『飛べ! ダコタ』 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

『飛べ! ダコタ』☆☆

相変わらず多忙なEI君に「一杯飲んで帰りたいが、20時頃になる。付合えるか?」と誘われ、末広町から歩き御徒町「まーちゃん」へ指定時間に行き、ビール飲み焼き豚食うて帰宅。
今週、体調気遣う電話がDODから入ったんやが、「相変わらず極端だよねえ」と云われた。映画観に行く時は立て続けに行くのに、観なくなるとトンと行かぬちゅう事を指して云うとったんや。
まあ確かにそないなところもあるかもしらん。
今週は月曜日にふと、{久しく日本人のつくるカレーを食うとらんなあ}と思うたんで、その夕食に吉野家で旨辛カレーから始まり、火曜日昼が御茶ノ水「エチオピア」でチキンカレー、水曜日昼ふらんす亭で牛すじカレー、木曜夜がCoCo壱で牛カルビ焼肉カレー、今夜は末広町「ブラウニー」で牛すじカレーと五日続けて食べたしな。


『飛べ! ダコタ』をJAZZ友DODがほめるんで、昨日観に行ったんや。
DODから実話に基き描かれた物語や、と聞いとったが、基になった実話はしっかり語り継がなあかんでえ。
映画の監督は油谷誠至ちゅう人。主演が比嘉愛未。東京乾電池の連中が脇を固めとった。
出演者は難儀したろうが、真冬の日本海の厳しさ寒さが伝わってきよる映画でしたがな。その地にあるダコタがまたええ姿しとる。ダコタとは、“ビルマのマウントバッテン”と謳われたマウントバッテン卿も乗った英国空軍の要人機や。この辺はワテの友で“永遠の軍国少年”と謳われるM夫ちゃんが詳しい。その飛行機が突如佐渡島高千村の海岸に悪天候で不時着。
時は、終戦しとるとはいえわずか五ヶ月後の敵国機不時着やから、村民は単に恐れや戸惑いばかりやなく、思いはごっつう複雑や。
柄本明演ずる村長が、息子から出た言葉に「若い者は単純でええな」、と云うのが象徴しとる。
別の場面、村長は村の小母ちゃん達の会話を聞き、こうも云う。「騙されたと思っていては戦争は止められん」被害者面しとってばかりでは戦争は止められんのや。
過去の妄執に囚われとっても戦争は止められん。わだかまりを捨てられず、軽はずみな暴挙に及ぶ木村のような男が更なる悲劇をもたらすもんやからな。
この作品が、戦争の愚かしさと村人と乗組員の英国人が交流を通じ言葉の壁を越えて絆を深める物語やちゅうのはすぐ分かる。
分かるが、この“おもてなしニッポン”ならぬ“おもてなし佐渡島”は凄いでえ。生半可や無い。
住民達は、英国人の要請に応えダコタが再び飛べるようにと浜辺に500メートルの滑走路造ってしまうんやからな。石を運び敷き詰めてな。それも無償やで。
それだけやなく、乗組員の壮行会で子供達がスコットランド民謡「蛍の光」を歌うんや。子供達に望郷の乗組員が唱和したところで、ワテ涙こぼれたわ。
残念なんは、多分CG予算が少ないんで、ダコタが飛び立つシーンが貧弱なんですわ。
それと、ダコタがあっさり余韻残さず高千村の空を去ってしまうのに拍子抜けしたわ。