沼津便り4月号
2024年3月20日 編集 松本 徹
沼津市に引っ越して来て2年目になる。沼津市を車で走っていると色々な顔を持った富士山を見る ことが出来る。特に伊豆の国市から沼津市に帰る時に見える富士山は雄大で綺麗だ。
さて3月14日で66歳になった。66年間の人生を振り 返ってみると様々な出会いと別れがあった。出会いを簡 単に層別してみると良い出会いと悪い出会いがあり、悪 い出会いとはなるべく早く決別する様に努力をして来た つもりだ。長くサラリーマンをやっていると最悪の上司 と一緒に仕事をする事もあるが、上司の転勤を願うか自 分で違う職場に行けるように努力するか最悪会社を辞め たら良いと今でも考えている。 僕は2015年河北省にある自動車会社で仕事をする事に なった。この会社は中国のローカルメーカーでこの会社
でも実に多くの出会いがあった。この事は小説「遥か向こうにはいつも夢が見えていた」2作目で 詳しく書かせて頂いた。当時この会社には多くの日本人が働いており、日本の自動車メーカーの OBがその経験と知識を最大限に活かして仕事をしていた。僕も品質保証部でN社のOBと仕事をす る事になった。この時初めてN社の仕事をやり方を勉強した。そのやり方が良いか悪いか別にして も実にクールに仕事をするものだとある意味感心した。この会社で仕事をする外国人は外国人専 門のレストランでランチを取ることになり、この時間を利用して多くの外国人と交流を図った。
この会社で仕事を始めて1年が経過した頃天津にあるコンサルタ ント会社と仕事をする事になった。この会社はT社のOBと契約し て、その契約した技術者が中国の自動車メーカーと短期の契約を 結び様々な仕事をしていた。実車テストの専門家、設計の専門家 等色々な経験を積んだ技術者がこのコンサルタント会社には在籍 していた。当時このコンサルタント会社で営業をやっていた韓さ んにこの時始めてあった。それから韓さんとは今でも付き合いあ があり、まさか彼とこんなにも長く付き合うことになるとは思っ てもいなかった。彼は天津の出身で大学は日本の東北にある大学 を卒業している。卒業後日本で仕事をしていたが、暫くして天津 に戻りこのコンサルタント会社に就職した。彼と出会って品質の 仕事があると僕に連絡をしてくれる様になって、彼とは色々な仕 事をして来た。例えば北京にある自動車の設計会社で品質の勉強
会を開催したり、天津にあるパナソニックでDRBFMの勉強会も実施させて頂いた。また大手バイ クメーカーが電気自動車の開発に取り組むと言う計画を韓さんが掴み、一緒に蘇州まで話を聞き に行った事もあった。振り返ってみると韓さんとは10年近い付き合いになっており、今では彼の ことを弟の様に思って付き合っている。2020年一度日本に戻って仕事をしている時に、また韓さ んから連絡が入り、広州の自動車会社で仕事をする気がないか打診があった。いつもの様に韓さ んと空港で待ち合わせをしてこの会社に話を聞きに行った。この広州の会社とは縁が出来て結局2 年間この会社で仕事をする事になった。韓さんの会社は現在名古屋に支店があり、韓さんは時々 名古屋に来て、T社のOB達と交流を深めている。とても良い事だと思っている。
  
 今年になって久しぶりに韓さんから連絡があり、政府の依頼で青島にある自動車会社で品質の勉
強会を開いて欲しいと依頼があった。韓さんの依頼なので断る事は出来ないので、資料をまとめ
て彼に送った。5月に勉強会を予定しているので、 今その準備を少しづつ始めている。 本当に出会いとは不思議な縁をもたらしてくれるも のだとつくづくと思っているところなのだ。 さて現在はサウンドファンと契約して週3日間仕事 をさせて頂いている。この会社との出会いはまたの 機会に書かせていただく事にするが、早いもので仕 事を始めて3年目になる。契約する時サウンドファ ンの経営は今から思うと一番苦しい時で、それでも 何かの縁だと思い、清水の舞台から飛び降りるつも りで、広州の会社との契約を終えて日本に帰って来
た。それからサウンドファンの業績は順調に右肩上 がりとなり、今でも売り上げを伸ばしている。また3月にはミライスピーカーminiと言う新商品も
発売して好評を頂いている。この商品は技術屋の努力により今までの商品と比較して大幅なコス トダウンを達成する事が出来た。お陰様でこの商品は歳を取り耳の聞こえにくくなったお客様よ
りとても良い商品だとお褒めのお言葉を頂いている。車の開発 からスピーカの開発へと大きく舵を切っても、お客様から届け らるお褒めの言葉を励みに、これからもCSNo1を基本に商品 開発に尽力したいと考えている。またモノづくりの原点は品質 なので、今後とも品質の仕事に取り組みたいと考えている。 そろそろ沼津にも桜の便りが届き、春本番を迎えようとしてい るところなのだが、今年はなんだか良い出会いあがある様な気 がしてならないのだ。