする蚊を叩き殺した事があったが、見とったはずの坊主から叱責された事は無い。

時々、デブ猫が寛永寺の敷地内で平和そうに眠っとるが、夜に豹変して化けて出る事は無さそうや。
二丁目には、台湾で採れる実を寒天状にし、レモンシロップ掛けて頂くプルプルンな一品を店名にした「愛玉子」があるんやが、そこのファンキーな婆ちゃんに愛の告白をされた事も無い。かなりご無沙汰しとるが、あの婆ちゃん健在やろか?
「パティシェ イナムラ ショウゾウ」も二丁目にあるが、一時期は恋した如く通っとったものの、修行中のドア・ガールにもドア・ボーイにも告白をされた事無く、こちらにも久しくご無沙汰しとる。
今日、蒸し暑いのに上野の小山登りして上野桜木へ散歩に出たんは、久し振りに「花村」で旨い京風料理が食いとうなったからに他ならない。正午ちょっち前に着くように歩いたんや。
ところが、二丁目から言問通りを越え上野桜木会館方向へ歩み着いてみると、もう「ペペ ル モコ」の隣に目指す店が無くなっとった!
そこは、「上野桜木 菜の花」ちゅう店になっとったんや。{ウウム、桜木に菜の花か、どちらもワテの好みやないなあ}と思うたが、三連休真ん中の日の昼食時で先程通って来た所の文句無くフツーに頂ける店々も混んどったし、「ペペ ル モコ」はプータローのワテの昼食予算遥かにオーバーしとる。{佐渡流日本料理か、さあどうする}と洒落が浮かんで、新しい店のランチの料金確認したら千円からあるんで入ってみた。
「花村」には小上がりがあったと記憶するんやが、テーブル席とカウンターのみで、カウンターの奥に座り品書き見ると、1550円也のゴマだれ魚のお茶漬けセットが気になって、予算オーバーではあるものの頼んでしもた。
けれど、まず来た前菜がどれも旨く、期待が膨らんだ。それからゴマだれをあわせた魚数種とご飯に吸い物が届き、佐渡で獲れた魚を載せてご飯食うたが、偽り無い佐渡直送の新鮮な味で嬉かったわ。その後、ご飯のお代わりもらい、刻み海苔、あられ、山葵を混ぜ、出汁掛けたお茶漬けで二度旨いちゅうやっちゃ。
女将は丁寧に使っとる食材を教えてくれ、ほとんどは佐渡産で、米、野菜は主人のお母上が作ったもんとの話。豆腐は店の町内にある藤屋豆腐店のもんやった。
女将にここにいつ店開いたのか尋ねると、一年経った云う。
食いながら思うとった。{「花村」には旨いもん食わせてもろたが、あの夫婦は一年前に引退したんやろうなあ。名物のあの婆ちゃんに会えぬのか、と思うと何や寂しいがな。率直な物言いに幾度か虚を衝かれたもんやったが}
店を出て行き交う谷根千巡りの人々見て思うた。{上野桜木に相応しい店が新たに出来てよかったわ。願わくは中尾彬、池波志乃夫妻がテレビで紹介して、穏やかに食えなくなる事がありませんように}